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一章 純愛…ルート
知らない声
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最近は学園が楽しくなった。
未だに友達はゼロだけどライアン様にエドバルド様、フレデリック様とも少しずつだけど会話が出来る関係になった。
お昼はライアン様達と一緒だったり、一人の時は魔法の練習や図書室で素敵な話を探したりして充実した毎日を送れているのでは?
今日はどっちにしようかな?
魔法の練習と図書室。
僕の魔法の才能は掌サイズの水が出せるのと、団扇で扇ぐくらいの風を起こすことだった。
火や土、雷、氷も練習次第で修得出来るようだが僕には才能と魔力量が圧倒的に足りていなかった。
類い稀に光や闇を扱うことの出来る人が存在するらしい。
彼らは貴重で発見され次第、王族に報告され国で保護されるみたい。
僕はそんな特別な人間じゃなかった。
…転生者?前世の記憶持ち?なのに…そういう人って小説や漫画とかだと特別な力を持っていたりするのにな…。
僕は二人分の記憶があるというだけだった。
天気が良かったので誰も居ないあの場所で日向ぼっこしながら練習の続きをすることにした。
僕は魔法が全然ダメだった。
食事を終えた残りの昼休みの時間だけで初心者がする魔法の練習をするのだが数回魔法を使うだけで魔力をすぐに使いきってしまう。
魔力を限界まで使い魔力量を増やす事も出来ると本には書いてあったが、生まれつき増えない人間もいるためオススメはしないとも書いてあった。
本の注意書は必ず読む、自分は大丈夫だなんて思わない。
本には決して逆らわない。
それが僕の、この本から得たものだった。
この「初心者の為の魔法の本」の著者は…ローレンツォ ファビドゥサードさんだった。
とても…難しい名前…言いにく…ぅん。
僕のために書いてくれたのではと思うほどの本だったので感謝しています。
顔さえ見たことがないからか、素直に受け止めることが出来る。
初心者にとても丁寧に書かれている。
僕のように魔力が無いけど子供が生みやすいから良いんだと自分を慰めても、どこか魔法を使いたいと思っている人はいるはず。
その人達の為なのでは?と思う程だった。
基本魔法の本や、ここから始める魔法の本を読んでみたがどれも魔法の才能が「ある」が前提だった。
その中で、この本に出会えたのは奇跡だった。
学園なので貸出期限が有り、返してはまた借りるを繰り返している。
返す時に予約が有るのかを確認して無いようなら再び借りているので、ずっと僕の手元に有る。
今日は前回の続きかな?
「フィンコック」
聞きなれない声の人に名前を呼ばれた。
ライアン様やエドバルド様、フレデリック様でもない知らない声。
振り返ればとても綺麗な男性が立っていた。
金髪で金色の瞳。
物語の王子様のような人。
…王子様…?
…王子様だっ。
王子様がシャルマンに何の用?
「は、はい何でしょうか?」
怖い。
何でだろう。
シャルマンが追いかけていた人だから?
迷惑を掛けていた人物が王子様で僕がどんな罰を受けるのか分からない。
怖いから出来るなら受けたくない。
そんな思いから王子様に出会さないよう逃げていたのに、まさか向こうから声をかけてくるなんて…。
やっぱり何らかの処罰が?
ヤダよ。
怖くて顔を見ることが出来なかった。
「これは君のか?」
恐る恐る差し出されたもの拝見すればハンカチだった。
確かに見覚えがある。
いつか無くした僕のハンカチ。
「…はい、僕のです。」
王子様はハンカチを渡し去っていった。
嫌いなはずのシャルマンの忘れ物を渡すために態々昼休みに直接届けてくれるなんて、誠実でいい人なんだろうなぁ。
誰かに頼むことも出来たはずなのに…。
それをせずに自分でシャルマンに。
優しいからシャルマンを本気で拒絶出来ずにいたから、シャルマンは嫌われてないと思い込みあの人をずっと追いかけていたんだろうな。
「ありがとうございます。」
王子様の後ろ姿にお礼を言って王子様とは逆方向に歩いていった。
追いかけたり話しかけるのはきっと良くないだろう。
王子はシャルマンに纏わりつかれていた経験があるので僕から近づくのは嫌だろうと感じ深追いはしなかった。
今日はライアン様来てくれるかな?
会わなかったけど最近は約束しなくても来てくれることが多くなった。
お風呂も…エヘ、あれから何回か一緒に入ったりしてる。
最近ではライアン様からも僕と同じ香りがするの。
嬉しいっ。
部屋でライアン様を待った。
今日の復習や明日の準備をしてお風呂も済ませてライアン様を待った。
…だけど、今日は来なかった。
その日からライアン様は僕の部屋に来なくなった。
気のせいか食堂でも会う機会が減り、声をかけようにも避けられているように感じた。
僕なにかしちゃったのかな?
未だに友達はゼロだけどライアン様にエドバルド様、フレデリック様とも少しずつだけど会話が出来る関係になった。
お昼はライアン様達と一緒だったり、一人の時は魔法の練習や図書室で素敵な話を探したりして充実した毎日を送れているのでは?
今日はどっちにしようかな?
魔法の練習と図書室。
僕の魔法の才能は掌サイズの水が出せるのと、団扇で扇ぐくらいの風を起こすことだった。
火や土、雷、氷も練習次第で修得出来るようだが僕には才能と魔力量が圧倒的に足りていなかった。
類い稀に光や闇を扱うことの出来る人が存在するらしい。
彼らは貴重で発見され次第、王族に報告され国で保護されるみたい。
僕はそんな特別な人間じゃなかった。
…転生者?前世の記憶持ち?なのに…そういう人って小説や漫画とかだと特別な力を持っていたりするのにな…。
僕は二人分の記憶があるというだけだった。
天気が良かったので誰も居ないあの場所で日向ぼっこしながら練習の続きをすることにした。
僕は魔法が全然ダメだった。
食事を終えた残りの昼休みの時間だけで初心者がする魔法の練習をするのだが数回魔法を使うだけで魔力をすぐに使いきってしまう。
魔力を限界まで使い魔力量を増やす事も出来ると本には書いてあったが、生まれつき増えない人間もいるためオススメはしないとも書いてあった。
本の注意書は必ず読む、自分は大丈夫だなんて思わない。
本には決して逆らわない。
それが僕の、この本から得たものだった。
この「初心者の為の魔法の本」の著者は…ローレンツォ ファビドゥサードさんだった。
とても…難しい名前…言いにく…ぅん。
僕のために書いてくれたのではと思うほどの本だったので感謝しています。
顔さえ見たことがないからか、素直に受け止めることが出来る。
初心者にとても丁寧に書かれている。
僕のように魔力が無いけど子供が生みやすいから良いんだと自分を慰めても、どこか魔法を使いたいと思っている人はいるはず。
その人達の為なのでは?と思う程だった。
基本魔法の本や、ここから始める魔法の本を読んでみたがどれも魔法の才能が「ある」が前提だった。
その中で、この本に出会えたのは奇跡だった。
学園なので貸出期限が有り、返してはまた借りるを繰り返している。
返す時に予約が有るのかを確認して無いようなら再び借りているので、ずっと僕の手元に有る。
今日は前回の続きかな?
「フィンコック」
聞きなれない声の人に名前を呼ばれた。
ライアン様やエドバルド様、フレデリック様でもない知らない声。
振り返ればとても綺麗な男性が立っていた。
金髪で金色の瞳。
物語の王子様のような人。
…王子様…?
…王子様だっ。
王子様がシャルマンに何の用?
「は、はい何でしょうか?」
怖い。
何でだろう。
シャルマンが追いかけていた人だから?
迷惑を掛けていた人物が王子様で僕がどんな罰を受けるのか分からない。
怖いから出来るなら受けたくない。
そんな思いから王子様に出会さないよう逃げていたのに、まさか向こうから声をかけてくるなんて…。
やっぱり何らかの処罰が?
ヤダよ。
怖くて顔を見ることが出来なかった。
「これは君のか?」
恐る恐る差し出されたもの拝見すればハンカチだった。
確かに見覚えがある。
いつか無くした僕のハンカチ。
「…はい、僕のです。」
王子様はハンカチを渡し去っていった。
嫌いなはずのシャルマンの忘れ物を渡すために態々昼休みに直接届けてくれるなんて、誠実でいい人なんだろうなぁ。
誰かに頼むことも出来たはずなのに…。
それをせずに自分でシャルマンに。
優しいからシャルマンを本気で拒絶出来ずにいたから、シャルマンは嫌われてないと思い込みあの人をずっと追いかけていたんだろうな。
「ありがとうございます。」
王子様の後ろ姿にお礼を言って王子様とは逆方向に歩いていった。
追いかけたり話しかけるのはきっと良くないだろう。
王子はシャルマンに纏わりつかれていた経験があるので僕から近づくのは嫌だろうと感じ深追いはしなかった。
今日はライアン様来てくれるかな?
会わなかったけど最近は約束しなくても来てくれることが多くなった。
お風呂も…エヘ、あれから何回か一緒に入ったりしてる。
最近ではライアン様からも僕と同じ香りがするの。
嬉しいっ。
部屋でライアン様を待った。
今日の復習や明日の準備をしてお風呂も済ませてライアン様を待った。
…だけど、今日は来なかった。
その日からライアン様は僕の部屋に来なくなった。
気のせいか食堂でも会う機会が減り、声をかけようにも避けられているように感じた。
僕なにかしちゃったのかな?
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