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一章 純愛…ルート

異世界にもありますよね

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お尻を洗われてるのに「僕達の関係って?」なんて聞けず、顔を見られたくなくて、更にライアン様に近づき厚い胸板に顔を埋めた。
「これは、お尻を掻き回され洗われているだけ、エッチじゃない」とエッチな気分にならないよう自分に言い聞かせていた。

「気持ちいいか?」

ドキッとした。
何で分かっちゃったの?

「俺の指、すげぇ食ってる。欲しい欲しいって。」

バカっ僕の身体っ、なんてエッチなんだ。

「あぁん」

これ知ってる、洗浄魔法掛けただけ。
なのに感じちゃって、その声はお風呂場に響いた。

「そんなに気持ちいいか?洗浄魔法…クックッ」

もういやっ。
抱きしめているライアン様から離れたいけど、まだ足腰が不安だった。

「ふんっ」

勢い良く顔を背け、怒っている事を分かりやすく表現した。

「ふふっ…あんま怒んなって。」

頬にキスをされ唇を奪われた。
怒っていたのに、キス受け入れちゃう。
ライアン様はズルい。
きっと僕がキスに弱いことを知って誤魔化したんだ。
…キスで…誤魔化されたりしないんだから…。

キスで誤魔化されたりは…。

誤魔化されてない。
今はキスを優先しているだけ。
唇が離れたらまた怒るの再開するよ、ちゃんと怒るんだから…。

「…ダメぇ…もっとぉ…。」

唇が離れるとキスの続きを強請った。
…僕は何で怒っていたんだっけ?
う~ん、だけど沢山キスしたいから良いよね?

お風呂場には僕の好きな石鹸とシャンプーとコンディショナーが置いてある。
彼氏の家に私物を置くことがこんなに嬉しいなんて知らなかった。
浴槽に湯が溜まりきる前にシャンプーも入れて泡風呂にしちゃう、バシャバシャと泡を立てるが決して遊んでる訳じゃないからね。

二人で入って柑橘の泡の香りに包まれた。

癒されるぅ。

足を伸ばしているライアン様の膝の上に座りながら、背中でライアン様の心臓の音が心地良い。
泡で見えないライアン様の片足を両足のふくらはぎで挟んでみたり指先でチョンチョンとつついてみたりしていた。
エッチな雰囲気というよりは、じゃれあいの方のスキンシップに近い。
その間、泡で遊びながらライアン様と会話していた。
ライアン様も僕の腰に腕を回しながら寛ぎ、今回は逆上せる前にお風呂を出た。

制服に着替え鏡を見て身嗜みを確認しようとすれば、ライアン様が乱れを直してくれた。
お互いに直し、部屋を出る前に軽いキスをして。
歩くのにまだ多少の違和感があったが、ライアン様が腰を支えて歩いてくれた。
ライアン様は優しくて僕の事にすぐ気付いてくれる。
向かう途中まばらとは言え、すれ違う人に見られたけどライアン様が一緒だと気にならなくて朝食も一緒に取り、二人で教室に向かった。
ライアン様の部屋に泊まって一緒に朝食をとり一緒に学園に向かう、僕にこんな日が来るなんて信じられない。

最近の僕の変わりようで半信半疑だった人も昨日のペアの授業で、僕が王子ではなくライアン様を選び、更に授業でライアン様との関係を目の当たりにした生徒達の噂で僕の気持ちは皆にバレているようだった。
今日も凄い視線を感じる。
誰か僕に話しかけてくれたら良いのに、皆遠巻きで僕を観察していた。
仕方ないけど残念だ。
自分から話しかければ良いのかもしれないけど…それは僕にはハードルが高過ぎる。
皆に意識されながら一人で過ごすのも悲しいことに慣れた。
日本にいる頃からずっと一人だから変わらないんだけど、注目され視線に慣れるまでは大変だった。
最近静かに生活していたから、視線を浴びることはなかったけど今日は久し振りに痛いほどの視線を感じている。

昨日ペアの授業とはいえあんな行為をしてしまったんだ、噂されるのは仕方がない。
今日の僕は真面目に授業を受けた。
先生も何だか優しい?疑い?の目を感じた。
あの先生にもペアで迷惑掛けたんだよね…。
まだ、僕の事疑ってるのかな?
そんな簡単に人の印象なんて変わらないよね…。
今の僕が出来ることは、真面目に授業を受ける事だけ。
異世界の授業って楽しいっ。

「来週から試験が始まる今日から放課後は職員室入室禁止だ。」

先生は去り際に恐ろしいことばを…。

…試験…有るよね…そういうの。
すっかり…忘れて…ないよ。
ちゃんと勉強してるもん。
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