風の時代/月の神話 [R 18]

美黎

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生まれた 「私」

「私」のはなし

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「駄目。」

は?     

    何が?


「私  あの ひと  好きなの。」


「はぁ?あれも 有害 かも  知れんぞ?」

「まだ わからない。そんな事、しちゃ駄目。」

「何故?結局アイツらは破壊し奪い、踏みつけるのだぞ?何故そんな事を望む?」

「      わからない。でも。多分、怖い、だけなの。彼ら、は。」

「なに が?」

「      求められない こと。 多分。」

「ふん?」


    求められない  こと?



「とにかく 待って。  まだ。」


ふぅん?

まあ  わたし には

昼間の事は  よく わからない

もしかしたら 「私」は 男を 選んだのかもしれないし

有益な部分 が  あるのやも  しれん



まあ すぐ   どうこう

するつもりもない。

気持ちいい のは  事実だからな。



そうして暫く   様子を見る事に したのだ。





…………………………………………………





扉を開けて  服を脱ぎ捨てた


男は 寝ているようだ


 そのまま乱暴に

胸の 上に座る


 そう  「あの 光景」 を 

           見た  所為で。


少し  残虐な気分に なっていたのかも知れない



しかし 既に  「この身体」に 馴染んだ わたし


座ると   すぐに  じわり と

     滲む   くすり


腰を 上げると

男の 服が  濡れたのが判り

再び  染みる  くすりの 跡


   そのまま  跡 を  延ばしながら

近づく  顔

   触れる か   触れない か


 ギリギリのところまで  鼻に 近づける


そう  くすりの  匂い を。

嗅がせてやる のだ。



 「フフ 」


 ほうら   おまえ の  大好物だ


   起きて?  また 啜って

  いつものように    獣の ように

あの  必死な  顔 を。

見せてごらんよ   ほうら。



そのまま  ギリギリ の  所で

 止まった あそこから  薬液が垂れる


  
    ポ    タ ン


おや   失敗

きちんと   鼻 と  口の  あいだ

狙ったのだが。


 しかし 軽く糸を引く その  透明な

    くすり   は。


鼻の上から  繋がり  たらり  たらりと

  
  唇へと   続く


  
  そうして  ペロリと  舌が 出た


その 舌 を。

見た だけ 

それだけで。


  ジワリと ヴァギナが 溢れた事が知れる


   「 クッ 」


   こいつ  も。


 おなじ   なのか


   快楽を 貪るだけの   ものなのか。




しかし  もし

               そうだとしても。




わたし には

関係が無かった。


だってわたしは。

「気持ちが良ければ」それで    良かったんだ。





その

時は。




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