風の時代/月の神話 [R 18]

美黎

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生まれた 「私」

あの子がいうには

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あの子がいうには

あの  鼻と くち というもの

どちらも ふさぐと  おわり

  
  死ぬ  と いうらしい

  その 終わりのこと



ふぅん?

きを つけよう

今日 は  どうしよ うか


                  ふふ




「なぁ 」

「なに」

「夜 でないと 駄目 なのか 」

「さあ」

「そうか 」


それなら いこう

なにか

おちつかない  さわさわ ざわざわ

むねが  目が あの部屋に





いざ。




………………………………………





むねを おさえる

てを  当てる


なんだ  このおと

なんだ  少し あつい

 
         服をひき みる

         なにもない 

         いや ふたつの やま は


           あるが  なんだろう



まあ いい

すわろう

そう すわろう

ためそう

楽しもう



      あの子が 言うには

      もうすぐ 目が  ひらく だろう

      そう いった



この  目が  あいたなら

どんな  

どんな


あら  じわりとした

なぜ?

よく わからない  ひと からだ



よし すわろう のぼろう

そして跨がる 顔の上

  あら  少し目の上の 毛が

  うごいたよ?


なぜ? 目は  ひらかないのか?


  とにかく  腰をおろしてみる

  そっと

  動いた と  いうことは

  あそこ も       きっと


                  ふふ



 布をもち上げ  ゆっくり 下ろす

 また うごいた

 これは  知っている

 知って いるのだ わたしが  ここに

 上に いるということ



 瞬間じわり滲む くすり

 まだ腰は下ろしていない 下ろしていないのに

 この「おとこ」が 「知っている」と

 「きがついただけ」で



?  なぜ ?


 垂れる くすり  動く唇

 ひらく口、動く舌

 さがしている  さがしている


わたしの  これ


 なにか少し くるしい いきが
しかし 下さなくては  腰を 腰を

       ここに


まちかまえている  その  口の上に

そっと

下りる 


    「 ぁ  ぁ」


だめ  きゅうに  きゅう には


「だ  め 」


ことばとは うらはら

腰は 上がらぬ

もっと その 舌の  うごき を

もっと  いや  こっち

もっと

  この あたり   


           「あ!」


ここだ   ここ

   そう     いい


き も    ち  が       いい



   あ         「 ぅ 」



なぜか  ゆれる 腰

じっとしては いられない

「あ」

ゆれる こし  おどる  舌


  そう そこ なんだ  そこ まずい

そこ          は





 「は   ぁ     あ      ぁっ 」



 
 ぐっと

 おしつける

ぐっと

 なにか
       舌が    なに


   はいる    なに?


 「 あ!   あ ぁ!」



やま   頂上まで のぼったのに


   また     もう


    だめ  のぼった   また


もう


      びりびり する からだ


 だめ もう   ふれないで


  むり




 ちからがぬけ  かぶさる  おとこに


 においがする  ちがう におい



    ちょっと くさい けど

    なんだか  やすらいだ



ふしぎな くささ


はぁ   つかれた


これが  「つかれる」か


むり もう






しかし

知るのだ

この後また

そわそわ

する わたしを な。


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