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15の扉 神の領域
いろ かたち
しおりを挟むつるりと 光り輝く美しい玉座
それは 「わたしのいろ」の「なにか」で
出来ている 豪奢な椅子なのだけど
ようく 観ると
「雲から生えている」、
「珊瑚」「花」「蔓植物」「星」
そんな不思議が集まったかたちをしていて
装飾を施されているのではなく
それで出来ている。
「 ふむ。」
そして 私は まだその椅子に座らずに。
辺りの 様子を眺め
雲海の 広さを感じ
区切られてはいるけれど 全く閉塞感のないこの厨子の中に 没頭していて。
ああ なるほど と。
その「つくり」の いろんな部分に納得していた。
1 2 3 4 5
6 7 8
やっぱり八角形
8ね 8
それで ふむ
成る程
白いから広く見えるんだ?
いや ああ、でも 成る程
「雲海とこの白が繋がって観える」から
印象が「ぜんぶ」なんだ
「鏡みたい」って こと
てか あー そうか なるほどねぇ
この椅子、回るんだ。
ここは 不思議な空間で。
「本殿」なのだけれど
所謂 「神社にある 本尊を保存する宮殿 内陣」なるものはなく
厨子形八角形の中央に 鎮座している玉座だけが 在り
その背後は「パッカリと開いていて」。
壁も 何もなく 「ただ広大な雲海が見えている」、
「その 状態」で ある。
そして その広さは そう広くはなく
しっとりと落ち着ける大きさで
「開いている壁」も八角のうちの一角だけであるが、全体が「わたしのいろ」に光り
それが 雲海の色に近いから。
なんだか せかいに馴染んで。
雲海に浮いている様な、気分になるのだ。
そう
そして その玉座は
今は、私の方 即ち正面、「本殿に続く廊下側」を 向いているけれど。
それは「回転する」
椅子の足の下にある「雲」は それを表していて
私は「それを見た訳でないが」。
「それが そういうものであるとわかる」のだ。
「 やっぱり。」
そして
試しに雲海の見える、開口の方へ移動すると。
私に合わせて、玉座が回り
こちら側が正面なのだ
それも わかる。
そうなんだ 「本来」。
「私達は こちらを向いて座っている」んだ。
「 でも。「開く時」は。 何食わぬ顔でくるっと回って。 素知らぬフリで、座ってると 。」
その様子をひとり、 想像してクスクスと笑う。
そして それは 「それが何であろうと」。
「そう 見えるもの」が「そこにある」だけで
「なかみ」は そのそれぞれの性質によって違う筈だ。
「私は このかたちで玉座に座るけれど」。
他の 「神」は
もしかしたら寝そべっているかも知れないし
楽器を奏で みんなと
踊っているかもだし
そもそも出掛けていたり
庭を眺めているかも知れない。
「 ふぅん。 やっぱり。 しかし、なるほど。 面白いな 。」
そうして 実際「見るもの」はそうない、この八角形に満足して。
とりあえずは 座ってみることにした。
そう
先ずは
「それになってみる」と 視えるものがあるからで ある。
て
いう か
てか さ?
ここ 「深海」じゃ なかった ?
うみ だけど そら
まあ それも「今更」 か 。
でも そうか 成る程。
「目が覚めて 日常を適用している」のは
紛れもなく私自身 なのだな 。
なんにもない 「雲の海」を 眺めながら。
きっと 何処かに「白」がいる
私は いつでも好きな時に跳べる
ナガもいるし
きっと 窮も呼べば来る
ここから
せかいへ 出て行って。
「好きな時に 好きなことを」
「好きな様に できる」
そう 思ってから。
ああ 朝目が覚めて 「今日は何処へ行こうかな」なんて。
「いつもと同じ選択肢」を出しているのは自分で
それは「同じでなくともよくて」
そして「なにかを変えたいならば」。
それは「私が 変えねば成らない」
それを ジワリと思い出す。
そうなんだ
いつだって「せかいは開かれていて」。
私は 自由
しかし
「先ず 自分が決めて」
「そう さねば」
「そうはならない」のだ。
そして世界にそれを反映するには。
「重く 大きな粒子」が必要で
それを貯めるためには ある程度の時間が必要でも ある。
「 ん~ でも。 もっと高い光を発現させたいから 」
そうなると 「高品質の光」が
「ある程度」集まれば「成る」よね ?
あれこれ くねくねと
光を練ってみるけれど
それは「実際現場で試してみねば」、「今 どう出るか」それはわからない。
そう それはきっと
「私が発する光の質」は勿論のこと
「その場の条件」や「空気」「風」
「その時」、などの「縛り」
「世界の枠」とのタイミングで決まることでも あるからだ。
だから とりあえず「それ」は ポイと投げて。
再び じっと 空のまま
「気付かぬ程度に ゆらぎ流れる雲の波」を 眺める。
そう 「ここで 出てくるもの」を 全部出して。
それを「またカケラとして使い」、自分のパン屑として撒いてゆく為だ。
それに まだ。
「わたし」は 言いたいことが ある
それがわかっていたから。
なにしろ 気の済むまで
ここへ 座っていることに したんだ。
「こうすれば いいのに」
「あっちに行けば いいのに」
「あれをやれば 簡単」
「なんで そっちを選ぶんだろう」
「いや それぞれが」「今の最善を」
「選択する 権利がある」
「そして そうでなければ 意味がない」
つらつらと 湧いてくる 色
浮いてくる 泡
それも共に眺めながら。
いつの 間にか 「眼下」を眺めていたことに気付き
ふと視線を上げ 穏やかな雲海を眺める。
そう それは「何度も自分が繰り返して来た景色」でもあるがしかし
きっと今 せかいの観せたいものは それではなくて。
「認識できねば」「わからなければ」
「やれないこと」
それを 示している。
私も ずっと なんだかんだと下を見ていたこと
しかしそれは「ほんとうの意味」が わかっていなかったからで
「今わからない」から 「やれない」こと
「真実にも いろんな段階があること」も 示して いる。
そう
だから
それは即ち
「できる様になったらやればいい」
それを表していて
私には今 「それができる」とも 言っているのだ。
そして その「新しく できる筈のこと」
「だがまだ 視えてこないもの」
それを 視る為に。
まだまだじっと
座していたので ある。
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