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生まれた 「私」
鳶色
しおりを挟む目が 覚めると
慣れた ぬくもり
少しの 重さ と 心地の良い 匂い
あたたかい
気持ちが いい もう 少し
寝ていようか
ここは ?
パッと 目を 開けると
わたしの 傍らには あの 鳶色
「な ぜ ? 」
そう 問いかけるわたしに
鳶色は 言った
「「 ごめん。 もうしない から。」」
そうか。 それなら。
ん? いや 待て?
「しない」?それは あの あれ
あの やま を
しない と いうこと?
じっと 見ていた
どうやら そわ そわ わたしの 返事を
待っているようだ
ふぅん? こころ を 入れ替えたのか?
「 しない のか?」
「「ああ。駄目、なのだろう? 」」
「 では 何をしに きた? 」
「「 君に 会いたくて。」」
ふぅん?
そんな もの なのか?
しかし この 温もりは 心地良く
わたしの いい寝床にはなるだろう。
そうして 再び
男 の いる生活 が 始まったのだ
……………………………………………………
「あれは どう したのだ?」
「きみ むかえ いったでしょう ?」
「行っとらん。」
「ああ ひるま の ほうだよ たしか」
ふぅん?
「私」の 方が? 男を迎えに?
ふぅん?
どういう こと なのだろうか
いや
しかし。
それは まあ いい
わたしには 再び
あの やま を 上る術が
手に入った
そう あの 気持ちの いい
あれ だ。
さぁて。
どう するか な。
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