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生まれた 「私」
「私」のはなし
しおりを挟む「駄目。」
は?
何が?
「私 あの ひと 好きなの。」
「はぁ?あれも 有害 かも 知れんぞ?」
「まだ わからない。そんな事、しちゃ駄目。」
「何故?結局アイツらは破壊し奪い、踏みつけるのだぞ?何故そんな事を望む?」
「 わからない。でも。多分、怖い、だけなの。彼ら、は。」
「なに が?」
「 求められない こと。 多分。」
「ふん?」
求められない こと?
「とにかく 待って。 まだ。」
ふぅん?
まあ わたし には
昼間の事は よく わからない
もしかしたら 「私」は 男を 選んだのかもしれないし
有益な部分 が あるのやも しれん
まあ すぐ どうこう
するつもりもない。
気持ちいい のは 事実だからな。
そうして暫く 様子を見る事に したのだ。
…………………………………………………
扉を開けて 服を脱ぎ捨てた
男は 寝ているようだ
そのまま乱暴に
胸の 上に座る
そう 「あの 光景」 を
見た 所為で。
少し 残虐な気分に なっていたのかも知れない
しかし 既に 「この身体」に 馴染んだ わたし
座ると すぐに じわり と
滲む くすり
腰を 上げると
男の 服が 濡れたのが判り
再び 染みる くすりの 跡
そのまま 跡 を 延ばしながら
近づく 顔
触れる か 触れない か
ギリギリのところまで 鼻に 近づける
そう くすりの 匂い を。
嗅がせてやる のだ。
「フフ 」
ほうら おまえ の 大好物だ
起きて? また 啜って
いつものように 獣の ように
あの 必死な 顔 を。
見せてごらんよ ほうら。
そのまま ギリギリ の 所で
止まった あそこから 薬液が垂れる
ポ タ ン
おや 失敗
きちんと 鼻 と 口の あいだ
狙ったのだが。
しかし 軽く糸を引く その 透明な
くすり は。
鼻の上から 繋がり たらり たらりと
唇へと 続く
そうして ペロリと 舌が 出た
その 舌 を。
見た だけ
それだけで。
ジワリと ヴァギナが 溢れた事が知れる
「 クッ 」
こいつ も。
おなじ なのか
快楽を 貪るだけの ものなのか。
しかし もし
そうだとしても。
わたし には
関係が無かった。
だってわたしは。
「気持ちが良ければ」それで 良かったんだ。
その
時は。
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