【完結】ハーレムルートには重要な手掛かりが隠されています

一章 純愛…ルート

試験

無理があるが、今日から噛み痕が酷い方に首を傾け自力で隠すことにした。

試験は全教科と魔法の実技がある。
筆記の方はなんとかなっても、実技。
魔法の実技は何をするの？
ライアン様にも魔法の練習は見てもらわなかった。
ＡクラスとＦクラスの人間では魔力量に差がありすぎるぎるため、試験内容は全く違うらしい。
なので、Ｆクラスの試験内容はライアン様も知らないみたい。

試験は緊張する、早く終わってほしい。

試験が終われば、ライアン様と…。
ご褒美は何をしてもらおうかな？んふふ。
沢山キスして、ライアン様の細くて長い指でいっぱい触ってもらって…。
それで、ライアン様ので沢山…気持ちよくしてもらう。
小説とかで良くある「後ろからされる」ってのも経験したい。
あと、立ったままとか。
怖いけど目隠しってのも…やっぱり僕って変態だ。
エッチな妄想が止まらない。
って、またエッチな事考えちゃってる。
どうして僕はこうなんだろう。
真面目になりたいのに。
試験が終わるまでは禁欲なのに。
禁欲生活が妄想を掻き立ててくる。
夢でもライアン様と…。
試験が終わるまでこれが続くのかな。

不安と欲求不満の中、試験が始まった。
僕は皆より劣っているから分かる問題は落とすわけにはいかない。
落ち着いて丁寧に文章を読み解いた。
時間内に最後の問題まで辿り着き、全てとは言わないが八割は解けたと思う。
正解かどうかは分からないけど回答用紙もほぼ埋めた。

…そういえば聞いてなかったけど、赤点みたいなものってあるのかな？

補習とか…。
それはヤダな。
ライアン様との時間が減っちゃう。
折角のご褒美の時間が…。

次の魔法の実技で全ての試験が終了となる。
試験会場に行けば多くの先生が待ち構えていて、圧倒された。
魔力の少ないＦクラスは、試験前に魔力量の検査が行われてから試験に望む。
Ｆクラスの人間の魔力は、体調にもよってかなり左右され昨日出来た事が今日出来ないことは良くある。
自身の魔力をどれだけ理解し使いこなせるかを見極めるのがＦクラスの試験となる。
なので試験は威力や技術ではなく、精度を求められる。
適合属性をどこまで繊細に尚且つ持続出来るのかを試験するのがＦクラスだ。
自身の魔力量を計算し試験時間いっぱい魔力を継続しなければならないので、神経を使う試験だ。
毎年途中で倒れてしまう者が数名いる為に、自身の魔力量を事前に把握しておくことも重要となる。

今回は魔力を糸の太さまで細く継続する事を目指すのだが、試験時間と自身の魔力コントロールを考え、太さは三段階から選ぶことが出来る。
そして途中棄権したものは、減点となる。
僕は全てが未知だったので一番細いものを選んだ。
誰も止めることはなかったが、周囲の注目を浴び更にギノフォード先生にも二度程確認されてしまった。
皆からの反応をみるとシャルマンには難しかったのかもしれない。

間違っちゃったかな…。

だけど引き返せない、やるっきゃない。
試験開始十秒前から魔力を練り、開始と同時に糸の細さの水を作る。

エッチな事は忘れ、試験に集中し魔力を作り出す。
十分、二十分と過ぎていくと次第に魔力が乱れ始める。
三十分を過ぎると周囲がざわつき出す。
倒れた人が現れ先生達が介抱に走っているんだと思う。
そちらに気が向いてしまうと魔力が乱れるので、僕は自分が作り出す水のみを見続けた。
魔力のあるＡクラスより魔力の乏しいＦクラスのが気絶する者が多発する、その為に普段の授業より多くの先生が待機していたことを知る。
残り十分になると汗が吹き出てきて五分前には呼吸も乱れ、残り一分というところで身体が震えだした。

「ふぅふぅふぅふぅふぅ」

もうダメかも…。

「終了。」

意識が遠退きそうになった時、終了の合図が聞こえた。
なんとか最後まで魔力を持続することが出来た。
やり遂げた事と魔力を使いきった事で膝から崩れ落ちた。

「ぁっ」

立ち上がろうにも足に力が入らず、さらに地面が迫ってきた。
多分倒れたんだと思う。