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一章 純愛…ルート
ライアン視点
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フィンコックに二度目の誘いをする為に会いに行き、名前を呼ぶも反応がなかった。
俺を避けているのか?
フィンコックの事になると些細なことに悲しみと苛立ちが生まれる。
相手は公爵家と分かっていたが、肩を掴み呼び止めた。
「ひゃん」
フィンコックは驚いた声を上げた。
本当に気付いていなかったのか?
二度目の誘いをしたが反応が良くなかった。
ペア解消は避けたかったのですぐに身を引けば、フィンコックの「違う、いやじゃない」という言葉に驚かされ喜ぶ自分がいた。
冷静を保ちながら部屋に行くことを宣言し、噂と掛け離れているフィンコックに振り回されている自分に対し嫌いじゃないのが不思議だった。
浮かれているのを悟られないよう素っ気なく対応しつつも、部屋に向かうまでの時間が異様に長かった。
フィンコック…すげぇ良い香りがした。
相手の気を引くために甘ったるい香水を付けるものがいるが、フィンコックの香りは爽やかで不快ではなかった。
俺の気を…なわけないか。
前回も付けていたのか?
気付かなかった。
部屋の前に着くと緊張した。
こんなに緊張するのは、初めて父の前で剣を構えた時以来だ。
一度深呼吸してからノックをすれば扉が開き、招き入れられた。
約束を取り付けたとは言え追い返される可能性もあると念頭に置いていたので、安心した。
前回同様ベッドまで移動すれば、フィンコックは離れた場所にいた。
もしや、する気は無いのか?
一人舞い上がっている俺をに引いたのか?
「しないのかよ?」
不安からかぶっきらぼうに尋ねてしまった。
「ぇっあっします。」
威圧的に聞いてしまった為フィンコックも様子がおかしい。
前回よりあたふたしているというか、緊張しているように見える。
もしや、前回俺が自分勝手に進めたことで恐怖を覚えたとか?
顔を背けるだけじゃなく、手で顔を覆っている…。
…失敗した。
「んぁあんん」
…洗浄魔法を掛けただけでこの反応。
やはり、前回ので俺との行為で恐怖心が生まれてしまったようだ。
あの時は怒りに任せてフィンコックを傷付けてしまった自覚がある。
すまない。
それでもペアを解消しなかったのは、俺が怖くて出来なかったのか?
「ぁりがとっ。」
…今、何と言った?
お礼を言ったのか?
俺に?
何故?
洗浄魔法は基本中の基本だ。
まさか…今までされていなかったのか?
驚きのあまりフィンコックを凝視していた。
俺が不躾に見つめてしまったので、フィンコックも動揺し始めてしまった。
今回は大切に…優しくしたかったのに、彼を前にすると冷静でいられずにいる。
丁寧に進めれば、始めからフィンコックは感じていた。
こんなに感じやすかったら今まで大変だったはず。
王子以外に感じたくないはずなのに、思いとは裏腹な敏感な身体。
それを隠す為にワガママを演じていたのか?
他の奴の口から王子に淫乱な身体だったと話されたくない為に?
ペアの行為中の反応は言わないようにと教師から注意を受けてはいても相手の反応で技術をアピールする下品な奴は存在する。
惚れた奴がいる人間は、相手に行為中の反応など知られたくはないだろう。
そこまでする程にあいつは良い男か?
ローションに手を伸ばす俺を怯えた目で見ていた。
それ程前回が恐怖で忘れられなかったのだろう。
「優しく丁寧に」と自分に言い聞かせながら、フィンコックの秘所に塗り込み指を挿入していく。
フィンコックは指だけで感じ始めた。
明らかに前回よりも敏感になっている。
そんな事実を知ってしまえば、一刻も早くフィンコックの中に入りたいと焦ってしまった。
緊張が解れてないのに入れようとした為、フィンコックも尻に力を入れ俺を拒絶した。
ここで止めてやりたいが、俺には無理だ。
お詫びに一生懸命主張しているフィンコックのモノに口を付けた。
その瞬間、驚いたように「汚…っよぉ」なんて言い出した。
やはり、今まで誰にも洗浄魔法掛けられてこなかったんだ。
最低限のマナーもせずにフィンコックを一方的に悪者にしていた奴らに怒りが沸いた。
フィンコック…お前に汚い所なんて一つもない。
フィンコックの気持ちを無視して続けたくはなかった。
イヤなのか?と尋ねても返事はなかった。
俺に遠慮してるのか?
だが、言わないと俺は勝手に続けてしまう。
誰も知らないフィンコックを堪能したいから。
再度確認すれば「んっ」と小さな声で頷く。
その姿は反則だ。
俺に対して怯えているのかもしれないが、肯定したのを良いことに俺は続けた。
フィンコックなりの抵抗かもしれないが、頭を太ももで挟まれた。
それはかえって俺を煽っているとも知らずに。
フィンコックは天然の魔性なのかもしれない。
少しでもフィンコックを知ってしまえばハマる奴続出だろう。
今までフィンコックを拒絶していた奴ら全員に感謝だ。
どうしようもなく浮かれている自分を制御出来ずにいるくらいにハマっていた。
フィンコックに意地悪をしたらどうなるのか試したい衝動に駆られる。
今までのペアにはそんな感情を抱いたことは無かった。
欲望に負けフィンコックの根本を塞げば、涙声で抗議をされた。
予想通りだったとしても、嬉しくて興奮する。
早く俺を中に入れてくれよ。
漸く俺を受け入れれば、それだけでフィンコックはイッた。
そんなんされたらハマるだろ?
ヤバいと俺の中で警報がなる。
これ以上ハマると抜け出せ無くなる。
フィンコックの王子しか見ていないと分かっていても手に入れたくなる。
指を噛み眉を寄せ必死に耐える姿なんて凶器そのものだ。
誰かと比べるのは良くないが、フィンコックの中は今までに経験無いほど気持ち良い。
フィンコックの経験が少なく中に入れることに慣れていない為なのか、それとも俺との相性が格別に良いのか答えは出ないがそんなのどうでもよくなる程離れがたい。
フィンコックの中を経験した奴はよく後腐れ無く去って行けた事に不思議で仕方が無い。
フィンコックは限界を迎えると同時に俺を締め付けた。
俺がフィンコックにイカされた事を確認したフィンコックは意識を失った。
俺は一人余韻に浸っていた。
俺の横で眠るフィンコックをいくら見ていても飽きることがない。
抱きしめたい。
身体中に俺の証だと証明したい。
…けど、俺はしなかった。
悔しいことにフィンコックの中の俺を洗浄した。
「王子なんて忘れちまえよ。」
無防備に眠るフィンコックの隣は離れがたく、俺の痕跡を消さなければならい現実にも無性に憤りを感じていた。
俺を避けているのか?
フィンコックの事になると些細なことに悲しみと苛立ちが生まれる。
相手は公爵家と分かっていたが、肩を掴み呼び止めた。
「ひゃん」
フィンコックは驚いた声を上げた。
本当に気付いていなかったのか?
二度目の誘いをしたが反応が良くなかった。
ペア解消は避けたかったのですぐに身を引けば、フィンコックの「違う、いやじゃない」という言葉に驚かされ喜ぶ自分がいた。
冷静を保ちながら部屋に行くことを宣言し、噂と掛け離れているフィンコックに振り回されている自分に対し嫌いじゃないのが不思議だった。
浮かれているのを悟られないよう素っ気なく対応しつつも、部屋に向かうまでの時間が異様に長かった。
フィンコック…すげぇ良い香りがした。
相手の気を引くために甘ったるい香水を付けるものがいるが、フィンコックの香りは爽やかで不快ではなかった。
俺の気を…なわけないか。
前回も付けていたのか?
気付かなかった。
部屋の前に着くと緊張した。
こんなに緊張するのは、初めて父の前で剣を構えた時以来だ。
一度深呼吸してからノックをすれば扉が開き、招き入れられた。
約束を取り付けたとは言え追い返される可能性もあると念頭に置いていたので、安心した。
前回同様ベッドまで移動すれば、フィンコックは離れた場所にいた。
もしや、する気は無いのか?
一人舞い上がっている俺をに引いたのか?
「しないのかよ?」
不安からかぶっきらぼうに尋ねてしまった。
「ぇっあっします。」
威圧的に聞いてしまった為フィンコックも様子がおかしい。
前回よりあたふたしているというか、緊張しているように見える。
もしや、前回俺が自分勝手に進めたことで恐怖を覚えたとか?
顔を背けるだけじゃなく、手で顔を覆っている…。
…失敗した。
「んぁあんん」
…洗浄魔法を掛けただけでこの反応。
やはり、前回ので俺との行為で恐怖心が生まれてしまったようだ。
あの時は怒りに任せてフィンコックを傷付けてしまった自覚がある。
すまない。
それでもペアを解消しなかったのは、俺が怖くて出来なかったのか?
「ぁりがとっ。」
…今、何と言った?
お礼を言ったのか?
俺に?
何故?
洗浄魔法は基本中の基本だ。
まさか…今までされていなかったのか?
驚きのあまりフィンコックを凝視していた。
俺が不躾に見つめてしまったので、フィンコックも動揺し始めてしまった。
今回は大切に…優しくしたかったのに、彼を前にすると冷静でいられずにいる。
丁寧に進めれば、始めからフィンコックは感じていた。
こんなに感じやすかったら今まで大変だったはず。
王子以外に感じたくないはずなのに、思いとは裏腹な敏感な身体。
それを隠す為にワガママを演じていたのか?
他の奴の口から王子に淫乱な身体だったと話されたくない為に?
ペアの行為中の反応は言わないようにと教師から注意を受けてはいても相手の反応で技術をアピールする下品な奴は存在する。
惚れた奴がいる人間は、相手に行為中の反応など知られたくはないだろう。
そこまでする程にあいつは良い男か?
ローションに手を伸ばす俺を怯えた目で見ていた。
それ程前回が恐怖で忘れられなかったのだろう。
「優しく丁寧に」と自分に言い聞かせながら、フィンコックの秘所に塗り込み指を挿入していく。
フィンコックは指だけで感じ始めた。
明らかに前回よりも敏感になっている。
そんな事実を知ってしまえば、一刻も早くフィンコックの中に入りたいと焦ってしまった。
緊張が解れてないのに入れようとした為、フィンコックも尻に力を入れ俺を拒絶した。
ここで止めてやりたいが、俺には無理だ。
お詫びに一生懸命主張しているフィンコックのモノに口を付けた。
その瞬間、驚いたように「汚…っよぉ」なんて言い出した。
やはり、今まで誰にも洗浄魔法掛けられてこなかったんだ。
最低限のマナーもせずにフィンコックを一方的に悪者にしていた奴らに怒りが沸いた。
フィンコック…お前に汚い所なんて一つもない。
フィンコックの気持ちを無視して続けたくはなかった。
イヤなのか?と尋ねても返事はなかった。
俺に遠慮してるのか?
だが、言わないと俺は勝手に続けてしまう。
誰も知らないフィンコックを堪能したいから。
再度確認すれば「んっ」と小さな声で頷く。
その姿は反則だ。
俺に対して怯えているのかもしれないが、肯定したのを良いことに俺は続けた。
フィンコックなりの抵抗かもしれないが、頭を太ももで挟まれた。
それはかえって俺を煽っているとも知らずに。
フィンコックは天然の魔性なのかもしれない。
少しでもフィンコックを知ってしまえばハマる奴続出だろう。
今までフィンコックを拒絶していた奴ら全員に感謝だ。
どうしようもなく浮かれている自分を制御出来ずにいるくらいにハマっていた。
フィンコックに意地悪をしたらどうなるのか試したい衝動に駆られる。
今までのペアにはそんな感情を抱いたことは無かった。
欲望に負けフィンコックの根本を塞げば、涙声で抗議をされた。
予想通りだったとしても、嬉しくて興奮する。
早く俺を中に入れてくれよ。
漸く俺を受け入れれば、それだけでフィンコックはイッた。
そんなんされたらハマるだろ?
ヤバいと俺の中で警報がなる。
これ以上ハマると抜け出せ無くなる。
フィンコックの王子しか見ていないと分かっていても手に入れたくなる。
指を噛み眉を寄せ必死に耐える姿なんて凶器そのものだ。
誰かと比べるのは良くないが、フィンコックの中は今までに経験無いほど気持ち良い。
フィンコックの経験が少なく中に入れることに慣れていない為なのか、それとも俺との相性が格別に良いのか答えは出ないがそんなのどうでもよくなる程離れがたい。
フィンコックの中を経験した奴はよく後腐れ無く去って行けた事に不思議で仕方が無い。
フィンコックは限界を迎えると同時に俺を締め付けた。
俺がフィンコックにイカされた事を確認したフィンコックは意識を失った。
俺は一人余韻に浸っていた。
俺の横で眠るフィンコックをいくら見ていても飽きることがない。
抱きしめたい。
身体中に俺の証だと証明したい。
…けど、俺はしなかった。
悔しいことにフィンコックの中の俺を洗浄した。
「王子なんて忘れちまえよ。」
無防備に眠るフィンコックの隣は離れがたく、俺の痕跡を消さなければならい現実にも無性に憤りを感じていた。
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