【完結】ハーレムルートには重要な手掛かりが隠されています

天冨七緒

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一章 純愛…ルート

心のどこかで期待している

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午後の授業を真面目に受けたいのに、全く集中できなかった。
集中しようとしても、すぐさまライアン様の言葉が頭を巡る。
「今日行くからな」そういう意味だよね?
…まさかペア解消の話し合い?
あり得そう…。
連続だったり、予定より早い時は大抵解消の話し合いだった。
今まではシャルマンからの呼び出しだったけど、相手から解消されることも当然ある。

…解消…されるんだ…僕…。

そうだよね…一人浮かれてバカみたい。
ペアには二人の意思が必要。
いくら僕がライアン様を好んでも、僕は彼の好みではない。
ライアン様はとても格好いいし伯爵家だし、それに優しくて…僕の事を心配してくれた。
ただのペアとしてだったとしても、嬉しかった。
ライアン様とペアが続いてくれたらと思うが、解消を望むなら仕方ない。
例え解消しなくとも数ヶ月毎にペアは変わってしまう。
エッチの授業なんて日本に無かったからどんな気持ちで参加すれば良いのかわからないけど、男の人を好きな僕は喜ぶべき事なのかな?
いろんな男の人と出来るんだもん…。
きっとこの世界は僕が望んでいた世界なんだよね?
だったら、ライアン様を好きになる前に解消した方が良いのかも。
少し遅い気もするけど、この世界で生きていくなら受け入れないとだよね。
いろんな人とそういうことをするのは慣れないけど、この世界では普通の事。
我が儘を言っちゃいけない…。
もしかしてシャルマンも相手が嫌だったんじゃなくて、この仕組みが嫌だったんじゃないかな?
僕ってシャルマンになっちゃったから、どうにかシャルマンを擁護したいのかも。
解消をするかどうか分からないけど、どうせ寝る前にはお風呂に入るんだし早くたって問題ない。

…ライアン様は本当に来るのかな?

あの人に誘われたらそっちに行っちゃうんじゃないかな?
僕といるよりきっと楽しいよね。
シャルマンとのペアだった人は彼が相手してくれて喜んだって言ってた。
僕よりも彼の方が癒しになるだろうし、その…テクニック?的なものもあるんだと思う…。
僕は来るかどうかも分からないライアン様を待つしか出来ない。
ライアン様の部屋とか知らないから…。
そもそもライアン様の事、伯爵家の騎士様としか知らないんだよね。
名前だって、たまたまあの人達が話していて知る事が出来て…多分ライアン様だと思ってる…。

間違って…ないよね?

夢の中で見たシャルマンの記憶にはほとんど彼の情報はなかった。
ライアン様の友人も好きな食べ物も得意な魔法も何にも知らない。
敢えて知ろうとしなかったようにシャルマンはペアの人達を拒絶していた。
すぐに解消するから距離をとっていたのかもしれない。
そんなシャルマンになった僕がライアン様を「好き」なんて言っちゃダメだよね…きっと困らせるだけだ。
公爵令息のワガママシャルマンに「好き」なんて言われたら迷惑でしかないよね?
僕がライアン様を好きな理由ってなんだろう…。
僕にとっては初めての人で、心配してくれた人…。
これだけでライアン様を好きになるなんて僕って単純だって思うよね。

あぁ、僕ってこの世界に来てライアン様としか話してないかも…。

誰かと話したことあったっけ?
…なぃ…のか?…そっか…ないんだ。
僕…ライアン様以外、誰とも話してないんだ…。
僕の感情って刷り込みかな?
初めてした人を好きになる…普通は好きになってからするんだけど、この世界ではあり得そうだな悩みだな…初めての人を好きになるって事。

シャルマンの初めての人って誰だったのかな?

記憶を探っても都合良くは思い出せなかった。
もしかしたらシャルマンにとっては思い出したくない過去なのかも知れない。
人の記憶はあんまり見るものじゃないよね…特にそういうものは…。
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