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二章 ハーレムルート
麻薬のような愛情
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「そうでした、今日はお客様が来ますよ。」
「にゃにゃにゃにゃにゃ?」
「もう、来ているでしょうから待っていてください。」
先生は出ていってしまった。
お客様ってライアン様かな?
ワクワクする。
がちゃ
ギノフォード先生が現れ、続いて見知った三人が入ってきた。
「「「シャルッ」」」
お父様とお母様、お兄様だった。
駆け寄れば皆が抱きしめてくれた。
「にゃーん、にゃーん」
嬉しくて言葉ではなく猫の様に鳴いていた。
「シャルッ…」
「なんて可愛い鳴き声。可愛いシャルがもっと可愛くなったね。」
「………」
ドミニクお兄様はお母様の言葉に頷いた。
「にゃーん」
お母様に抱きしめられ、ドミニクお兄様に頭を撫でられ、お父様は僕の背中を撫でてくれた。
中身も姿も変わっても僕を家族として受け入れようとしてくれる…。
「ふっふぅぇえ…ふぅえっ」
みんなの優しさが嬉しくて涙が溢れる。
こんな姿になっても受け入れてくれる優しい家族。
「あぁあ、大丈夫、大丈夫。」
お母様が強く抱きしめてくれる。
「私は席を外します。」
ギノフォード先生は気を遣って部屋を後にした。
家族だけの空間にしてくれたみたいだけど…。
僕は何処かで三人のことを家族と思って良いのか不安な気持ちがあった。
それなのに、皆は本当に僕を心配してくれている…。
わざわざ朝早く来てくれて…公爵って立場は忙しいはずなのに…。
僕は…僕は…。
「ふっふにゃーん、ふにゃーん」
先程よりも大きな声で泣いてしまった。
心が解放されたのかも。
僕が落ち着く頃には皆は冷静で、寧ろ僕が一番取り乱してしまっていた。
ソファに座り、皆を確認するのが恥ずかしかった。
「身体の方は平気?」
向かいに座るお父様は心配な表情で僕を窺う。
おっきくて、一見強面なのに凄く優しい。
「にゃん」
「食欲は?ちゃんと食べてるのか」
お兄様はお父様そっくりでなんだか和んでしまう。
「にゃん」
「なにか欲しいものはある?」
お母様は前回の時から僕を甘やかしてくれる。
この優しさに甘えたらダメダメ人間になっちゃいそう。
「んーにゃにゃ…にゃにゃ?」
「欲しいものがあれば、手紙を頂戴。すぐに用意するから」
「にゃん」
「あぁ、なんて可愛いんだ」
「本当に可愛い」
「かわいい」
三人とも僕を溺愛してくれる。
獣人になる前から愛されているとは思ったが、今日は以前と比べ物にならないくらい甘やかされてる気がする。
どの世界でも獣耳は人気なのかな?
「ふにゃぁん」
「す、すまん…大丈夫か?」
耳を触られた瞬間、身体から力が抜け変な鳴き声を上げてしまった。
耳を触っていたお兄様も僕の鳴き声に驚いていた。
「ふにゃっにゃにゃにゃにゃん」
首を振った。
「耳は敏感なんじゃないか?」
「そうかもしれないね。」
「…気を付ける。」
僕が変な声出しちゃったのに…。
お兄様が悪いことになっちゃった。
「うちの子は可愛いと思っていたが、「特別」に可愛かったんだな。」
「そうだね、可愛いのは知ってたけど「特別」だったなんてね。」
「うんうん。」
僕が獣人でも良いってことかな?
「うちの子は究極に可愛いから、これから沢山愛人立候補が出るかもしれんな。」
「そうだね、婚約者がいてもこんな可愛いシャルなら愛人にしてくれって人間が沢山現れそう。」
「そんな奴ら、俺が叩き潰す。」
皆、親バカ?兄バカ?過ぎませんか?
お兄様はなんだか物騒な発言になってます。
だけど…皆の愛に幸せを感じる。
「安心しなさい、変な輩は私が払い除ける。」
「王族であってもね。」
お父様もお母様も笑顔が少し怖いように感じた…特にお母様が。
「シャル、お前はなにも心配するな。」
「…にゃん」
お兄様に抱きつくと安心できた。
胸の鼓動が気持ちいい。
「んっ擽ったいな。」
「ふにゃにゃぁ?」
抱き付いてお兄様の胸に僕の匂いを着けたいって本能から命令され、頭を擦り付けていたので擽ったかったみたい。
お兄様を困らせていたと知り離れようとしたが、逆に強く抱きしめられた。
「弟のお前は俺が守る」
「ふにゃぁぁ」
嬉しくてお兄様の胸に収まった。
「シャル私のところにも来なさい。」
「いやっ僕の所だ。さぁ、お母様の所に。」
「…っふふ」
獣人になっても変わらない皆が嬉しくて、僕の方が獣人になって変わってしまった。
人肌が恋しいのか、スキンシップ多めで甘えてしまう。
それを許してくれる人達に囲まれて、どんどんダメダメになってしまう。
本物のシャルマンがワガママになってしまうのも分かる。
この家族は麻薬のように僕をダメにしていく。
彼らの愛に溺れたい。
「にゃにゃにゃにゃにゃ?」
「もう、来ているでしょうから待っていてください。」
先生は出ていってしまった。
お客様ってライアン様かな?
ワクワクする。
がちゃ
ギノフォード先生が現れ、続いて見知った三人が入ってきた。
「「「シャルッ」」」
お父様とお母様、お兄様だった。
駆け寄れば皆が抱きしめてくれた。
「にゃーん、にゃーん」
嬉しくて言葉ではなく猫の様に鳴いていた。
「シャルッ…」
「なんて可愛い鳴き声。可愛いシャルがもっと可愛くなったね。」
「………」
ドミニクお兄様はお母様の言葉に頷いた。
「にゃーん」
お母様に抱きしめられ、ドミニクお兄様に頭を撫でられ、お父様は僕の背中を撫でてくれた。
中身も姿も変わっても僕を家族として受け入れようとしてくれる…。
「ふっふぅぇえ…ふぅえっ」
みんなの優しさが嬉しくて涙が溢れる。
こんな姿になっても受け入れてくれる優しい家族。
「あぁあ、大丈夫、大丈夫。」
お母様が強く抱きしめてくれる。
「私は席を外します。」
ギノフォード先生は気を遣って部屋を後にした。
家族だけの空間にしてくれたみたいだけど…。
僕は何処かで三人のことを家族と思って良いのか不安な気持ちがあった。
それなのに、皆は本当に僕を心配してくれている…。
わざわざ朝早く来てくれて…公爵って立場は忙しいはずなのに…。
僕は…僕は…。
「ふっふにゃーん、ふにゃーん」
先程よりも大きな声で泣いてしまった。
心が解放されたのかも。
僕が落ち着く頃には皆は冷静で、寧ろ僕が一番取り乱してしまっていた。
ソファに座り、皆を確認するのが恥ずかしかった。
「身体の方は平気?」
向かいに座るお父様は心配な表情で僕を窺う。
おっきくて、一見強面なのに凄く優しい。
「にゃん」
「食欲は?ちゃんと食べてるのか」
お兄様はお父様そっくりでなんだか和んでしまう。
「にゃん」
「なにか欲しいものはある?」
お母様は前回の時から僕を甘やかしてくれる。
この優しさに甘えたらダメダメ人間になっちゃいそう。
「んーにゃにゃ…にゃにゃ?」
「欲しいものがあれば、手紙を頂戴。すぐに用意するから」
「にゃん」
「あぁ、なんて可愛いんだ」
「本当に可愛い」
「かわいい」
三人とも僕を溺愛してくれる。
獣人になる前から愛されているとは思ったが、今日は以前と比べ物にならないくらい甘やかされてる気がする。
どの世界でも獣耳は人気なのかな?
「ふにゃぁん」
「す、すまん…大丈夫か?」
耳を触られた瞬間、身体から力が抜け変な鳴き声を上げてしまった。
耳を触っていたお兄様も僕の鳴き声に驚いていた。
「ふにゃっにゃにゃにゃにゃん」
首を振った。
「耳は敏感なんじゃないか?」
「そうかもしれないね。」
「…気を付ける。」
僕が変な声出しちゃったのに…。
お兄様が悪いことになっちゃった。
「うちの子は可愛いと思っていたが、「特別」に可愛かったんだな。」
「そうだね、可愛いのは知ってたけど「特別」だったなんてね。」
「うんうん。」
僕が獣人でも良いってことかな?
「うちの子は究極に可愛いから、これから沢山愛人立候補が出るかもしれんな。」
「そうだね、婚約者がいてもこんな可愛いシャルなら愛人にしてくれって人間が沢山現れそう。」
「そんな奴ら、俺が叩き潰す。」
皆、親バカ?兄バカ?過ぎませんか?
お兄様はなんだか物騒な発言になってます。
だけど…皆の愛に幸せを感じる。
「安心しなさい、変な輩は私が払い除ける。」
「王族であってもね。」
お父様もお母様も笑顔が少し怖いように感じた…特にお母様が。
「シャル、お前はなにも心配するな。」
「…にゃん」
お兄様に抱きつくと安心できた。
胸の鼓動が気持ちいい。
「んっ擽ったいな。」
「ふにゃにゃぁ?」
抱き付いてお兄様の胸に僕の匂いを着けたいって本能から命令され、頭を擦り付けていたので擽ったかったみたい。
お兄様を困らせていたと知り離れようとしたが、逆に強く抱きしめられた。
「弟のお前は俺が守る」
「ふにゃぁぁ」
嬉しくてお兄様の胸に収まった。
「シャル私のところにも来なさい。」
「いやっ僕の所だ。さぁ、お母様の所に。」
「…っふふ」
獣人になっても変わらない皆が嬉しくて、僕の方が獣人になって変わってしまった。
人肌が恋しいのか、スキンシップ多めで甘えてしまう。
それを許してくれる人達に囲まれて、どんどんダメダメになってしまう。
本物のシャルマンがワガママになってしまうのも分かる。
この家族は麻薬のように僕をダメにしていく。
彼らの愛に溺れたい。
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