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一章 純愛…ルート
ライアン視点
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隣で眠るフィンコックを何度も確認した。
こんな事をしていてはフィンコックが起きてしまうと、必死に眠ることに集中する。
隣のフィンコックが起きたのがわかり、寝た振りをしてしまった。
寝言のような戯言を真に受けた俺を追い出すのか?と浮かれすぎていた頭が一気に冷静になった。
「ホンモノ?」
頬ツンツンと付かれた。
「夢じゃない?…ごめんなさい…僕がペアでごめんね…。」
何故そんなに謝るんだ?
俺はフィンコックとペアになれて良かったと思っている。
「キス…してみたいって言ったらイヤがられるかな?…イヤだよね…。」
…なんて言った?
キス…したいって言ったのか?
唇に何かが触れた感触が合った。
きっと指先だろう。
起きるタイミングが分からず寝た振りを続けてしまい、フィンコックの寝息が聞こえだした。
俺は絶好の機会を逃してしまい、その日は悔しくて一睡も出来なかった。
寝ずに出た結論は、合意の上でフィンコックから俺にキスをさせることだった。
どうやってキスさせるか悩んでいればフィンコックか起きた。
眠ることが出来なかったなど噯にも出さず平静を装った。
だが、フィンコックの顔を見てしまえばキスしたくて堪らなくなるので一切見ないようにした。
その日は一日中どうやったらフィンコックからキスを仕向ける事が出来るのか悩み、全く授業に身が入らなかった。
「僕がペアでごめんね…。」
その言葉が引っ掛かった。
今まで、フィンコックのワガママで解消していたと受け入れていたが結果は同じでも理由が違うのか?
自分自身の為に解消していたのではなく相手の為に?何故?
益々フィンコックが分からなくなる。
知らなかった…こんなにも自分が誰かに入れ込んでしまう人間だったことを。
相手の事を考えれば考えるほど不安になるなんて。
俺は騎士として鍛練してきた。
全くとは言わないが、どんなことがあっても動揺せず対処できる…してみせると決意していたのに。
こんなにも心乱される存在に出会うとは…。
フィンコックは公爵家で次男とはいえ辺境に移り住むとは思えない。
望みのない相手に興味を持ってしまうなんて…気付いてしまったこの感情をどうすれば…。
こんな事をしていてはフィンコックが起きてしまうと、必死に眠ることに集中する。
隣のフィンコックが起きたのがわかり、寝た振りをしてしまった。
寝言のような戯言を真に受けた俺を追い出すのか?と浮かれすぎていた頭が一気に冷静になった。
「ホンモノ?」
頬ツンツンと付かれた。
「夢じゃない?…ごめんなさい…僕がペアでごめんね…。」
何故そんなに謝るんだ?
俺はフィンコックとペアになれて良かったと思っている。
「キス…してみたいって言ったらイヤがられるかな?…イヤだよね…。」
…なんて言った?
キス…したいって言ったのか?
唇に何かが触れた感触が合った。
きっと指先だろう。
起きるタイミングが分からず寝た振りを続けてしまい、フィンコックの寝息が聞こえだした。
俺は絶好の機会を逃してしまい、その日は悔しくて一睡も出来なかった。
寝ずに出た結論は、合意の上でフィンコックから俺にキスをさせることだった。
どうやってキスさせるか悩んでいればフィンコックか起きた。
眠ることが出来なかったなど噯にも出さず平静を装った。
だが、フィンコックの顔を見てしまえばキスしたくて堪らなくなるので一切見ないようにした。
その日は一日中どうやったらフィンコックからキスを仕向ける事が出来るのか悩み、全く授業に身が入らなかった。
「僕がペアでごめんね…。」
その言葉が引っ掛かった。
今まで、フィンコックのワガママで解消していたと受け入れていたが結果は同じでも理由が違うのか?
自分自身の為に解消していたのではなく相手の為に?何故?
益々フィンコックが分からなくなる。
知らなかった…こんなにも自分が誰かに入れ込んでしまう人間だったことを。
相手の事を考えれば考えるほど不安になるなんて。
俺は騎士として鍛練してきた。
全くとは言わないが、どんなことがあっても動揺せず対処できる…してみせると決意していたのに。
こんなにも心乱される存在に出会うとは…。
フィンコックは公爵家で次男とはいえ辺境に移り住むとは思えない。
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