透明の「扉」を開けて

美黎

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17の扉 こたえしかない ところ

「1であり 全」の実態

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「でも、本当にヨルやウイントフークの言う様に。今はいろんな状況の人がいて、「世界は結局、白にはならなかったけど」。思えば、いろんな事が変わってきたわよね。そもそも「他の場所」「扉がある」なんて、思ってもみなかったし。それが段々、崩れて、繋がってきて、見えるって言うか分かる?様に、なってきて。………でもまあ、転落した人からすれば、まっ白なのかもしれないけどね。」

「   うん。 でも それも「流れ」で。 どこに乗るのかは、自由で ずっと地獄な訳でもないし。 ここから、なんだよ。 本当に。」

「そうね。…てか、地獄、とか………フフッ、確かにそれは、奴らにとってはそうでしょうね。まあ、仕方ないけど。だからこそでも、解放された人達も、多い。始めはリュディアからだったもんね…ヨルが「やれば?」とか簡単に言い出してさ…なんか懐かしいわね。」
「 うん。 確かに。」

「それで結局、シェランと結婚して、憧れのウイントフーク様と船とか創ってるんでしょう?まじない道具やり放題?だし。人生って、やっぱり分かんないわよね………。」


  茶葉を変えて 
 再び二階へ上がってきたレナの空気は変化していて
 「お茶を変えるのに」
 「頭の中身も変わっている」、その変化が面白くて クスクスと笑う。
 
 自分だって、大きく変化しているのに。

 そうやってみんなの話をするレナが
  なんだか興味深くて
 「私もみんなから見ると こう見えるのか」
 そんなことをくるくると回しながら 添えられたおやつにも ちゃっかりと手を伸ばす。


「それに、なんでか。やっぱり、思うんだけど。区画に入る人って「そういう人」が多いのよね。なに、ヨルに引き寄せられて来るのかしら?篭ってるけど、ちゃんと情報がこっちまで回って来て、レシフェが上手く連れて来るのよ。家族がいる場合なんかはやっぱり、難しいと思うんだけどね。なんでか、大きな反対とか、揉め事とかは未だに無いわ。家族がどうしていいか、分かんない場合が多いみたいで。お互いに、どうしていいか分からないのよね。だから疲れて、枯渇しちゃうんでしょうけど。」

「   だよね。でも、ラピスだと 朝が猫達を牛耳ってるから。  ん?牛耳ってるって言うと怒られるか? まあいいか。 てか、これ美味しいね?   それで、教えてくれるんだって。 暫く出てない人の家とか。」

「へえ!凄いのね、流石。…こっちもオススメよ。この色は子供達が踏んじゃった野菜のやつだけど。」
「 ほう 」

 レナが言うのは 
 「色鮮やかなクッキーの話」と
やはり「区画には 似た物同士が多い」という話で
私の区画が管理者なくともやっていけている理由は 実際そこが、一番大きい。


 「気を使い過ぎ」
 「自分以外を助けてばかり」
 「我慢し過ぎ」
 「頑張り過ぎ」

 簡単に言えば「そのタイプ」が多く
だからこそ回復してくると「お互いを気遣える」のだ。

 
   「そうだよね」
  「ここまでの」
    「丁度いい手助け」

 そんなかたちで「お互いを見れる人」が多くて。

 逆にイストリアが「他に気を割き過ぎない様に」
「自分の癒しに集中する様に」と注意しているらしくて
殆ど、レシフェ達が介入する事なく 区画の中では調和が保たれているのだ。

 
 だから こそ
 「それ」を 観ているからこそ
  「私が漏らす くうエネルギーチカラ」は満ち満ちてきて
 絶えることなく
 余すことなく 
「育み」と「可能性のくう」で充満させられるので ある。


 そして それは「今この瞬間も ここに満ちていて」。

 ポカポカとした 暖かな陽気の なか
 「美味しく食べられるのを待つ クッキー達」
 「無駄にされない 食物」
 「レナの心遣い」と「これからの話」

 そしてそれを「全開で」のセットで「成る」
     "わたしのせかい"

 この「心地よさを味わうのが私の主要な仕事」だ。

そして 「それ」を ふむふむと 
 クッキーと共に嚥下しながら
こうしてレナの話をゆっくりと 聞くんだ。


 そう
   「いろんな私」を 展開しておくと
 「感じれる範囲」が拡がって。

 「表と裏」が「同時展開進行」の
 「余すことなく すべてを記録し」
  「必要な時に」
  「最適を取り出し 私に観せる」。

 それを「頭でやろうとしていた私」はこんがらがっていたけれど
今は「せかいとの繋がりが深くなって」、「必要を釣るのが上手くなってきたのだ」。

 確かに 
 朝の 言っていた様に。

 今
 「私は 無意識の海を自在に泳ぎ」
 「必要を誘き寄せ「獲って」いるんだろう」。
 

「まあ、でも。今回は「一人でやる」って、言い出さなくて安心したわ。…流石に全部を見て伝えて回るのは、ヨルでも大変でしょう?」

「  いや。イストリアさん達とも話したけど。「それ」自体は、そんな大変じゃないんだ、まだやっぱり 「出れる人」の方が圧倒的に少ないし。 だから「まだだけど 良くなってる人」は、移動、になるのかな。 ここデヴァイが一番「篭れる」から 人によってはここがいいし、それもまた 調整してみるつもりだから   決まったらまた相談するね。」

「それは頼むわ。確かに外に出るとまた、気分も全然違うし、場所を変えるのは手よね。移動を嫌がる人って多いけど、停滞するのよね、どうしても人間ひとって。………シャットに行く時からずっと思ってるけど、「そのままがいい人」の方が、多いもの。」

「 そうだねぇ。 」


  レナの その言葉を受けて。

「私のスペースが 働き始め」、

  さわさわ  そよそよ と
 私の「なか」で風が吹き
 「なんとなくの感覚」「感触」で 「内側にあったもの」が。

  「シュツ」と形になり集合して
  「それ」がまた 「まわり要素」を呼び寄せ
  「必要」「支点」「力点」「繋がり」
  「全体図」が成って。

    「今 かたちにしたいこと」
    「形にできること」
    「その 流れ」が 
  私の周りを 取り巻き始める。


  なる  ほ ど ?


その「感覚」

 「掴み過ぎると」
 「全体を捉えられないもの」
 「ほんとうに 私が表したい いろ」
 そこに気を付けて 
最新細心のフィルターで 映し出す「景色」は。

  "己が 己の場所管理者をやることで視える
    もっと広い せかい"

 「今回のきっかけ」を受け「私自身が気付いたこと」
 その「場を 変えること」
   「循環」
   「環境」と
 それにプラスされる「人」と「」で

その「適切な巡り」について みんな光達がくるくると 激しく廻り始める。


    成る程 ?

   
    そういう 「こと」 か 。

 
 この間 イストリアにも言われたけれど
「私が自分で勝手に成長していくこと」、それは「自然なチカラ」であり「能力」で
本来誰もが等しく持つものだけれど「現世界」では見失ってしまったものの、ひとつである。

 だけど「逆に言えば」
 「場所を 
 「環境まわりを 
 それは
 「それに釣られて 
   それも示していて

 「天 地 人」のうち
 「場所」と「環境」は 私が調整できる。

 そして「「その時」を掴む」のだけは
  ことで
それを「掴むか」「掴まぬか」
   「それと判るか」「解るか」は
 やはり どこまで行っても「本人次第」だ。


 の 今の「私の役割」は。

 とても「シンプル」
  「簡単」だけど
  「私だから できること」で
 
  「可能性というくうの中で
     光達を育むこと」

  「場の 持つチカラ」を借りながら利用して
   「すべての為に使」。


 そう 今回
 私が 「を撒く役目をやる」にあたって。

勿論「自分でやる部分」は 多いがしかし
 「適材適所」を一番大切にしているからして
「ポイントとなる場所へ出向き 相談して」
「その役目を任せること」は とても大切なんだ。

 実際 大体 「ここまで」は。

私は「ウロウロしているだけの役目」で
 「たまにみんなに混ざって 畑を耕したり」
 「しれっとお茶を飲んでいたり」
 「夢に出てきたりして」
 主に 「裏側からの仕事」をしていることが 多かった。

だけど
 「観ていたから」、「誰に」「どこに」「何が」は よくわかって、
 「あと一押しきっかけ」が必要なだけの「」には
「流れに沿って」「導いてもらう」、その方式を自然と採用していたのだ。


「  成る程、「当たり前」だと思って「そうやってた」けど 。ぜんぶ視点から観ると、「そういうこと」って、 ことか。」

 確かにそれも
 「私の能力」で「感覚」で 
しかし
 「せかいの采配」でもあり「自然」でもあって。


 「そうなるできる流れを」
 「すべての私で創ってきたから そうできる」し
 「それがとても現実的で」「実行可能なのだ」。


「    なるほど 。」 

 実際
 「いきなり私が出て行って」、効果的な場合は 多くない。

 区画内で 癒されている光達は。

 「巡り」「チカラが廻り」
  「回復し」「目を開ける準備が整った」ならば
 あとは「一押しきっかけだけ」だ。

だから「その流れを崩すことなく」。

 「適役者」に「それをしてもらうこと」

そして「それが わかり」「実行できること」。


    ふぅむ。


 そうして
 その「スペースの展開図」を深く 眺めていると。

 そこへ紐付き 

  サワサワとスペースがふるえ始め

  更なる景色が 展開し始めたんだ 。


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