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二章 ハーレムルート
大冒険
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アレックスは先生モードになり触ってくれなくなってしまった。
このままでは学園に遅れてしまいそうだったからだけど…。
分かってるけどさっ。
猫だって寂しいと弱るんだからなっ。
先生モードになったアレックスに隙を見て唇を奪おうとしても、身長差があり未遂で終わった。
先生のぶぁかっ。
僕の顔が次第に不機嫌になっていく。
早く学園に戻りたいな。
そうしたら、一人ぼっちじゃなくなるのに…。
僕は皆が来てくれるのをひたすら待つしかなくなる。
「ちゃんと良い子で待っているんですよ。」
子供に言い聞かせるように頭をなでならが先生は部屋からでていってしまった。
扉の閉まる音が拒絶のようで胸が苦しくなった。
一人はやだよ…。
窓から先生の後ろ姿を見つけ「にゃぁん、にゃぁああん」と鳴いた。
沢山鳴いたのに先生は振り向いてくれなかった。
この棟には魔法が掛かっており、きっと音も遮断されているのだろう。
それでも魔法の得意な先生には気付いて欲しかった。
「にゃぁん…にゃん…」
僕がちゃんと猫化を制御できれば直ぐにでも学園に行けるのでは?
よしっ、猫になって人間に戻れれば学園に行けるはず。
目標が出来て一気に気持ちが浮上した。
「猫になるぞぉ。」
ぽん
「にゃあっ」
うわぁっ、視界が真っ暗に。
なんだ?
暗闇から抜けると視界がとっても低いことに気付いた。
もしかして出来たの?出来ちゃったの僕?
急いで鏡の前に移動して自分の姿を確認した。
鏡には真っ黒の猫が映ってた。
やったぁ、猫になれた。
これから人間に戻ることが出来たら完璧だっ。
人間に戻るぞっ。
んっんーんんっ。
ぽん
…出来たっ。
やったぁあ…ふひゃっひゃっ……。
鏡の前で裸で、はしゃいでる自分に冷静になり目を逸らした…。
服を着る前にもう一度試しに猫になってみた。
ぽん
出来た。
完全に猫化マスターしたのでは?
ならもう大丈夫だっ。
んん?
こう見ると猫の僕結構可愛いのでは?
艶やかな毛並みにクリックリの瞳。
フッサフサの長い尻尾じゃないのは残念だけど、結構気に入ってる。
これなら明日から行っても良いはずっ……今から…行っちゃおうかな?
猫なら獣人て思われないだろうし…。
ふふん。
猫の姿で大冒険だっ。
ドアノブにジャンプして体を揺らして扉を開けた。
シュタッと格好良く着地を決め、気分はスパイだ。
猫の姿も違和感なくそれどころか楽しいくらい走れるし、ジャンプが面白い。
高いところから降りるのも一メートル以上ある場所を飛び移るのもお手のもの。
猫って楽しいぃ。
高い木に登るのも爪が良い役割をして簡単に登れてしまった。
眺めが良くて風も気持ちいい。
学園は木々に囲まれ周囲を見渡す事が出来なかったが木に登ったことで遠くまで眺めることが出来た。
見た方角は、街とは違い山や湖の大自然が広がっていた。
湖がキラキラして綺麗であり泳ぎたくなる。
夏になったら皆で泳ぎに行きたいな。
この世界は皆で泳ぐって事しないみたいなんだよね。
僕、こう見えて泳ぐの得意なんだよなぁ。
遠くから剣を振るう声が聞こえさらに高く登ると、皆が鍛練場にいた。
そうだ僕は学園に行こうとしてたんだ。
つい猫が楽しくて忘れてた。
今が授業中なら先生の個別室やライアン様の教室に潜り込みやすいかもっ。
早く行って驚かせたいなぁ。
木から大ジャンプを決めて、誰も見ていないのにポーズを決めて観客にアピールした。
ノリノリな気分で学園に向かう。
授業中の廊下はとても静かで、僕の知らない学園を堪能しながら廊下を堂々と真ん中を歩いた。
ライアン様達の教室は当然授業中で潜り込むなんて出来ず、教室後方の扉は上部がガラスで中を覗くことが出来る。
数十分前から得意となったジャンプで窓枠を華麗に掴んだ。
後ろからはあまり見られたくないような姿でライアン様を探した。
Aクラスはライアン様やエドバルド様フレデリック様がいて、後ろ姿だけでも三人を見つけることが出来た。
ライアン様とフレデリック様は真面目に見えるのに、エドバルド様はなんだか不真面目と言うか眠そうな感じ。
もしかしたら寝てるのかも。
無防備なうなじをカプッと噛んでやりたい。
あまりに三人に夢中になっているとコツンとガラスに頭をぶつけてしまい…
「にゃん」
つい鳴き声もあげてしまった。
三人ばかり見ていたら扉近くの生徒と目があってしまった。
「にゃ゛あ゛」
驚きのあまり窓枠をつかんでいた手を開き廊下に落ちる瞬間には体勢を変え着地した。
その後僕は気が付いたら廊下を全速力で走りだしていた。
廊下を走っちゃいけませんよっと小学校の先生の言葉が甦ったが、手足を止めることは出来なかった。
アレックスの部屋まで猫まっしぐらだった。
慌てているからかドアノブを上手く掴めず扉の前で何度もジャンプを繰り返し漸く掴むも中々空いてくれない。
焦れば焦る程ドアノブにぶら下がることしか出来なかった。
「ふにゃっふにゃっ」
身体を揺らしドアノブに必死にしがみついた。
かちゃっ
漸く開き身体を捩じ込ませた。
アレックスの部屋につきアレックスの香りを感じ安心したのか、眠くなってしまった。
アレックスの椅子に乗り丸くなっていると、ついつい眠ってしまい僕の大冒険は幕を閉じた…。
このままでは学園に遅れてしまいそうだったからだけど…。
分かってるけどさっ。
猫だって寂しいと弱るんだからなっ。
先生モードになったアレックスに隙を見て唇を奪おうとしても、身長差があり未遂で終わった。
先生のぶぁかっ。
僕の顔が次第に不機嫌になっていく。
早く学園に戻りたいな。
そうしたら、一人ぼっちじゃなくなるのに…。
僕は皆が来てくれるのをひたすら待つしかなくなる。
「ちゃんと良い子で待っているんですよ。」
子供に言い聞かせるように頭をなでならが先生は部屋からでていってしまった。
扉の閉まる音が拒絶のようで胸が苦しくなった。
一人はやだよ…。
窓から先生の後ろ姿を見つけ「にゃぁん、にゃぁああん」と鳴いた。
沢山鳴いたのに先生は振り向いてくれなかった。
この棟には魔法が掛かっており、きっと音も遮断されているのだろう。
それでも魔法の得意な先生には気付いて欲しかった。
「にゃぁん…にゃん…」
僕がちゃんと猫化を制御できれば直ぐにでも学園に行けるのでは?
よしっ、猫になって人間に戻れれば学園に行けるはず。
目標が出来て一気に気持ちが浮上した。
「猫になるぞぉ。」
ぽん
「にゃあっ」
うわぁっ、視界が真っ暗に。
なんだ?
暗闇から抜けると視界がとっても低いことに気付いた。
もしかして出来たの?出来ちゃったの僕?
急いで鏡の前に移動して自分の姿を確認した。
鏡には真っ黒の猫が映ってた。
やったぁ、猫になれた。
これから人間に戻ることが出来たら完璧だっ。
人間に戻るぞっ。
んっんーんんっ。
ぽん
…出来たっ。
やったぁあ…ふひゃっひゃっ……。
鏡の前で裸で、はしゃいでる自分に冷静になり目を逸らした…。
服を着る前にもう一度試しに猫になってみた。
ぽん
出来た。
完全に猫化マスターしたのでは?
ならもう大丈夫だっ。
んん?
こう見ると猫の僕結構可愛いのでは?
艶やかな毛並みにクリックリの瞳。
フッサフサの長い尻尾じゃないのは残念だけど、結構気に入ってる。
これなら明日から行っても良いはずっ……今から…行っちゃおうかな?
猫なら獣人て思われないだろうし…。
ふふん。
猫の姿で大冒険だっ。
ドアノブにジャンプして体を揺らして扉を開けた。
シュタッと格好良く着地を決め、気分はスパイだ。
猫の姿も違和感なくそれどころか楽しいくらい走れるし、ジャンプが面白い。
高いところから降りるのも一メートル以上ある場所を飛び移るのもお手のもの。
猫って楽しいぃ。
高い木に登るのも爪が良い役割をして簡単に登れてしまった。
眺めが良くて風も気持ちいい。
学園は木々に囲まれ周囲を見渡す事が出来なかったが木に登ったことで遠くまで眺めることが出来た。
見た方角は、街とは違い山や湖の大自然が広がっていた。
湖がキラキラして綺麗であり泳ぎたくなる。
夏になったら皆で泳ぎに行きたいな。
この世界は皆で泳ぐって事しないみたいなんだよね。
僕、こう見えて泳ぐの得意なんだよなぁ。
遠くから剣を振るう声が聞こえさらに高く登ると、皆が鍛練場にいた。
そうだ僕は学園に行こうとしてたんだ。
つい猫が楽しくて忘れてた。
今が授業中なら先生の個別室やライアン様の教室に潜り込みやすいかもっ。
早く行って驚かせたいなぁ。
木から大ジャンプを決めて、誰も見ていないのにポーズを決めて観客にアピールした。
ノリノリな気分で学園に向かう。
授業中の廊下はとても静かで、僕の知らない学園を堪能しながら廊下を堂々と真ん中を歩いた。
ライアン様達の教室は当然授業中で潜り込むなんて出来ず、教室後方の扉は上部がガラスで中を覗くことが出来る。
数十分前から得意となったジャンプで窓枠を華麗に掴んだ。
後ろからはあまり見られたくないような姿でライアン様を探した。
Aクラスはライアン様やエドバルド様フレデリック様がいて、後ろ姿だけでも三人を見つけることが出来た。
ライアン様とフレデリック様は真面目に見えるのに、エドバルド様はなんだか不真面目と言うか眠そうな感じ。
もしかしたら寝てるのかも。
無防備なうなじをカプッと噛んでやりたい。
あまりに三人に夢中になっているとコツンとガラスに頭をぶつけてしまい…
「にゃん」
つい鳴き声もあげてしまった。
三人ばかり見ていたら扉近くの生徒と目があってしまった。
「にゃ゛あ゛」
驚きのあまり窓枠をつかんでいた手を開き廊下に落ちる瞬間には体勢を変え着地した。
その後僕は気が付いたら廊下を全速力で走りだしていた。
廊下を走っちゃいけませんよっと小学校の先生の言葉が甦ったが、手足を止めることは出来なかった。
アレックスの部屋まで猫まっしぐらだった。
慌てているからかドアノブを上手く掴めず扉の前で何度もジャンプを繰り返し漸く掴むも中々空いてくれない。
焦れば焦る程ドアノブにぶら下がることしか出来なかった。
「ふにゃっふにゃっ」
身体を揺らしドアノブに必死にしがみついた。
かちゃっ
漸く開き身体を捩じ込ませた。
アレックスの部屋につきアレックスの香りを感じ安心したのか、眠くなってしまった。
アレックスの椅子に乗り丸くなっていると、ついつい眠ってしまい僕の大冒険は幕を閉じた…。
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