【完結】ハーレムルートには重要な手掛かりが隠されています

天冨七緒

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一章 純愛…ルート

どうしよう…怖い

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ライアン様の部屋の棟には来ても、部屋に入る勇気はなかった。
なので、寮の入り口付近のスペースでライアン様が帰ってくるのをひたすら待った。
来客用のソファで、不安な気持ちでライアン様を待ち続けた。

「ここで何をしている?」

僕か一番よく知っている声が聞こえた。
見上げれば鍛練場から直接来たであろう汗をかいたライアン様の姿があった。
久しぶりのライアン様だった。
僕よりも先にライアン様が気付き声をかけてくれた。
よかった…僕が気付かないうちに通り過ぎてしまわなくて。

「あっあのね…」

浮かれて近付けばライアン様が視線を逸らしたのが分かった。
直接目の前で行われた行為に全てを理解した。

僕はライアン様の意思で避けられてたんだ…。

「………」

それ以上声が出なかった。

「なにか用が有ったんじゃないのか?」

用が無きゃ来ちゃいけなかったんだ。
僕は今まで何を勘違いしていたんだ。
ライアン様はただのペアで期間が終われば他人なのに…。
僕にはそんな常識知らなくてライアン様に甘えて恋人じゃなくても友達の様に接してしまった。
僕達はそんな関係じゃなくて、ペアの期間が終われば「さようなら」するのがここでの当たり前…。

また…ライアン様に迷惑を掛けてしまった。

「…な…んでも…ありません、ごめんなさい」

頭を下げたまま、僕はその場を離れる。
ライアン様の顔…怖くて見ることが出来なかった。
早くこの場から立ち去りたかった。
早く早く。

「ひゃっ」

ライアン様の横を通りすぎた時に腕を掴まれた。

「何か有ったんだろう?」

「…ぃぇ、もっ大丈夫です…」
 
声が…震えていた。

「嘘だろ?俺に用が有ったんじゃねぇのかよ?」

「………」

わかんない。
もう、わかんない。
僕はらライアン様に何を言おうとしたの?

「…ペアチェンジの件か?」

「………」

ライアン様の言葉に小さく頷いた。

「はぁ…分かった…用紙は提出済みだが、明日教師に伝えておく…王子と組めると良いな…頑張れよ」

「…ぇ?」

何?どうして急に王子がでてくるの?どう言うこと?
僕はペアを継続してほしかったの…。
そのお願いに来ただけで…。
解消なんてしたくない…そう思っているのにショックのあまり声がでなかった。

ライアン様は他の人と組んじゃうの?
ヤッ、ヤダッ。
そんな事しないで。

頭の中では叫んでいるのに声の出し方が分からない。

「泣く程か?」

僕は泣いていて、勝手に涙が溢れてくる。
だって、ライアン様とのペアが終わりだなんてそんなのすごく嫌…だけど…ライアン様を困らせたくない。
困らせたくないのに…涙が…。

僕はライアン様に伝わって欲しくて何度も頷いた。
ライアン様が他の人とペアになっちゃうなんて考えたくない。
僕の気持ちが伝わったんだよね?

ライアン様が僕の頭にポンと頭に触れた。
久しぶりのライアン様だ。

「…今まで、悪かったな…。」

ライアン様は僕を置き去りに背を向けた。

何で?
どうして?
行かないでっ。

「ん?まだ何かあんのか?」

動かなかった僕の身体は呪縛が溶け、ライアン様の制服を掴んでいた。

「…やだっ、どうして?ぼ、僕ライアン様に何かしちゃったの?」

「………。」

ここが寮の入り口で多くの生徒が行き交っている事など僕にはどうでもよくて、この手を離したらライアン様に捨てられる。
それだけは嫌だという気持ちで一杯だった。

「…ペア…王子と組みたいんだよな?………俺と…続けたいのか?」

「…はぃ。」

「シャルマン。」

名前を呼ばれ視線を上げライアン様を見た。

「シャルマン、俺とペア継続したかったらお前から俺にキスしろ。」

「ぼ、僕から…キス…。」

「あぁ、出来んだろ?」

ペアを解消しないのなら何だって出来る…。
キスして良いなら条件なんか無くても沢山したい。

「ライアン様…。」

「どうした?やっぱり辞めるか?」

「ちっ、違うの…早く…部屋に…ぃこっ。」

「ダメだ。」

「………?」

「ここですんだよ。」

…えっ?
ここって?
寮の入り口で人が沢山いるよ?

周囲を確認すれば何人もの生徒と目があった。
僕達の会話を聞かれていたんだろう、皆が僕達を凝視していた。
人目につく場所でこんな話を始めれば皆が見るのは当然なのに、全く考えられなかった。
またしてもライアン様にご迷惑が…。
良いのかな?本当にキスしちゃって…。
ライアン様が後悔するんじゃ…。

「しないのか?ならっ。」

「しますっ…だから…解消しないで。」

「あぁ。」

一歩一歩と近付きライアン様の香りを感じる。
エッチしている時のライアン様を思い出してしまう。
背伸びをしても後少しの所で唇には届かなかった。
意地悪なのかライアン様は全く屈んでくれず、僕はライアン様の首に腕を回し力で引き寄せキスをした。
チュッと軽いキス。
背伸びを辞めキスを終えてもライアン様は何も反応してくれなかった。

どうしたのかな?

「シャルマン…」

「…はぃ」

ライアン様の声が少し怖かった。

「キス…教えたよな?」

「へっ?」

「今のじゃ無理だな、解消するか?」

「だ、ダメっ。」

「なら、前教えたキスをしろ。」

前教えてくれたキスって…あの…凄く気持ちいいやつ?
それをここで?
皆見てるのに、あんな激しいやつは…。
だけどライアン様を見ればあのキスじゃなきゃ許してくれなさそうな顔をしていた。
僕は意を決してライアン様が教えてくれたキスをした。

「んっんっふっんはぁんんっんんっはっんはふっぅんっんん゛」

キス…止まんない。
皆の前で恥ずかしいって思ってたのに、久しぶりのライアン様のキスを始めてしまえば止めるのが嫌になった。
唇が離れそうになると僕の方が追いかけた。
ライアン様の腕が僕を抱きしめてくれて、不安が消えていく。

もっとして。

心が満たされていく。
気持ちいいキスを堪能していれば僕の腕が緩んでしまい、唇が離れてしまった。

「やぁん」

急に幸せを奪われ淋しさが生まれ不満の声をもらした。
もう一度欲しいと、ライアン様を縋るように見つめてしまう。
手を滑らせライアン様の制服のボタンを外しにかかる。

「どこまでする気だ?」

ライアン様にボタンを外す手を掴まれ動きを封じられえしまった。
どこまでって、ライアン様ともっと気持ちいいこと。
背伸びをしてライアン様の顎や首にキスを送った。
久し振りのライアン様をもっと味わいたいの、少しも離れたくない。

「シャルマン。」

耳元で囁くライアン様の声が擽ったいと感じながらも幸福に浸っていた。
返事をすること無く、ライアン様の見える範囲の素肌を唇で感じたかった。

「ここ、部屋じゃないぞ。」

うーん?部屋じゃない?
今はライアン様から離れたくなぁい…もっとぉ。

…部屋じゃない?部屋じゃない?部屋じゃない?
ここはどこだっけ?

ライアン様から半歩離れ周囲を見渡せば、多くの生徒がこちらを見ていた。
そうだっ寮の入り口でライアン様を待ってたんだ。

み…みんなに、みられた。
ぼ、僕は…。

「シャルマン、俺の部屋に行くか?」

「………ぅん。」

恥ずかしくて顔上げることが出来ず、ライアン様に埋もれながら顔をできるだけ隠した。
ライアン様の大きな手が僕の肩に…久しぶりの温もりに安心していると、促されるように歩きだし部屋に着いた。

ライアン様の部屋だ…。
もう、入ることは許されないかもと不安だった。
僕はまた、ここへ来ることが出来たんだ…。

「…なんで泣いてんだよ。」

「……っ…。」

安心?不安?恐怖?
わからない…けど、心のどこかで諦めていた…ライアン様の事を。
それが再びこの部屋に来ることが出来るなんて…思ってなかった。
ライアン様と目が合うと自然と唇が重なった。
今回はライアン様も屈んでくれ、僕だけのキスじゃなかった。

「はむっむっんっんっはぁっんっ」

泣いた所為でいつも以上に苦しかったけど、それでも尚キスを求めひたすら続けた。

「シャルマン…。」

唇が僅かに離れるのを見計らいライアン様が言葉を発するも、僕は完全に離れることを許さなかった。
首に腕を回し離れないようにライアン様を捕まえた。

「なに?」

唇が触れあったまま答えた。
これ、ずっと憧れてたの。

「するか?」

「んっ」

僕がライアン様を脱がせ始め、制服を奪っていく。
ライアン様の身体は何時見ても綺麗だ。
上半身を脱がせ終え我慢できずに美しい胸板に唇から愛情を注いでいく。

「そんなに匂うか?」

「へっ、?」

「寮に戻るまで鍛練場で剣振りまくってたから、汗くせぇだろ?洗浄魔…」

「ダメぇー。」

僕の大きい声にライアン様は驚いていた。
僕も予想以上の自分の声の大きさに驚いてしまった。

「なんだよ?風呂入んのか?」

「ダメ、今日はこのまましよっ。」

「くせぇだろ。」

「臭くないっ。」

裸のライアン様に抱きついた。
いつもより濃い香りに興奮する。
この香り消さないで。

「………。」

「勿体ないよ。」

「もったいない?」

勿体ないという言葉は日本特有で、この国には無い言葉なのかもしれない。
勿体ないは…なんて訳せば…。

「無くさないで…。」

「お前…。」

なんとなくだけどライアン様が言いたいことが分かった。
きっと「お前変態か?」と続けたかったんだと思う。
僕って変態なのかな?
変態かもしれない…ライアン様限定の。
汗の香りを一つ一つ食べるようにライアン様の身体を味わった。
僕はライアン様の身体に夢中で制服を全て脱がされていたことに気付かなかった。

「んぇっ。」

ライアン様の身体を味わい尽くしたいのに顎を取られ上向きにされた。
近くにはライアン様のカッコいい顔があり、引き寄せられるように唇を合わせた。
初めから濃厚なキス。
ライアン様の舌に必死に追い付こうとしている僕を抱え上げ、ベッドに下ろされ寝かされた。

これから僕はライアン様と…。

キスが続いたというよりは僕が離さなかった。
ライアン様が手を伸ばしガサゴソとしていても僕はライアン様の唇に夢中だった。

「んひゃっんんんぁんんんはむっんっんむっん」

お尻の洗浄魔法は慣れたけど、やっぱりビックリしてしまう。
その後にはひんやりとした液体が塗り込められていく。
ライアン様の指が気持ちいい。
長くてしなやかで、僕の中の気持ちいい所を刺激してくる。
あの綺麗な指にされてると思うと申し訳ないという気持ちが有るのに、興奮しちゃう。

「ひゃんっ。」

だめぇ、そこ…全身がっ。

「ひゃっあっだ、だめっそこっおか…おかしく…やっら、ライアンさまぁ。」

「ここ、気持ちいいだろ?」

だめって言っているのにライアン様はそこを攻め続けてくる。

「あっんっぁああっんあんつんんんん゛ん゛あっんん゛ん゛ん゛ん゛」

前を触らず後だけ更には指だけでイッてしまった。
早くライアン様のをそこで感じたいと思いながら、僕だけ気持ちいいのはイヤ…ライアン様も。
なのに…。

「ライアンさまぁ…早くっ。」

初めてイヤらしいお強情りをしてしまった。
僕の願いを聞いて、ライアン様の指が引き抜かれ待ち望んだものが微かに触れた。

「ぁっ」

期待に満ち声が漏れた。
途端に恥ずかしくなり顔を背けながらライアン様を確認した。
視線が合い優し笑顔のライアン様がいた。
気持ちを持って行かれたところにライアン様のが入ってきた。

「ぁぁああん」

入ってくる時の圧迫感は苦しいけど、相手がライアン様だとなんでも気持ちよくなってしまうのが不思議だった。
…シャルマンはどうかわからないが、僕はライアン様としかしたことがないから他の人と比べられないんだけど。
ライアン様が動く度に恥ずかしい声が止まらなくなり始めた。
こんなイヤらしい声、自分で聞くのもイヤなのにライアン様にはもっと聞かれたくなくて口を手で覆って耐えた。

「シャルマン、声聞かせろよ。」

いくらライアン様の願いでもそれは…僕は頭を振った。
今の僕はきっといつも以上に変な声とか言葉を言ってしまいそう。

「ふ~ん。」

ライアン様のそんな表情初めてみた…怒ったの…かな?
怒っているのか悪いことを考えているのか、そんな顔だった。
…ん?
ライアン様が僕の手の甲を舐めだした。
まるで手の甲とキスをしているように。

ダメぇ、ライアン様とキスをするのは僕なのに…。

自分の身体にさえも嫉妬してしまった。
手を外しライアン様とのキスを僕の唇がした。
口元を覆っていた手はライアン様の肩をそっと掴んだ。

「んっんっんっふっんふぅんっんはっん」

ライアン様の打ち付けに合わせた息遣いが全てライアン様に飲まれていく。
あぁん、もうイッちゃう。
ライアン様に全てを塞がれ満たされていく。
もう、限界。

「あぁんああああぁぁぁんあああぁぁぁんんんんん゛ん゛ん゛ん゛ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あぁぁぁん゛ん゛っ」

イク寸前で唇が離され、今迄に無いぐらいの喘ぎ声を上げていた。
唇が塞がれていたため油断した。
恥ずかしくて止めたいのに、自分ではどうすることも出来なかった。

「はぁはぁはぁはぁはぁ」

こんな姿ライアン様に見られたくなかったのに…。
こんなはしたない僕の事をどんな目で見ているのか怖いが、ちらりとライアン様を確認すればニヤリと悪い顔をしていた。
悪い顔のライアン様に見とれてしまう。
こういうライアン様も好きっ。

その後も何度も何度も続いた。
ちゃんと意識の有る続けての行為は初めてで、二回目以降があんな激しいものなんて知らなかった。
気を失うと思った時に激しく揺さぶられライアン様に引き戻されるのを何度も繰り返した。
ライアン様はもしかして、ずっと僕に合わせて我慢していたのかもしれない。
ずっと満足できずにいたなんて…。
シャルマンの身体だから悪くはないと思うけど、中身が僕だから一度で十分だったりするのかな?
これからは今日みたいに沢山求めてくれたら嬉しい。
もっともっと、僕が何も考えられなくなるくらいに攻めて欲しい。
ライアン様も僕以外考えられなくなるくらいに夢中になって欲しい。

ライアン様が僕の中でイクのを感じてから気を失った。
気を失っても夢って見るのかな?
その後もライアンが僕の身体に触れてくれていた夢を見た。
身体中にキスを沢山してくれる幸せな夢。
気持ちいいのに夢の中でも反応できない自分の体力の無さを恨んだ。
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