【完結】ハーレムルートには重要な手掛かりが隠されています

天冨七緒

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一章 純愛…ルート

ライアン視点

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ペアの授業がもっと頻繁に有ればいいのに…入学したての学生のような事を考えていた。
そうすれば授業中も堂々とフィンコックに触れることが許される。
今回の授業は薬を服用し、その症状で子を宿しやすいかを見極めるものだった。
反応として、睡眠・自白・催淫の三種類のどれかが現れると説明された。
大半の人間というか、ほほ全生徒が睡眠効果が現れる。
睡眠に入る時間で子供が宿しやすいかが分かる。
子を宿しやすい者は数分で寝てしまい、難しいものは睡眠効果が現れるまで時間がかかる。
なんの反応もない者は…宿しにくいという結果だ。
最も子供を宿しやすい人間になると自白や催淫の効果があるとされているが、特に催淫は滅多にない症状だと説明を受けた。
それでも万が一を考えペアが相手のケアすることになっている。
薬が効くがどうかは、魔力量も関係なくはないが本人の体質か一番らしい。
服用する方には今日の授業内容は公表されていない。
何故なら服用するのは子を宿す側、生む人間にしか効かない薬だと言われている。
そして結果次第で婚約が決まることもあれば、愛人候補として話が来ることもある。
この検査は産む側にとっては人生が決まる日なのかもしれない。

今日のフィンコックはなんだか落ち着きがないように見える。
俺を見ては顔を伏せ再び視線が合うと顔を背けるのを何度も繰り返す。
二人きりのベッドの授業であれば、抱きしめてフィンコックの唇を貪り全身を味わい尽くすというのに人目があるこの状況では我慢するしかなかった。
教師がフィンコックを見る目が気に入らないな。
フィンコックもなんだか意識しているように見てとれる。

二人は過去に何か有ったりするのか?

…いちいち過去のことを詮索するべきではないと分かりつつも気になってしまう。
教師の話が終われば紅茶に手を伸ばすフィンコックを視界に捉えた。
その紅茶に何かが入っているとは疑わずに口をつける。
どんな反応だとしても構わない、フィンコックを初めて部屋へ招く予定だから。
小さな口でコクンと飲む姿は意地悪したくなる。
何をするかって、俺が口移しで飲ませたらその小さな口で受け止めきれるのか?とか…。
現実と妄想が入り乱れている間に、フィンコックの身体は反応が出始めた。
頬がほんのりと赤く染まり口で呼吸し始めた。

「おいっ平気か?」

俺の言葉に返事はなくとも確り俺を見つめている。
俺の頬にフィンコックの柔らかい手が触れ、唇をなぞりフィンコックの顔が近付き唇が喰われた。
小さな声を漏らしながら俺の口の中に入ろうと舌で唇を割る。
俺の反応に気を悪くしたのか、一度離れた。

「前みたいに…気持ちいいのして」

フィンコックの言葉は強烈で授業を忘れてしまいそうになる。

これはきっと催淫効果だ。

フィンコックは魔力が少ないし体力もない、当然薬は効きやすいだろうと予想はしていたがまさかの催淫の反応が出るとは思わなかった。
楽しみ過ぎて笑みがこぼれる。
この唇に今すぐ貪りつきたいと言う気持ちと、この顔を誰にも見せたくない。
フィンコックをここまで感じさせているのは俺だと見せ付けたい様々な感情が生まれる。
返事をしない俺に焦らされたのか再び唇が重なる。
フィンコックの俺の舌を求める必死な姿。
身長差があっても気にせず首に腕を回し自ら俺に跨がりキスを続ける。

「…ライアン様?どうして…」

これは薬の所為だけなのか?
薬がなければフィンコックは自ら俺を求めることもないのか?
相手が俺じゃなくてもそんな反応見せるのか?

「…俺じゃなくてもいいんじゃないのか?他の奴でも…。」

今なら頑なに自分の気持ちを言わないフィンコックから素直な気持ちが聞けるのではと思った。
俺の望む言葉でなかったら…俺は…ペア解消出来るだろうか…。

「ヤダ、ライアン様が良いっ。」

悩むこと無くフィンコックが答えた事に驚いた。

「ここには俺以外にもお前を知ってる奴がいる。」

言いながらも、フィンコックの身体を知るのは俺だけで十分だと思っている。

「僕はっライアン様しか知らないっ知りたく…ないよ。」

俺に縋り付いた。
泣いて…るのか?

「ねぇ、僕にもっと触って。」

俺の耳元で俺にしか聞こえない程の小さな声で囁いた。
悪魔の誘惑だな。
魔性、小悪魔通り越してフィンコックは悪魔だ。
俺はもうフィンコックに逆らえないだろう。
細い腰を引き寄せれば、フィンコックも自ら俺に身を寄せ俺の首筋に息がかかる。
抱き締めたまま立ち上がり、フィンコックを拐う。
この場で抱く気はない、例え授業だとしてもこれ以上のフィンコックを見せるつもりはなかった。
部屋までフィンコックは大人しく俺に身を預けていた。
こんなに軽くて大丈夫なのか?
初めてフィンコックを俺の部屋に招き入れた…というより閉じ込めた。
ベッドの上に優しく下ろし、未だに俺の首に腕を回し離さないフィンコックが愛おしい。

「フィンコック」

名前を呼べば、腕の力が少し緩み視線が合えば唇が重なる。
フィンコックとのキス。
柔らかい唇に小さな舌、もっと味わい尽くしたい。
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