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二章 ハーレムルート

それは決してイタズラではないんです

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「ルゥ」

「はい」

「これは…なんです?」

「ん?…にゃ゛っ」

ぽん

アレックスが指したのは、僕が猫の時に爪をガリガリしてしまった跡です。
驚きのあまりつい猫になっちゃった。
パニックが治まらない僕は色んな所を走り回り、辿り着いたのは机の奥だった。

暗闇って落ち着く。

「ルゥ?隠れてないで出てきなさい?」

机の下から見えるアレックスの顔と声が怖かった。
暗闇からだと光に照らされながらもアレックスの顔が影となり、どんな表情なのか見えなかった。

僕…怒られ…ますか?

だけどね…わざとじゃないの。
猫の習性なんです。
だからお願いです、飼い主様は怒らないで欲しいです。

「怒らないですから、出てきなさい。」

その言葉で恐る恐る魔王の元へ。
光に照らされたアレックスは笑顔なのに…怖くて…それ以上進めなかった。
硬直する僕を優しくアレックスが抱き上げた。

「全く…貴方は…大人しく待っていなさいと伝えたのに…。」

「にゃっにゃぁん」

許してぇという思いでアレックスを見つめた。

「この程度ならすぐに魔法で直せますから安心してください。」

「にゃぁん」

良かった。
ありがとうの意味を込めてアレックスの唇にキスをした。
ポンポンと撫でられると落ち着く。

「学園復帰も近いというのに心配になります。」

「にゃぁん」

大丈夫ですよ。
学園に行ったら一人じゃないもん。

「ん?学園復帰出来そうなんですか?」

うんうんと僕は頷いた。
こういう時一番に質問するのってエドだよね。

「許可が漸く下りました。明日から復帰出来ますよ。」

「にゃん」

復帰出来るとは聞いていたが、明日だとは…やったぁ。
 
「長かったですね。」

「えぇ、学園に騎士の人数を増やしたりと色々有りましたから。」

えっ?
そうなの?

「にゃぁん?」

「貴方は百年ぶりの獣人ですからね、当然です。」

やっぱり獣人て大変なことなのかな?
淋しいからって安易に部屋から出ちゃいけなかったのかもしれない…。
ごめんなさいの意味を込めてアレックスに抱きついた。

「貴方は気にしなくていいんです。」

「…にゃん…」

「先生いいっすか?今日は俺なんで。」

いつの間にか側にエドがいて、僕に手を伸ばしていた。
アレックスはゆっくり僕をエドに渡した。
けど、爪がアレックスの服に引っ掛かっちゃった。
わざとでなくエドが嫌な訳でもない、アレックスと離れたくなかっただけ。
僕は狡いから皆が好きなの。
皆といたい。

エドの腕の中に収まった。

「なら、食事も?」

「明日の朝からは食堂で問題ないですが、一人での行動は避けること。」

「にゃん」

「…信用できない返事ですね…。」

「にゃぁんん゛」

大丈夫ですっ。

「明日の朝は俺がついてるんで問題です。」

「よろしくお願いしますね、勝手に出歩く常習犯ですから。」

「………にゃぁ?」

そんなに出歩いてないよね?

「俺がちゃんとついてます、俺の部屋に連れてって良いっすか?」

「…はい、どうぞ。」

「なら行くぞ?」

「んにゃぁにゃぁにゃぁ」

「んつどうしたんだよ嫌なのか?」

「にゃぁにゃぁ」

皆に挨拶。
アレックスの方へ身体を伸ばすと手を伸ばして僕を抱き上げた、

「んっどうしました?」

受け止めてくれ、唇の端にキスをした。
次にライに手を伸ばすと、僕の意図に気付いたアレックスがライに僕を渡した。
僕はライの胸に手を付き唇の端にキスをして、終わるとリックに合図を送った。
リックにはライの腕の中からキスをした。
キスが終わると僕はエドの腕の中に戻った。

「俺にはしないのか?」

エドの腕の中で寛いでいるとエドからキスを求められた。
身体を伸ばしエドの唇にキスをした。

「んじゃ、俺は部屋に戻るわ。」

僕たちは先に部屋に戻った。
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