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一章 純愛…ルート
ペアを変えたくない
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ここ数日、誰とも会話をしていない。
元々話す人はいなかった。
僕に居たのはライアン様とライアン様の友人だけ。
言葉を忘れそうになる。
声ってどうやって出すんだっけ?
朝起きて着替えて食堂で朝御飯を食べて、学園に向かい授業を受けて食事を取り午後の授業を受けて寮に戻る。
その繰り返し。
最近は魔法の練習も図書室にも行ってない。
なんだか行く気がしない。
なんにもやる気がでない。
ライアン様に…会いたいよ…。
「フィンコック…おーぃ、フィンコック」
久しぶりに誰かに呼ばれた。
体力なのか気力なのか分からないが、振り返ることが出来なかった。
「フィンコック、ライアンと喧嘩でもしたのか?」
ライアン様が何?
声のする方を見上げればエドバルド様だった。
「ライアンがよぉ、最近訓練場ばかり行って無理してるようにしか見えねぇんだよな。フィンコックは何かしらねぇ?最近二人でいること無くなったよな。」
「………」
そんなの…僕も知りたい…。
「お、おいっ泣くなよ…やべっちょっとこっち来いよ。」
エドバルド様に連れられて談話室の一つに入った。
「お前らなんか有ったのかよ?最近までいい雰囲気だったじゃねぇかよ。」
エドバルド様にもそう見えてたの?
僕の勘違いじゃない?
「………。」
「話してみろよ。」
「………ふっ…ひっく…っく」
急に涙が溢れてきた。
「ゆっくりでいいから話せよ。」
「…わ…分かんない…急に避けられて…僕…何かライアン様の気に障るようなこと言っちゃったかしちゃったかしたんだと思う…。」
「ライアンが?」
「…僕…ライアン様とペア解消したく…ないよ…っく…ひっ…」
「それちゃんと話してこいよ。なんか誤解してんじゃねぇの?」
「でも…僕…ライアン様に避けられて…。」
「あいつの部屋の鍵開けられんだろ?」
「…ぅん…でも…して…い゛いの、かな?」
「登録するってことは何時でも来ていいって事だろ?」
「……う゛っ…う゛っ…。」
「使ったことあんのかよ?」
「………ない゛っ」
「なら、やってみろよ。」
「………。」
「やらないと何も変わんねぇぞ。」
「…ぅん。」
「なら、俺とペア組むか?」
「?」
「俺と。」
ゆっくりエドバルド様が近づいてくる。
抱きしめられて、唇が…。
「だ、ダメッ」
唇が触れる直前、彼の胸を押し返した。
「…何で?」
「ライアン様が…」
「どうせペア解消なるんだろ?」
「………」
「それを受け入れんだろ?」
「…や、やだっ。」
「なら、アイツんとこ行けよ。」
「………ぅん」
「もし、ダメでも俺があんたを貰う。」
「えっ?」
唇が塞がれた。
エドバルド様の言葉が理解できず、押し退けていた手が緩んだ隙に力強く抱きしめられいつの間にかキスしていた。
ライアン様以外のキス。
「あっんっやぁっんん゛」
激しい。
抵抗してるのに力じゃ全く敵わない。
頭を押さえられ、キスから逃れられなかった。
ライアン様じゃないのにキスしちゃってる。
ライアン様の友達と…。
こんな事しちゃいけないのに。
やっとライアン様以外の人と仲良く慣れたと思っていたのに…。
僕はイケナイことをした。
やっぱり僕は何処にいても悪い子なんだ。
漸くエドバルド様のキスから解放された。
「俺は本気だ、お前も本気でライアンにぶつかって来い。じゃねぇと後悔すんぞ。」
「………」
「このままここにいたら、俺はお前を抱く。いいのか?」
エドバルド様の目が本気のように見え、僕は急いで談話室を出てライアン様の寮に向かった。
元々話す人はいなかった。
僕に居たのはライアン様とライアン様の友人だけ。
言葉を忘れそうになる。
声ってどうやって出すんだっけ?
朝起きて着替えて食堂で朝御飯を食べて、学園に向かい授業を受けて食事を取り午後の授業を受けて寮に戻る。
その繰り返し。
最近は魔法の練習も図書室にも行ってない。
なんだか行く気がしない。
なんにもやる気がでない。
ライアン様に…会いたいよ…。
「フィンコック…おーぃ、フィンコック」
久しぶりに誰かに呼ばれた。
体力なのか気力なのか分からないが、振り返ることが出来なかった。
「フィンコック、ライアンと喧嘩でもしたのか?」
ライアン様が何?
声のする方を見上げればエドバルド様だった。
「ライアンがよぉ、最近訓練場ばかり行って無理してるようにしか見えねぇんだよな。フィンコックは何かしらねぇ?最近二人でいること無くなったよな。」
「………」
そんなの…僕も知りたい…。
「お、おいっ泣くなよ…やべっちょっとこっち来いよ。」
エドバルド様に連れられて談話室の一つに入った。
「お前らなんか有ったのかよ?最近までいい雰囲気だったじゃねぇかよ。」
エドバルド様にもそう見えてたの?
僕の勘違いじゃない?
「………。」
「話してみろよ。」
「………ふっ…ひっく…っく」
急に涙が溢れてきた。
「ゆっくりでいいから話せよ。」
「…わ…分かんない…急に避けられて…僕…何かライアン様の気に障るようなこと言っちゃったかしちゃったかしたんだと思う…。」
「ライアンが?」
「…僕…ライアン様とペア解消したく…ないよ…っく…ひっ…」
「それちゃんと話してこいよ。なんか誤解してんじゃねぇの?」
「でも…僕…ライアン様に避けられて…。」
「あいつの部屋の鍵開けられんだろ?」
「…ぅん…でも…して…い゛いの、かな?」
「登録するってことは何時でも来ていいって事だろ?」
「……う゛っ…う゛っ…。」
「使ったことあんのかよ?」
「………ない゛っ」
「なら、やってみろよ。」
「………。」
「やらないと何も変わんねぇぞ。」
「…ぅん。」
「なら、俺とペア組むか?」
「?」
「俺と。」
ゆっくりエドバルド様が近づいてくる。
抱きしめられて、唇が…。
「だ、ダメッ」
唇が触れる直前、彼の胸を押し返した。
「…何で?」
「ライアン様が…」
「どうせペア解消なるんだろ?」
「………」
「それを受け入れんだろ?」
「…や、やだっ。」
「なら、アイツんとこ行けよ。」
「………ぅん」
「もし、ダメでも俺があんたを貰う。」
「えっ?」
唇が塞がれた。
エドバルド様の言葉が理解できず、押し退けていた手が緩んだ隙に力強く抱きしめられいつの間にかキスしていた。
ライアン様以外のキス。
「あっんっやぁっんん゛」
激しい。
抵抗してるのに力じゃ全く敵わない。
頭を押さえられ、キスから逃れられなかった。
ライアン様じゃないのにキスしちゃってる。
ライアン様の友達と…。
こんな事しちゃいけないのに。
やっとライアン様以外の人と仲良く慣れたと思っていたのに…。
僕はイケナイことをした。
やっぱり僕は何処にいても悪い子なんだ。
漸くエドバルド様のキスから解放された。
「俺は本気だ、お前も本気でライアンにぶつかって来い。じゃねぇと後悔すんぞ。」
「………」
「このままここにいたら、俺はお前を抱く。いいのか?」
エドバルド様の目が本気のように見え、僕は急いで談話室を出てライアン様の寮に向かった。
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