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一章 純愛…ルート

ペア

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翌朝、当然のようにライアン様が隣にいた。
僕がライアン様の部屋に泊まったのだから当たり前か。
浮かれているのか早く起きすぎてしまった。
二度寝も勿体ないと感じてしまう程ライアン様の寝顔を見続けた。
長い睫に色っぽい唇。
キスしたい…けど、起こしたらいけない。
眠っているのに見続けたら不快だよね?
いくら意識がなくてもゆっくり眠れないかも…。
起こさないよう気を付けながらライアン様の肩におでこをつけた。
少しでも触れあっていたくて。

「んん゛ん」

ライアン様が寝返りを打って、僕を抱きしめた。
無意識に抱きしめられるなんて嬉しくて少しでも近くにと僕からも側に寄った。

「へっ?」

見上げるとライアン様と目があった。

ライアン様は…起きていたの?

僕の行動をずっと見られていたのかも…恥ずかしい。

「なぁ風呂、入るか?」

「ぇっはい。」

嬉しいっ、ライアン様と一緒に朝風呂だっ。
だけどどうしてだろう?
ライアン様はお風呂あまり好きなようには…好きになったのかな?
…もしかして、僕が昨日洗浄魔法使わないでって言ったからかな?

僕のワガママの所為かも…。

ベッドから起き上がれば裸の自分に驚き、身体を隠すために布団を引っ張るもライアン様も裸だった。
目のやり場に困るし、お風呂場までどうしよう…。
裸で移動なんて…恥ずかしすぎる。

「風呂行かねぇのかよ?」

「いっ行きますっ、さ、先に行ってて。」

「………シャルマン」

ライアン様に呼ばれればキスが待っていた。
朝のおはようのキスにしては濃厚なものをされ、いつの間にか布団を掴んでいた手はライアン様に向かっていた。
まるで恋人みたいだ。

「んん゛ぁあっ」

身体を覆っていた布団をライアン様に奪われてしまい、そのまま抱き上げられた。
二人とも裸でお姫様だっこの状態でお風呂場に向かった。
恥ずかしかったけど、ライアン様からキスされると他の事なんてどうでも良くなった。

ライアン様って本当にすごい。

二人で身体を流し浴槽に浸かった。
泡風呂ではない風呂は身体を隠してくれなかった。
恥ずかしくて端っこに体育座りで身体を隠した。

「そんなに泡風呂したかったか?」

「へぇっ?」

「泡風呂したいって顔に書いてある。」

「えっ。」

僕そんな顔してたかな?
両手で顔を覆った。

「俺のとこにも置いとくか?風呂セット」

「い゛っ、い゛い゛の?」

「あぁ」

「フフフ」

彼の家に自分の私物を置くのがこんなにも嬉しいことなんて知らなかった。

「その代わり、風呂は一緒入ることになるけどな。」

腕を取られライアン様に向き合い、跨がる形で座らされた。

「ぁっだめっ」 

僕のモノを捕らえられ扱かれ始めた。
感じすぎておでこをライアン様の肩に乗せ、僕のを扱くライアン様の手に手を重ね耐えた。
頬にライアンの唇が当たり頭を傾け確認すればライアン様の唇がすぐ近くにあった。
引き寄せられるようキスをすれば、呆気なくイッてしまった。
浴槽の縁に手をつき、お尻を付き出すような体勢になり後ろからライアン様のが当てられた。

「足、閉じて。」

ライアン様に従い足を閉じれば太ももの間にライアン様のが出し入れされた。
僕の中でしてくれたら良いのにと思うも、それでも感じてしまう。
パンパンとお風呂場中に僕達の音が反響する。
お尻がムズムスし始め僕のも反応してしまう。

…欲しいよぉ。

僕が願うもライアン様がイッてしまい、残念な気持ちでライアン様に振り返った。

「ん?欲しかったか?」

「………ぅん」

「今日も来るから。」

「…んっ」

「今日も来る」…って事は今はしないって事だよね?
不満に感じつつもキスで慰められた。
その後は二人でざっと流しお風呂場を出て、ライアン様の風魔法で一気に渇き制服を着た。

「ペアの件、教師に言いに行くか?」

「はいっ…今からでも間に合うかな?」

「間に合わせるしかないだろう?他の奴がペアで良いのかよ?」

「やだっ。」

「朝イチで報告に行くしかないな。」

「んっ」

ライアン様に抱きつけば抱きしめ返してくれた。

授業が始まる前にライアン様と二人で職員室に向かう途中、掲示板の前を通った。
既にペアが決定し発表されていた。

「あっ。」

「………。」 

僕のペアもライアン様のペアも僕たちの名前ではない人の名前が書いてあった。

「…ラ、ライアン様…どうしよう…。」

「…シャルマン、確認だが俺で良いんだよな?」

「はいっ、ライアン様しか嫌です。」

僕の気持ちを試されたような気がしたが、僕はライアン様しか知りたくない。

「俺達の事を話しに行こう。」

「ぅん。」

不安になる僕にライアン様は手を繋いでくれた。
職員室に入り、ペア担当のギノフォード先生は僕を見た瞬間何かを察知したようだった。
今までペア決定後にシャルマンは何度も先生に抗議しにいっていた。
言うなれば、ペア決定後の恒例行事みたいなもの。
先生にとっては避けたい行事だろう。

「ギノフォード先生。」

僕よりも先にライアン様が声をかけた。

「なんだい?」

ギノフォード先生は笑顔だけど、僕の事を一度確認するもその後は視界にいれないようにしているように感じた。

「ペアの件で来ました。」

「…ん?」

周囲の先生達の「やっぱりか」という空気が僕に刺さる。
僕は半歩ライアン様の後ろで震えてしまった。

「俺達をペアにしてください。」

「………ん?」

妙な空気が流れた。

「フィンコック、君は良いのかい?」

「はい、僕もライアン様と…ペアを続けたいです。」

「………ペアの相手は確認したかい?」

「…はぃ…ライアン様ではありませんでした。」

「………相手を誰が分かってる?」

「?…覚えて…ません。」

ライアン様もなんだか驚いたように僕を見た気がした。

「本当にペアを変更で良いの?」

「はっはいっライアン様がいいです、お願いします。」

勢い良く頭を下げた。

「………分かった…なら、相手には君たちから報告しなさい。そして解決したらもう一度来なさい。」

「「はいっ。」」

僕はまだ変更が決まった訳でもないのにライアン様とペアになれると浮かれながら職員室を後にした。

「ライアン様は誰がペアか分かります?」

「あぁ、Eクラスの奴だな。」

「そうなんですね…僕、相手の名前良く見てなかったのでまた見てきます。」

「そいつは俺と同じクラスだから、俺から伝えとく。」

「良いんですか?」

「あぁ、俺から離した方が良さそうな奴だから。」

怖い人なのかな?ライアン様に暴力とか振るってきたりするかな?

「僕も一緒にいた方がいいですよね?」

何も出来ないけど、万が一の時のために叫ぶことや先生を呼びに行くことくらいなら僕にも出来る。

「いやっ平気だ。教室で話せば問題ない。」

そっか、人目がある場所なら大丈夫か。

「…はいっ、なら僕がライアン様のペアの方にお話ししますね?」

「あぁ。」

「ペアの方の名前って…。」

「セドリック ハーヴィル、男爵家の奴だな。」

「セドリック ハーヴィル様…分かりました。」

僕たちはお互いの教室に向かった。
相手が分からないけどペア変わってくれるかな?
やっぱり僕も自分のペアの人の名前は確認した方がいいよね?
後で確認しよっ。
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