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一章 純愛…ルート
試験直後
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「よく、頑張りましたね。」
見上げればギノフォード先生がいた。
すぐにでも起き上がらないと失礼に当たるのに、身体が言うことを聞いてくれなかった。
真剣に立ち上がろうとしているのに、ふざけていると思われてしまうくらい身体がおかしかった。
早く起きないとと焦れば焦るほどジタバタするだけだった。
「無理しなくて大丈夫です。」
ギノフォード先生が屈み僕を抱えてくれた。
「ぁっぁっぁっ」
「大人しくしなさい。」
「ぁっでも…。」
「起き上がれないのに部屋に戻れるんですか?」
「………。」
「今まで一番太いので楽していたのに、今回はどうして最難度のを選んだんです?」
「………」
あぁ、シャルマン楽してたんだ…しかも先生にバレてるって…。
「魔法の精度が上がれば魔力が上がる、そうなると婚約に影響すると言っていたでしょ?」
そんなこと言ってたんだ…。
だけど、僕としては魔法がある国なら魔法を沢山使いたい。
もっともっと魔力をあげたい。
「…先生?」
「なんです?」
「魔法を頑張ったら、もっと魔力増えますか?」
「…魔力量を増やしたいんですか?」
「はぃ、魔法をもっと勉強したいんです…。」
「…本気…ですか?」
「…やっぱり、魔力の少ない人間がやっても…ムダ…ですかねっあはは。」
日本人の癖かな。
笑って誤魔化すのって。
「そんなことはありません。」
ギノフォード先生が真剣な顔で語調を強めた。
「フィンコックは魔法に興味があったんですか?」
「はぃ、だけど…僕には魔力が少ししか…。」
「………私と訓練してみますか?」
「いいんですかっ?」
嬉しい、先生から直接教えて貰えるなんて僕も凄い魔法使いになれるかも知れないよね?
それは言い過ぎか、それでも一つでも多く知りたいな。
「真面目にやるのであれば。」
「やります。」
やります、真剣にやります。
今までのシャルマンのイメージがあると思いますが、信じてください。
「そうですかぁ…フィンコックは魔法が好きですか?」
真剣な顔でギノフォード先生を見れば、初めて見る優しい笑顔だった。
「はいっ好きです。センセっ、よろしくお願いしまうっぁ…。」
噛んじゃった。
「フフ、はい。」
バレてる。
ギノフォード先生も細身だと思ってたけど僕の事軽々持ち上げてる。
大人の男の人って感じで素敵だなぁ。
この世界の人は大きいからシャルマンもこれから大きくなるかな?
まだ十六歳だし、可能性はあるよね。
楽しみっ。
ギノフォード先生っていい香りだなぁ。
「何か匂いますか?」
「へぇ?」
「先程から嗅いでるでしょ?」
「あっちっちがっ違います…その…。」
「ん?言ってください?」
「その…いい匂いだなぁって…。」
匂いなんて言って変な子と思われたかも。
大抵、匂い好きイコール変態だよね?
「そうですか…フィンコックもいい香りですね、香水ですか?」
これって大人な対応だよね。
「いえっ僕のは普通の石鹸です。」
「…石鹸、ですか?」
先生みたいに魔力のある人がお風呂なんて入らないから知らないか。
「はい。」
「お風呂に入るんですか?」
「?はぃ」
「洗浄魔法使えないんですか?」
「………。」
確かに使ったこと無いかも…。
いつもライアン様にしてもらってた。
「分かりました、基本魔法から訓練しましょう。」
洗浄魔法使えないからお風呂に入ってるって思われちゃった。
違うのっ。
訂正しないと。
「あ、あの違うんです…お風呂が好きなんです。」
「おふろがすき?」
理解できませんって顔で言われた。
ちょっと悲しい。
「はい。」
以前ライアン様にも驚かれた事を思い出した。
貴族がお風呂好きってそんなにおかしな事なのかな?
「フィンコックは意外性がありますね。」
「意外性?」
「上部だけでは分かりませんね。」
シャルマンの見た目はとっても綺麗だから、匂い好きはかなりの意外性だよねぇ。
「部屋に着きましたね、解除してください。」
「はいっ」
ギノフォード先生は当然のようにベッドまで僕を運んでくれた。
試験会場で倒れてしまったので、洗浄魔法も掛けてくれ更に靴と制服のジャケットを脱がしてくれた。
自分で出来ますと言いたかったのに、身体はまだ力が入らなかった。
「ギノフォード先生ありがとうございます。」
「はい、ゆっくり休むんですよ。」
「はい。」
先生は部屋を出ていき、見送ってすぐ睡魔に襲われ眠ってしまった。
よく先生を見送ることが出来たなって思うくらい僕の身体は疲れていた。
見上げればギノフォード先生がいた。
すぐにでも起き上がらないと失礼に当たるのに、身体が言うことを聞いてくれなかった。
真剣に立ち上がろうとしているのに、ふざけていると思われてしまうくらい身体がおかしかった。
早く起きないとと焦れば焦るほどジタバタするだけだった。
「無理しなくて大丈夫です。」
ギノフォード先生が屈み僕を抱えてくれた。
「ぁっぁっぁっ」
「大人しくしなさい。」
「ぁっでも…。」
「起き上がれないのに部屋に戻れるんですか?」
「………。」
「今まで一番太いので楽していたのに、今回はどうして最難度のを選んだんです?」
「………」
あぁ、シャルマン楽してたんだ…しかも先生にバレてるって…。
「魔法の精度が上がれば魔力が上がる、そうなると婚約に影響すると言っていたでしょ?」
そんなこと言ってたんだ…。
だけど、僕としては魔法がある国なら魔法を沢山使いたい。
もっともっと魔力をあげたい。
「…先生?」
「なんです?」
「魔法を頑張ったら、もっと魔力増えますか?」
「…魔力量を増やしたいんですか?」
「はぃ、魔法をもっと勉強したいんです…。」
「…本気…ですか?」
「…やっぱり、魔力の少ない人間がやっても…ムダ…ですかねっあはは。」
日本人の癖かな。
笑って誤魔化すのって。
「そんなことはありません。」
ギノフォード先生が真剣な顔で語調を強めた。
「フィンコックは魔法に興味があったんですか?」
「はぃ、だけど…僕には魔力が少ししか…。」
「………私と訓練してみますか?」
「いいんですかっ?」
嬉しい、先生から直接教えて貰えるなんて僕も凄い魔法使いになれるかも知れないよね?
それは言い過ぎか、それでも一つでも多く知りたいな。
「真面目にやるのであれば。」
「やります。」
やります、真剣にやります。
今までのシャルマンのイメージがあると思いますが、信じてください。
「そうですかぁ…フィンコックは魔法が好きですか?」
真剣な顔でギノフォード先生を見れば、初めて見る優しい笑顔だった。
「はいっ好きです。センセっ、よろしくお願いしまうっぁ…。」
噛んじゃった。
「フフ、はい。」
バレてる。
ギノフォード先生も細身だと思ってたけど僕の事軽々持ち上げてる。
大人の男の人って感じで素敵だなぁ。
この世界の人は大きいからシャルマンもこれから大きくなるかな?
まだ十六歳だし、可能性はあるよね。
楽しみっ。
ギノフォード先生っていい香りだなぁ。
「何か匂いますか?」
「へぇ?」
「先程から嗅いでるでしょ?」
「あっちっちがっ違います…その…。」
「ん?言ってください?」
「その…いい匂いだなぁって…。」
匂いなんて言って変な子と思われたかも。
大抵、匂い好きイコール変態だよね?
「そうですか…フィンコックもいい香りですね、香水ですか?」
これって大人な対応だよね。
「いえっ僕のは普通の石鹸です。」
「…石鹸、ですか?」
先生みたいに魔力のある人がお風呂なんて入らないから知らないか。
「はい。」
「お風呂に入るんですか?」
「?はぃ」
「洗浄魔法使えないんですか?」
「………。」
確かに使ったこと無いかも…。
いつもライアン様にしてもらってた。
「分かりました、基本魔法から訓練しましょう。」
洗浄魔法使えないからお風呂に入ってるって思われちゃった。
違うのっ。
訂正しないと。
「あ、あの違うんです…お風呂が好きなんです。」
「おふろがすき?」
理解できませんって顔で言われた。
ちょっと悲しい。
「はい。」
以前ライアン様にも驚かれた事を思い出した。
貴族がお風呂好きってそんなにおかしな事なのかな?
「フィンコックは意外性がありますね。」
「意外性?」
「上部だけでは分かりませんね。」
シャルマンの見た目はとっても綺麗だから、匂い好きはかなりの意外性だよねぇ。
「部屋に着きましたね、解除してください。」
「はいっ」
ギノフォード先生は当然のようにベッドまで僕を運んでくれた。
試験会場で倒れてしまったので、洗浄魔法も掛けてくれ更に靴と制服のジャケットを脱がしてくれた。
自分で出来ますと言いたかったのに、身体はまだ力が入らなかった。
「ギノフォード先生ありがとうございます。」
「はい、ゆっくり休むんですよ。」
「はい。」
先生は部屋を出ていき、見送ってすぐ睡魔に襲われ眠ってしまった。
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