透明の「扉」を開けて

美黎

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17の扉 こたえしかない ところ

生成力 2

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    ホコホコとした湯気の 気配

    喉に心地良い温かな湿度と 温度

    奥の調理場は静かに「流れる音」だけが 続いていて
     「仕舞い」の空気が 清浄で心地良い。


それと 同じく
 心地良い雰囲気の 「みんなの声」を
  いつもの様にバックミュージック基盤と して。


  ゆる~り、「全開で感じている私」の感覚は
 「集中は しているけれど」
  「緊張は なく」

「五感プラス みんな光達」、その構成を全開にしているだけで
自分主軸のやっていることと言えば
 「みんなの仕事を邪魔しない様に くうであること」
 それ即ち「感じる色を ただ受け止めて」
     「すべてを自分の栄養にすること」
  それだけである。


そう、「そこで話されている内容」が なにどちらで あっても。

 「それ話題」は「表裏含むひとつを 」であり
 それをどう料理するかは私が決められるからだ。

そして もう少し言えば「私は今 それを料理する判断する必要はなくて」。

 ただ その材料を収集しておいて
 「適切な時に 出して使えばいい」のだ。

だから
久しぶりに聞くいろんな話、そしてそこから派生してゆく「これからの世界」に。
 少し ワクワクしながらも
お茶のお代わりが注がれたカップを両の手で包み
 そのまだ熱い温もりに ホコホコ する。

 

   なるほど   成る程ね。

    ふむ



「   だがな、そうは言っても。」
「そう。」

「……………結局感受性や自発性は教えて身につくものでもないだろう?ずっと制限の中にいたのだから、いきなり想像するのは難しい。なにしろ、「何もしない方が褒められる」のだから。」
「始めは抵抗するだろうがな。しかし、それも諦め始める。だが、その道の途中で諦める奴と諦めない奴の違いだと思うんだが。」
「その分岐は様々だろう。」
「まぁな。」

「…あの時、この子も言ってたもんねぇ。地階で暴れてた時。」
「ああ、確かに。それで「可能性の扉」だもんな。」
「………なにか、遠い昔の事に感じられるけれど。そんなに経ってないのだけどね。」

「なにしろこいつは「見せる役」にはうってつけなんだ。解りやすいしな。」
「顔に出るしね。」

「シュレジエンとも、よく話すけれど。私達、強いていた者が言っても、どうにもならない部分はあるからね。まだ蟠りがある子も、多い。完全に払拭するのは長い時間がかかるだろう。」
「それもまた、役割よ。」
「そうだな。俺は虫だから得している部分も多い。」
「…成る程、ハハッ、言い得ている。」


「しかし、あいつがあんなに表立って活躍するとは思わなかったけどな。」
「愛の力ね。」
「ハハッ、確かに。」
「コイツは外から来ていると、皆が知っているからな。多少の細工をしているとは言え、ここの若い男が牽引する方が話は早いからな。」
「中身依るだしね。」
「ああ、上手いなぁ、と思うよ。それでいてその場で一番効果的な言動が取れている。彼自身も人の世界で長いのだろう。」
「…そうよね、そう言えば。」

「長老達も、銀の家も。そういう意味で言えば私達と一緒で、強いていた方だ。こうして繋がって両側から纏めていける事が、なによりの財産かもしれないね。」
「今更身分とか、区画の価値でもないしな。」
「長老達がその事でこの前  」
「ああ、自由区へ文句言ってた奴だろう?」
「そうなんだ、それが   」
「なるほど   」
「  」


 最後の 一口を飲み終えて。

みんなの「気配」を受け取りながら
「この世界の気配」も受け取って
  自分の中で「感じていた風」と「その二つ」を重ね合わせながら「せかいの表しているもの」を 読み取ってゆく。


 私が 日々「生きて」、いる なかで。


 「感じている 風」
 「感じている いろ」
 「感じている 気配」
 「気になる色」
 「目立って観える コト モノ」
 様々な五感センサーとすべてで捉えている部分
 
 それが導き出す「こたえ」は今 精度を上げていて
 「そのストレートなこたえ」を「ストレートにやる」、
 洗練された方程式から導き出される解は
 「育成力」と「生成力」それだ。


 そもそも「起きていること すべて」
     「問題と思われていること ぜんぶ」は
 「根本から違っているから起こるべくして起きているもの」で
  「発生する問題に対応する」でなく
  「その大元を叩く」それでしか事態は改善しない。

だけど
 散々 「やってきた」「観てきた」様に
 私のやることは「最善を知り 待つことだけ」で
 「目が合わない限りは 私の出番その時ではないのだ」。


 だから そんな渦中でも
 「自分のできること」即ち「在り方」について。

 「考える」のではなく、御旗の先に付けて
 みんなにお任せして おいたんだ。
   
 










 

   無心で 

 「こうすれば草達が喜ぶかたち」へ向けて
  土を掘り
  ザフラ特性自然肥料を混ぜ
  鉢と畑のバランスを見て ハーブを採り
  水やりまで済ませ 道具を丁寧に片付ける。


「    よっ   こら   しょっと 。」

  
    アタタタ

蹲み込んでいた背を伸ばし、ゆっくりと深呼吸し
 森の空気に 自分を 戻して。


 「その 瞬間」を留めながらも積む 光

些細な行動ひとつひとつと呼吸を結びつけ
 「それを自分の光の換算式として適用する」生き方祈りは すっかりと板に付いてきている。


「   育成 。 それは確かに。  それで、生成力ね。 」

 つい 「追わない様にしながらも」、呟いてしまうけれど
私にとって「それ育成と生成」はとても自然なことだから
 「何故 そう在るのか」は意外と難しい質問なのだ。


「   ふむ。」


 だけど
  裏を返せば。

 私は 「私のいろであることしかできず」
    「ただそう存在している」に 過ぎない。


やはり 今の最高地点、光の女王の座で 観れば
 自分のやってきたことすべては「それ以外己でないものを落とすこと」で
 ただ真摯にずっと 違和感を外し続けただけなのだ。


「  継続力、 というか 多分。「育成」。その、「すっきりしない感」が 我慢できないこの性格というか なんというか うーん?」

 いや 「悩むことではない」。

だけど「それがこうしてチラつき始めた」のは
 そのこたえが近いからでもあり、且つ「もう直ぐ生まれる」「視えるから」でも ある。


「  なるほどねぇ 。」

 そして そこから派生する「生成」のチカラに。

 素直に感謝して、手に付いた土を
  優しく、洗い流していたので ある。





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