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二章 ハーレムルート
獣人は愛する人を…
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程なくして、ギノフォード先生がやってきた。
僕は大人しく先生の為に扉を開け、ライアン様も立ち上がって先生を…不機嫌な雰囲気で迎えていた。
この後の話し合い…怖いよぉ。
三人でソファに座り、黙り込んでしまった。
僕の目の前にはギノフォード先生が隣にはライアン様がいるのだが…誰とも目を合わすことが出来なかった。
こういう時って誰から話すの?
僕なのかな?
ふぅぇん、こういうの苦手だよ…。
それに隣のライアン様が…。
こんな事になるならズボンの話は後にすれば良かった…。
噛まれた首がズキズキ痛みだしてきたよぉ。
ゾンビになって、何もかも忘れてここから離れたい。
まさかゾンビになりたいなんて思う日がくるなんて思わなかったよ。
「なにか有りました?」
ギノフォード先生、そんなこと聞かないでっ。
「い゛い゛え」
ライアン様も怖いっ。
ふぅぇん、過去の自分にお説教だよっ。
「お二人がまだ納得していないのであれば、今日でなくても構いませんよ。焦らず決めてください。」
「いいえ、決まってます………シャル゛っ」
はひっ。
「にゃ゛っ…にゃぃ…ぎにょほーちょしぇんしぇいちょこんにゃくしましゅ。」
(にゃ゛っ…はい…ギノフォード先生と婚約します。)
「…それで…よろしいんですか?」
ギノフォード先生は僕と特にライアン様を向いていた。
「にゃい。」
「サンチェスターは良いんですか?」
「はい。」
「そんな不満を隠さず言われても…。」
「いえ、俺が今機嫌が悪いのは婚約の件ではありません。」
婚約の件ではないけど、先生は関わってます…。
ごめんなさい。
「そうなんですか。…では、私はフィンコック家に婚約の打診を行いますよ?本当によろしいんですか?」
「にゃっにゃい」
「はい」
…ん?
先生どうしたんだろ?
「サンチェスターは過去の獣人について話したんですか?」
「…いいえ。」
「にゃん?」
にゃんの事?
「フィンコックに伝えた方がいいです…サンチェスターが重婚を認めた訳を…。」
認めた訳?
「フィンコック良く聞いてください、サンチェスターはあなたと長くいるためにこの決断をしたんです。」
…ん?はい。
「獣人の性欲は人間の数倍…数十倍と言われています。」
「にゃん」
にゃんだか恥ずかしい…僕がエッチになっちゃったって事だよね?
「百年前の獣人は…たった一人を愛し、相手も獣人だけを愛したんです…その結果、獣人の性欲により…廃人となり亡くなってしまったんです。」
にゃくなった…。
亡くなった…。
へっ?
それって…。
僕は…ライアン様を殺しちゃうの?
僕がエッチになっちゃったから…ライアン様を…。
そんなのやだっやだっやだっやだ。
「にゃぁにゃぁにゃ゛あ゛にゃ゛あ゛にゃ゛あ゛」
僕がライアン様を殺すかもしれないという現実を受け止めたくなくて僕は頭を振り続けた。
「落ち着いてください、フィンコックフィンコックっ。」
先生が僕を落ち着かせようとしてくれるけど、だめ…やだっ…だって僕はライアン様を殺しちゃうんでしょ?
「…大丈夫だ。シャルッ大丈夫だ。」
ライアン様に抱きしめられ…僕もライアン様に生きていてほしくて、離さないと強く抱きしめた。
ライアン様、ライアン様、ライアン様。
「そうならない為に…ギノフォード先生とも…俺は…ずっと一緒に居られるなら、シャルが何人と婚約しても構わない。」
そう伝えるライアン様の瞳は潤んで…。
ライアン様が苦しいのは僕の所為なんだよね…僕が獣人になんてなっちゃったから…。
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
僕はライアン様と二人で幸せになりたかった…けど、それは僕のワガママ…。
僕のワガママはライアン様を…殺してしまう。
ライアン様は僕とずっと居るために先生を受け入れた…。
僕も…ライアン様とずっと一緒にいたい。
僕はちゃんと先生を受け入れた。
「びょくは…ぎにゃほーちょしぇんしぇとこんにゃくしましゅ。」
僕は大人しく先生の為に扉を開け、ライアン様も立ち上がって先生を…不機嫌な雰囲気で迎えていた。
この後の話し合い…怖いよぉ。
三人でソファに座り、黙り込んでしまった。
僕の目の前にはギノフォード先生が隣にはライアン様がいるのだが…誰とも目を合わすことが出来なかった。
こういう時って誰から話すの?
僕なのかな?
ふぅぇん、こういうの苦手だよ…。
それに隣のライアン様が…。
こんな事になるならズボンの話は後にすれば良かった…。
噛まれた首がズキズキ痛みだしてきたよぉ。
ゾンビになって、何もかも忘れてここから離れたい。
まさかゾンビになりたいなんて思う日がくるなんて思わなかったよ。
「なにか有りました?」
ギノフォード先生、そんなこと聞かないでっ。
「い゛い゛え」
ライアン様も怖いっ。
ふぅぇん、過去の自分にお説教だよっ。
「お二人がまだ納得していないのであれば、今日でなくても構いませんよ。焦らず決めてください。」
「いいえ、決まってます………シャル゛っ」
はひっ。
「にゃ゛っ…にゃぃ…ぎにょほーちょしぇんしぇいちょこんにゃくしましゅ。」
(にゃ゛っ…はい…ギノフォード先生と婚約します。)
「…それで…よろしいんですか?」
ギノフォード先生は僕と特にライアン様を向いていた。
「にゃい。」
「サンチェスターは良いんですか?」
「はい。」
「そんな不満を隠さず言われても…。」
「いえ、俺が今機嫌が悪いのは婚約の件ではありません。」
婚約の件ではないけど、先生は関わってます…。
ごめんなさい。
「そうなんですか。…では、私はフィンコック家に婚約の打診を行いますよ?本当によろしいんですか?」
「にゃっにゃい」
「はい」
…ん?
先生どうしたんだろ?
「サンチェスターは過去の獣人について話したんですか?」
「…いいえ。」
「にゃん?」
にゃんの事?
「フィンコックに伝えた方がいいです…サンチェスターが重婚を認めた訳を…。」
認めた訳?
「フィンコック良く聞いてください、サンチェスターはあなたと長くいるためにこの決断をしたんです。」
…ん?はい。
「獣人の性欲は人間の数倍…数十倍と言われています。」
「にゃん」
にゃんだか恥ずかしい…僕がエッチになっちゃったって事だよね?
「百年前の獣人は…たった一人を愛し、相手も獣人だけを愛したんです…その結果、獣人の性欲により…廃人となり亡くなってしまったんです。」
にゃくなった…。
亡くなった…。
へっ?
それって…。
僕は…ライアン様を殺しちゃうの?
僕がエッチになっちゃったから…ライアン様を…。
そんなのやだっやだっやだっやだ。
「にゃぁにゃぁにゃ゛あ゛にゃ゛あ゛にゃ゛あ゛」
僕がライアン様を殺すかもしれないという現実を受け止めたくなくて僕は頭を振り続けた。
「落ち着いてください、フィンコックフィンコックっ。」
先生が僕を落ち着かせようとしてくれるけど、だめ…やだっ…だって僕はライアン様を殺しちゃうんでしょ?
「…大丈夫だ。シャルッ大丈夫だ。」
ライアン様に抱きしめられ…僕もライアン様に生きていてほしくて、離さないと強く抱きしめた。
ライアン様、ライアン様、ライアン様。
「そうならない為に…ギノフォード先生とも…俺は…ずっと一緒に居られるなら、シャルが何人と婚約しても構わない。」
そう伝えるライアン様の瞳は潤んで…。
ライアン様が苦しいのは僕の所為なんだよね…僕が獣人になんてなっちゃったから…。
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
僕はライアン様と二人で幸せになりたかった…けど、それは僕のワガママ…。
僕のワガママはライアン様を…殺してしまう。
ライアン様は僕とずっと居るために先生を受け入れた…。
僕も…ライアン様とずっと一緒にいたい。
僕はちゃんと先生を受け入れた。
「びょくは…ぎにゃほーちょしぇんしぇとこんにゃくしましゅ。」
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