【完結】ハーレムルートには重要な手掛かりが隠されています

天冨七緒

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一章 純愛…ルート

今さら名前なんて聞けない

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少しだけこちらの生活に慣れ始めた。
最近ではあの人とすれ違ったりしないかな?と期待してしまうくらいに。
いくら教室が違うとはいえ、あの人に会うことが全く無かった。
あの人とはこっちの世界に来て…初めての人。
クラスは魔力量で決められているため、魔力が多い者からABCDEFと決められている。
他の世界なら魔力が無いと劣等生と言われがちだが、この世界では出産が出来やすい身体とも言えるのでEFの人達は惨めな思いをすることはない。
寧ろ出産という強みがあるので、今現在婚約者などが居なくても愛人として重宝されている。
彼らよりもCDのが立場は危ういのかもしれない。
魔力も出産も程よく可能性があるが、結婚後捨てられる可能性も程よくある。
結婚相手とは精神的な繋がりがないと惨めな人生を送ると言われている。
シャルマン フィンコックはFクラスで、彼は自信を持ってFクラスと言う。
前世が日本人の僕は魔法の国だったら魔法を使いたいと思ってしまう。
だけど一番の願いが男性との恋愛である僕は魔法の方は諦めることにした。
それでもこっそりあの場所で練習はしてるけど。
僕の理想の国、男同士で恋愛しても許される世界に来たからには僕もちゃんと人を好きになってそれで僕を好きになってくれる人と出会いたい。
ちなみにだけど、今のエッチのペアの彼はAクラスみたい。
シャルマンのワガママで先生達もペアになる相手は高位貴族からランダムで決めているようだった。
一年生の頃は同じクラスの人が相手の時もあったみたいだけど、険悪なのがクラス中に伝わってしまうため離れたクラスの人が相手になるようになったみたい。
何処までも先生を困らせていたらしい。
同級生なのに彼とこうも会わないとなると、やはり僕は避けられている気がしてならない。
エッチも一週間に一度もしくは十日に一度で予定が組まれているが、それは最低限であり各自ペアにお任せらしい。
相性の良いペアは毎日のようにお互いの部屋を往き来し、その後もペアを解消したくない者は次のペア決めの際に提出する書類にその事を記載する。
長く続いているペアは確かに存在するが、シャルマンは常にペアが変わり続けている。
というより、ペアを変えて欲しいと何度も先生に抗議しに行っている姿が…恐ろしくて数えたくもない程記憶にあった。
今回のペアの彼は辺境伯爵家であり、騎士らしい。
爵位だけはシャルマンも知っていて、Aクラスで顔がとても格好良かったからエッチを拒まなかったみたい。
だけどシャルマンはエッチはしても相手への態度を変えることはなかった。
下手な人には下手と言うし二回目を断ることも多々あった。
そして一貫していることは、誰ともキスは許さなかったみたい。
そこは好きな人と決めていたらしい。
シャルマンはロマンチックなところが有るみたい。
だがその噂はペアが変わる度に広まり、今では全校生徒が知っている。
その為、今回のペアの彼ともキスはしていない。
義務的にエッチをして終わればすぐ帰る。
彼が冷たい訳じゃない、シャルマンは常にペアの相手に「終わったならすぐに出ていって」と追い出していた。
彼にはシャルマンが言う前に僕になってしまったが、彼はその事を知っていたのだと思う…起きたら居なかったから。
なので、目覚めて現実だと知るととても寂しい思いをした。
僕は彼を気になっているが彼はシャルマンの事を今回だけのペアとしか思っていない。
すぐにでも解消を願っているのかも…。
シャルマンは彼の名前すら知らないみたい。
名前を今さら聞いたら気分悪くするかな?
僕だけが彼を知りたがっている。
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