透明の「扉」を開けて

美黎

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17の扉 こたえしかない ところ

出現

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「  あの。 私は出ます。」

 その 「ひとこと」

それをはっきりと言い切った後の みんなの気配。

 それがまたなんだか面白くて
全体を観察しながら 個々の色をまた 読んでいく。


  う~ん

   まあ 「この状況」なら 覗いてもいいでしょ

  それで   ふむ

    成る程


  まあ   でも。


    


  「賛成」  

   その気配が多い   かな ?  ?



 ぐるり、観察するに。

はっきりと「それはまずい」と思っているのは「ラガシュだけ」で
 だがしかし彼の思う「まずい」は私をどう思っているかの視点が違うから、まあ横へ置いておこう。

 だけど
他の人の色は「概ね賛成」で
 「私の意見を尊重している色」と
 「私を利用する色」
 大体大きく分けるとこの二つだ。

しかし「利用」の中にも「この場面で使」の本部長色と
 「それを使うと」という世界の色があり
 それを識別しながらもも同時に眺めながら
「全体の気配をどう方向づけるのがいいか」、明晰君がくるくると仕事をしている。


   さて ?

 そろそろ 「誰か」が 口を開く かな ?


 そう「思っていると」、顔を見合わせている 本棚前の二人が。

 納得した様に頷き合って
こう質問してきたんだ。


「君が出る、いや言うのか?それで、上手く移動が成るものだろうか。」

 その「質問」に。

 なんでか メディナが口を開いて
 スラスラと答えている。

「この子がは、個人によって違う。区画を出るべき者は回復している者だろうから、正常な認識力が戻っていれば、それは自ずと察して「時が来た」と、思うだろうさ。そもそも「そう感じる者しかいない」、それが正解か?」

「まあ、稀に納得しない者もいるでしょうけどね。」
「それならそれで、だろうさ。そう言う役割の家だ、本来。」
「成る程。」

 なんだかメディナの言葉にラガシュが納得して、アリスの質問が終わってしまっている。

そして
当のアリススプリングスは 「八割ほどの納得」と「一抹の不安」
そして「少しの悔しさ」と共に 私をじっと 見つめている。


    ふぅむ。

さて
して
 はて、 あと?

 なにか 「問題」って あったっけ な ?


 実際「問題」なんて ありはしないが
「問題だと思われること」は あるかも知れない。

 それを 銀の二人の表情
 そして 本部長とイストリアの視線も加味しながら
みんなが弾き出している可能性の選択肢を 私も共に 眺めてゆく。


  「誰を どこに」
  「それは 最適か」
  「そこから 行動できそうか」
  「選択肢を提示するのか」
  「行き先まで 決めるのか」
  「どう 声掛けするか」
  「摩擦はどのくらい起きるか」
  「抵抗は 」
  「受け入れは  」
  「数のバランス」
  「主要点との連携」


 その「様々なみんなの中身展開」を眺めながら
私自身、「実際どうなのか」のシュミレーションを展開してゆく。


 そうなんだ 確かに
アリスの言う様なことは私も想定していたけれど、
 「私のなかみを展開すると」
 「どのルートでも 摩擦は起き得なくて」
 しかしそれは「摩擦が起きない」ではなく
 「私がそれを上手く受けて修正できる」、
 その「資質を持つこと」が 最大の要点である。

   そう、

 私は「それを どうにでもできる」し
  みんなはそれを受け「落ちる」かも「上がるかも」知れないけれど
 「最終目的地に変わりはなく」
  「どれもこれも」だ。


 言ってみれば
 「私は」「光達に 瞬間の選択を差し出す提示者せかい」で
 「すべてが力を持ち 自らの道を歩ける」と 知っているから提示できるのだ。

 万全の
 最強の「責任を持って」。

 「さあ 行ってこい」と ので ある。
 

 そして 
 そんなことを考えながらも「行き先の選定」
 「泉」や「元の場所へ戻る」
 「まあ 個々の持つ色次第だな」
そんなことを くるくると回して いると。


 「パン」と手を叩いた本部長に視線が集まり、
「決定」の空気が部屋の中を流れ
 本棚前の 「僅かなモヤモヤ」は 残ったまま。

 「集中点」は 私になり、みんなのいろんな色が
 この「中心の点で」。


だから 「そこにある いろんな色」も
 まるっと含んで。

「   はい。 それでは、最適な時を選んで。 始めますので、よろしくお願いします。」

 そう言って 

  静かに ゆっくりと 部屋を見渡すと。


 ニッコリと「私のいろ」を振り撒いて
  「ここの色」を 纏めて おいたのだ。




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