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二章 ハーレムルート

僕達は弱かった

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僕は新たな気持ちでギノフォード先生を受け入れた。
先生が「私を利用しなさい」というのは僕の為にでなく、ライアン様の為だったのかもしれない。
僕がライアン様を殺さないために…。

僕の好きは…人を殺す…。

静かに真実を受け入れた。
ライアン様に「どうして反対してくれないの?」と言葉で訴えてはいないが全身でライアン様を責めた。

なにも知らずに…。

もし知らずにライアン様だけを愛していたら僕がライアン様を殺して、きっと僕も百年前の獣人と同じようにすると思う。
ライアン様がいなくなったらなんて考えたくない。
それが自分の所為だったら尚更、僕はライアン様の後を追う…。

だけど…ワガママが許されるなら僕は生きてライアン様と一緒にいたい。
ライアン様の腕に包まれて、胸の鼓動を感じ、唇に振れてほしい…沢山僕の身体に振れて僕もライアン様を感じていたい…。

一日でも長く…。

僕が獣人になんてなっちゃったから…。

神様は僕をこの世界に来させてくれて、ライアン様に会わせてくれたけど…ちょっぴり意地悪だ。

「フィンコック、私から公爵家に婚約の打診をします。」

「…にゃい。」

…僕は先生を利用する…けど、先生はそれで良いのかな?

「…では、私は失礼しますね…フィンコックあまりサンチェスターを怒らせないように。」

怒らせる?怒らせるってにゃんだっけ…?

「…にゃっ」

そうだ僕は夜に先生のソファに行っちゃった事を…。

僕が何かしてライアン様を怒らせたのバレてる。
でも、そこにはギノフォード先生も関係しているんですよ…。

行かないで共犯者…一人に…しないで…。

やっぱり、僕はゾンビになりたい。
なりたいのに…僕はゾンビになることが出来ず、ゾンビハンターと二人きりにされてしまった。

…ギノフォード先生戻って来ないかな…。
僕は今すぐ先生を利用したい。

「シャァルゥ」

「にゃい……ふぅっ…ふぅっ…ふぅっ…」

ライアン様も先程とはうって変わって意地悪な笑みをしている。
苦悶の表情と天秤に掛けたら今の方がいいけど…怖くもある。

なんとなくだけど、今は現実から目を逸らしたくて僕達はエッチに逃げてる。
僕達は…弱かった…。


だけど、エッチに逃げてるはずなのに逃げた先でも僕は追い詰められています。

ライアン様に追い詰められて、呼吸がうまく出来ない…。
逃げてしまいたい。

「シャル、ベッドに。」

また、目隠しと手を縛られちゃったりするのかな…。
怖いけど、行かないと…。

カタカタと身体が震える。
寒さは感じてないけど、寒いのかな?

ライアン様は姿見をベッドが見えるように移動させた。
鏡の前にライアン様が座る。

…目隠しされるんだよね?なのに鏡?

「脱いで。」

やっぱり…前と一緒…なんだよね?
ライアン様の視線から逃げるように後ろ向きで服に手を掛けた。

「シャル、こっち。」

「ふぇ?」

振り向き、ライアン様が指している場所は鏡の前だった。
…そんな所で脱いだら、見えちゃう…。

「…ちょこ?」

「そっ、ここで。」

ライアン様の前でもあり、鏡の前でもある。
どっち向いても前も後ろも見えちゃう…。
この場合どっちがいいんだろう?
ライアン様を向いて脱ぐのか、背中を向けてなのか…。

背中のが…良いのかな?

僕は決心して、背中を向けて服を抜いでいく。
焦らしている訳ではないが、一枚一枚ゆっくりと。
上を脱ぎ終わり、ズボンに手を掛けると鏡のライアン様と目が合ってしまい硬直した。

「どうした?まだ脱ぐもんあんだろ?」

「………んっ」

ライアン様は許してくれそうになかった。
ズボンを脱いでいる間、鏡越しのライアン様にじっと見られパンツも…脱いだ。
自分のモノを隠しながら、ライアン様に向き直った。

「シャル、ここに座って。」

ライアン様の足の間を指され、そこには僕一人座れる空間があった。
指示されるまま座り、後ろから優しく抱き締められた。
ライアン様の腕は逞しくて、暖かい。
首にライアン様の息が掛かって擽ったい。
振り向いたら、近くに僕のライアン様の唇があり、視線が唇に釘付けとなり引き寄せられる。

「あっんにゃっぁんっんっふっんふぅんっにゃっぁんっ」

美味しいキスが続いた。
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