上 下
152 / 166

帰るべき 場所

しおりを挟む

俺は     わかっていた。


この 問題 が

すぐに解決する  ものでは ない  こと


俺が

この  心地よい 空間で

いくら  ぐるぐるしようとも

今は  解決しないで あろう こと


だって   多分。


「俺が 世界を変えることは できない」

 それなら ば

「俺は  今 できることを やるしかない」


即ち  そういうこと  である。

  



ぶっちゃけ

どうしていいか

分からない から

  君の顔が  見たかったの かも  しれない




       「僕」が


    傷  つけた    君




俺 と  「僕」は    違ったけれど


    「同じ」でも  あって


それは   幸 で  あり  不幸


どちらなのかは   分からない




 ただ   「僕」は  俺でもあるから

            わかるんだけど

  「僕」は  「僕」なりに

       君を   愛して いて

   ただ   それ は


     少し  間違った 愛だったんだ



 そうして 「僕」は

 巡り  廻って    俺になり


    君に  拾われたんだけど


    それが  君に とって

   
   良かった のか  良く  なかったのか


「僕」  を

思い出して


  辛くは ならないのか   とか

  俺ではなく  「僕」を求めているのか とか


まあ

色々

思わなくも ない


              少し 複雑  ヨネ





でもさ。

俺  前に  森で見た

「僕」に   嫉妬してたり

なにやら

カラス  とか  に  餅焼いたりとか

してた けど



  ココロ  入れ替える わ。


うん。





だって。

解っちゃったんだ


    君が  俺を

     ずっと  待ってた こと

 
  未だ    君を幸せにできる

     「僕」に  なったのかは


     わからないけれど




でも

なに  よりも

俺が

やらなきゃならない こと

やるべき  こと

やりたい こと


それ は   君の 側に   いること で。


わからないなら

わからないなりに

考え  君と話し  少しずつ

わかり合う  こと


     それ   ただ ひとつ で。







だから  俺は。


とりあえず 立ち上がり

再び  一礼して

その場を  後に する。






   うん?

 これ   どーやって

帰んの??



 そうして俺は

      ぼんやりとした 空 を

     見上げ   言う



 
   「ごめんな、窓。俺、帰るよ。」


 「いい、か?」


   「でも。俺にできることは


  やっぱり  毎日 一緒に笑って


     一緒に「僕」を待って  


     一緒にあの種を待って


   あの子の  澱を  取り除き


     ずっと  一緒に。」



  「できるだけ、一緒にいることなんだ。」




 なあ

 窓よ。


そう だろう?




   「「「  ふん  」」」




その 微妙な声と共に

再び

   空間  は


    ね

             じ


       れ




  

                  俺は



 な  
     に



             も


    


   見えなく
                 なった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

フリー台本と短編小説置き場

きなこ
ライト文芸
自作のフリー台本を思いつきで綴って行こうと思います。 短編小説としても楽しんで頂けたらと思います。 ご使用の際は、作品のどこかに"リンク"か、"作者きなこ"と入れていただけると幸いです。

「2人の青、金銀の護り」 それはあなたの行先を照らす ただ一つの光 

美黎
ライト文芸
先祖が作った家の人形神が改築によりうっかり放置されたままで、気付いた時には家は没落寸前。 ピンチを救うべく普通の中学2年生、依る(ヨル)が不思議な扉の中へ人形神の相方、姫様を探しに旅立つ。 自分の家を救う為に旅立った筈なのに、古の予言に巻き込まれ翻弄されていく依る。旅の相方、家猫の朝(アサ)と不思議な喋る石の付いた腕輪と共に扉を巡り旅をするうちに沢山の人と出会っていく。 知ったからには許せない、しかし価値観が違う世界で、正解などあるのだろうか。 特別な能力なんて、持ってない。持っているのは「強い想い」と「想像力」のみ。 悩みながらも「本当のこと」を探し前に進む、ヨルの恋と冒険、目醒めの成長物語。 この物語を見つけ、読んでくれる全ての人に、愛と感謝を。 ありがとう 今日も矛盾の中で生きる 全ての人々に。 光を。 石達と、自然界に 最大限の感謝を。

路地裏のアン

ねこしゃけ日和
ライト文芸
真広は双子の妹である真理恵と若い頃から母親の介護をしていた。 ある日、その母親の葬式で出会った子供を預かってほしいと電話がある。 半ば押しつけられた形で子供を迎えに行くと、その子にはねこの耳が生えていて……。

藤堂正道と伊藤ほのかのおしゃべり

Keitetsu003
ライト文芸
 このお話は「風紀委員 藤堂正道 -最愛の選択-」の番外編です。  藤堂正道と伊藤ほのか、その他風紀委員のちょっと役に立つかもしれないトレビア、雑談が展開されます。(ときには恋愛もあり)  *小説内に書かれている内容は作者の個人的意見です。諸説あるもの、勘違いしているものがあっても、ご容赦ください。

ファンレター~希望、繋ぐ馬へ~

緋野 真人
ライト文芸
【第10回ネット小説大賞一次選考通過作品】 かつて、縁があったサラブレットにファンレターを送る程、その馬を応援していた優斗は、その馬の初重賞制覇が掛かる一戦をテレビ観戦中、ある病魔に襲われて生死を彷徨う事となる。 一命を取り留めた優斗は、その病気の後遺症で身体に障害を負ってしまい、彼がそんな身体で生きていく事に絶望していた頃、その馬……クロダテンユウも次のレース中、現役続行が危ぶまれる大怪我を負ってしまう。 退院後、半ば自堕落な生活を貪っていた優斗は、リハビリを担当していた言語療法士で、幼馴染でもある奈津美に誘われてクロダテンユウの故郷でもある牧場を訪問、そこで謀らずも、怪我からの復帰のために奮闘する彼と再会する。 そこで、クロダテンユウとその関係者たちの、再起に向けて諦めない姿を知った事で、優斗の苛まれた心は次第に変わって行き、クロダテンユウとその関係者たちもまた、優斗の様なファンの思いに応えようと、有馬記念での本格復帰を目指すのだった。 ※…優斗の半生は、病気も含めて筆者の人生を投影した、私小説の意味合いもあります。 尚、『小説家になろう』さんにて、当初書き上げたのが2016年(※現在は削除)のため、競馬描写に登場する設定やレース名などが、現在と異なる点はご容赦ください。 ※2022年10月1日より、カクヨムさんでも重複掲載を始めました。

家賃一万円、庭付き、駐車場付き、付喪神付き?!

雪那 由多
ライト文芸
 恋人に振られて独立を決心!  尊敬する先輩から紹介された家は庭付き駐車場付きで家賃一万円!  庭は畑仕事もできるくらいに広くみかんや柿、林檎のなる果実園もある。  さらに言えばリフォームしたての古民家は新築同然のピッカピカ!  そんな至れり尽くせりの家の家賃が一万円なわけがない!  古めかしい残置物からの熱い視線、夜な夜なさざめく話し声。  見えてしまう特異体質の瞳で見たこの家の住人達に納得のこのお値段!  見知らぬ土地で友人も居ない新天地の家に置いて行かれた道具から生まれた付喪神達との共同生活が今スタート! **************************************************************** 第6回ほっこり・じんわり大賞で読者賞を頂きました! 沢山の方に読んでいただき、そして投票を頂きまして本当にありがとうございました! ****************************************************************

仮想空間に巻き込まれた男装少女は、軍人達と、愛猫との最期の旅をする

百門一新
ファンタジー
育て親を亡くし『猫のクロエ』を連れて旅に出た男装少女エル。しかしその矢先、少女アリスを攫った男の、暴走と崩壊の続く人工夢世界『仮想空間エリス』の再稼働に巻き込まれてしまう。 『仮想空間エリス』の破壊の任務を受けた3人の軍人と、エルはクロエと生きて帰るため行動を共にする。しかし、彼女は無関係ではなかったようで…… 現実世界で奮闘する米軍研究所、人工夢世界『仮想空間エリス』、夢世界のモノ達。それぞれの〝願い〟と、エルと軍人達もそれぞれの〝秘密〟を胸に、彼女達は終わりへ向けて動き出す。 ※「小説家になろう」「ノベマ!」「カクヨム」にも掲載しています。

ほどけそうな結び目なのにほどけないね

圍 杉菜ひ
ライト文芸
津賀子さんに迫り来るものとは…… 紹介文 津賀子は小学一年生の時以来と思われるソナタさんとトイレで偶然に再会した。この再会により津賀子は大変な目に……。

処理中です...