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17の扉 こたえしかない ところ
交点
しおりを挟む漠然とした「状況」「思い」を 抱えたまま
「無意識で扉を開け」
「いつものリビングに灯りを付け」
「お風呂の支度をして」。
ハッと 気付き、
「醒めた私」を真ん中に置き直してから
再びお風呂の支度をみんなに頼んで
「自分の中にある 新しい光」
それを チラリと観て みるけれど
やはり「それは得策ではない」。
だから 今夜は
"ゆっくりとお風呂に浸かる"
その「浸透のチカラ」を借りることに留めて。
のぼせない様に気を付けながら
ゆっくりとお風呂へ入り
スルリとベッドへ潜り込んだならば
闇を映す窓のガラスに映り込んだ「自分」の姿も 確認してみる。
ふむ
「見た目は 私で」
「なかみ が なにか」
それはきっと。
「これまでの人間ではないもので」
ずっと自分が言っていた「人間を辞める」、
「その本質」
だけど 成る程やっぱり。
「私」は わかっていなくて
「そうしたかったけれど」
「まだ」「成らない」
「満ちて」「なかった」
「だから まだだった」
しかしここで「それが成って」。
その「なかみ」が 顔を出したんだ。
「不思議な光」
「宇宙人的な なにか」
「なにしろ ひとではないもの」
「 ふぅむ 。」
だけど私にとって。
「宇宙人」という言葉は 現実的じゃなくて
「それは「せかい成分の一部」で あり」
「ここではない「どこかの粒子」」
それだけのことだ。
小さな頃
本で見た「銀色の小さいもの」とかじゃなくて。
なにか 「別の質の光」
そう
「せかいには 様々な「質の違う光のコミュニティ」があり」
「私達もそのうちの ひとつ」
だから。
「まるっとなかみが 入れ替わる」けれど
それは「別のコミュニティの光になる」とかじゃなくて
「私が今いるここの 光バージョン」
それが 在る筈なんだ。
だけど「物質」「器」「体」に焦点が合っていると
それは見えないから。
「ない」と 思っていただけで
「ほんとう」は「そもそも初めっから私達はここというコミュニティの中にあり」
「それは変わることのない 事実」
ふむ?
そう ね
多分「からだ」という器を捨てれば。
まあ 自由に
「せかい」の中を 泳げるんだ ろう けど。
コロリと ベッドで転がってみて。
「視界」を変え
「窓の外は「闇一色」になり」
「私の頭の中は あまり機能していなくて」
「つらつらとスペースでは光達が 踊っている」。
"大いなる 流れのゆらぎ"
"私達 「命あるもの」の サイクルのスパン"
その「大小」で「絡み合う」螺旋が
私のなかへ 出現してから。
『新しい 光』
それが内側の扉を溶かし
私は「小さなスパン」から
「大きなスパン」へ乗り換えて
「これからは そのサイクルで世界を廻し」
「自分のやるべきことをやり」
「楽しく生きる」
その意味が 沁みてくる。
だから 先ずは
全開で 「そのいろ」を受け入れて。
スペースを自由に舞わせ、自分は「考える」ことなく
静かに 眠りについたんだ。
「おはよう。」
「 どう?よく、眠れた?」
「うん、気にすれば「なんか違うかも?」って感じはしたけど。多分、それも「気にしてるからなのかな」って思って。また、一人で来てみる事にしたの。」
「 それはいいね。」
そうして
次の日 朝。
なんだか 「不思議な気持ちで」
「水色のドアを開けて」、
いつもの通りに エローラに迎えられて。
「いつも通りのリュディア」を 観て
「それもまた 納得して」、
「その適用が どちらなのか」それも気になったけれど
それは どちらでもいいことであって。
そう
「私が変化したから」リュディアに何も無かったのか
もし 「私が変化していなければ」
リュディアは移動に対して不具合を起こしていたのか。
でも それは
今となっては「たられば的な話」で
焦点を当てるべきは そこではなくて。
やはり
「私達は 変化途中だということ」
そうしてそれは「どこも同じで」
「私が上がれば」「みんなも上がる」
「みんながまだならば」「私がまだ」
それを表しており
私はそれも どれもを踏まえて。
また「新しい境界」を 超えねば成らない。
そう それは
「ねばならない」ではなく
「やらなきゃ 成らない」それで
私がそうしたいからそちらの方向へ向かう
ただそれだけのことだが
大切な「視点調整の機会」でも あるんだ。
だから その帰り道に。
「やはりか」、というタイミングで
「その話」を聞かせてくれた リュディアに感謝しながら。
スムーズになった運石の試運転を終えて
帰ることが できたんだ。
「ねぇ、知ってる?」
「 フフッ、なにが?」
「今ね、ほら、「祈りの対象」が「長」じゃなくなったじゃない?で、その代わりにあの「人形神」が来て。」
「 うん。」
「でも、お店でも話したけど「あの腕輪」。あれって、元々人形神の物だったでしょう?「その為に作られた宝具」、って言うのかしら?」
「 」
「それでやっぱりみんな、気焔に対して自然と「なに」とは聞かなくても、受け入れてるんだろうけど。まあ、あのシャットの時と同じよね。…いつの間にか、馴染んでるの。」
「 うん。」
「でもさ。…………でもなんだけど。」
「 うん?」
「私も、ヨルの区画に入るから、解るんだけど。………あのね、みんな。自然と、やっぱりヨルに、祈ってるのよ。」
「 」
「いやね、その「何に祈ってるんですか」、なんて訊いた事は無いわよ?でも、解るもの。勿論、区画内の人達は「そこを保ってくれてるなにか」を知って、祈ってるし、それ以外の所も。…あの、各家の区画にある白い礼拝室。あそこが、祈りの場になってるって。みんな、言ってる。」
「 そう か。 有り難いな。」
「………うん。特に、ヨルの区画は。「祈りの時間」がある訳じゃないし、場所だって設けられてる訳じゃない。でも、みんなの意識が常に………いや、事ある毎に、ヨルの方へ向くのは分かるの。なんかね、面白い。ありがとうね、私もその一員に入れてくれて。」
「 うん。 こちらこそ、ありがとう。いつも。」
「ふふっ、これからもよろしくお願いします。」
「 こちらこそ。」
優しい薄茶色の瞳が
一瞬だけ 真剣ないろに 変化して。
その「いろ」で 言われたから
私はきちんと返事ができていたのだけど
「いつも通りの私」でいたならば、真剣なリュディアの様子に「いやいや、」なんて。
「遠慮」や「謙遜」を 出してしまっていただろう。
でも
そう、
もう、そうじゃないんだ。
だから「この瞬間」もまた胸に落として 虚空に投げて
新しい光を適用したまんま。
そのエネルギーで
光の境界を 超えたので ある。
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