透明の「扉」を開けて

美黎

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15の扉 神の領域

齎される カケラ

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   「敬意」と「感謝」を 送って。


   「祈り」
    「浄め」
   「ただ そう 在り」
 
  「瞬間 こと」


    ふとした瞬間に「吸う 息」
  それひとつ とっても。

   「それが せかいであること」を
      「知っていること」。


それはこの頃「充満であること」が板についてきた自分の新習慣であり
 「私であること」の意味でも ある。
   

    "すべては  そこに在る"

  "見えないけれど 存在している"

 
    "せかいという 織物"

自身のそれを今 織っている私は。


 今 この瞬間に
 「私が二人の空気を受けながら変化していること」もわかっているし
「二人が私を労う為に呼んでくれたこと」
ここデヴァイのこれからに吹く風」
を受け取っている人達がいる事実」

その大小様々な「点と線」を 織り込みながら
 その全体像を一番高い視点から観ている自分に ふと基点を移す。


 それは 思えば
  昔から私の中にある「自然なお知らせ」で
「今じゃない?」「今やれば?」
   「今 眺めてみなよ」と いう
 「せかいアラーム」の様なものが 「その時」きちんと鳴って。

 「ふと 俯瞰する瞬間が訪れるもの」であり
振り返ればそれは いろんな人生のいろんな瞬間にしっかりと点在している。

 そして私は「その 保持している点」が多いのだ。
 きっと 自分が思っているよりも ずっと。


    ふぅむ 。


そんなことを 思いつつも
 「一等高い地点」から観える せかいからの提示

 それは

   私が 今 ここにいること

   その 意味

   せかいの 意図と

   二人の色

 その具体的な事実の提示による調


そして「今この状況」で 私が
  提示された色を どう使うのか
 その方向性を 示すものの筈だ。


だから ここで今一度
 「詳細を視る眼」と
 「全体感を捉える網」を 同時に展開して。

 なんにも考えずに、じっと
二人の瞳を交互に 観ていたんだ。 



「おまえさんの凄い所は「それを初めから持っていること」なんだ。………なんだろうね、「目的」?「意志」?「絶対こうだ」「これが本当だ」と、いう。説明はできないけど絶対的な自信が、あったろう?それは普通の事ではない。だがしかしこうしている様子を見ると、以前よりは自覚が出てきたのかね。」

「そうだねぇ、こんなものをポンとくれてしまって。それ金の蜜が、何を齎すのか、まあ今は知って、その上でやってくれているのだろうけど。ああ、そうだ。以前ならば問題に発展したろうが、今は大丈夫だろう。………そう、あんたはそれでいいんだ。好きな様におやり?」 

 私の変化を読み取っているであろう二人はやはり
  「これからの私」の 背中も押してくれていて。

  その 有り難さを頷きで受け取りながら
 テーブルの上でキラリと光る
   金の蜜が入った小瓶を 眺める。


「結局、役割の違いだからね。所謂上下、それはこれまで古いルールだったろうが、今はもう違う。上と下の、意味が違うんだ。それに、慣れる事だね。………だがしかしやはり金の家は、そう生まれつくものなのかねぇ  」


 その 話の間にも。


   くるくる
           くるくると


   「過去のカケラ」

     「今のカケラ」

        「未来のカケラ虚空のいろ」が
     空間を廻り

 二人の話を背景にしながらも じっと
その「静かに暖かみを湛えるカケラ」を 眺める。


   「過去」「現在」「未来」と いう
     これまでの認識

  だが 今
    同時に存在している「すべての点」


 そのどれもは 今「充足のいろ」で包まれていて。

 「瞬間瞬間の 私の祈り」
それが届いてあることがわかり、今またこの地点で
 「自分の位置」を確かめ
 「せかいを感じ」
 「積み上げる光の質を上げる」
その「習慣である押印」を重ね ゆっくりとした息を吐き出し パチパチと瞬きをする。

 
   おや?

 でも
そう
 ふと気付くと。

 二人が「距離」「位置」の話をしている間
メディナの その視線が
  私の指輪にじっと注がれているのがわかって。
 
    ああ この人は 見えているんだ

  やっぱり


  やっぱり?

    なんだろう 「関係者だから?」

 いや
    魂の練度 純度の違いか

  それとも「彼女自身の セフィラへの 思い」なのか。


そんなことを くるくると回していると 
 その視線は パッと 私の目を見て 
大きく頷き こう言ったんだ。
   

「…………確かに。、とは全く違うからね。」

「それさ。」

「世界を拒むのか、存在を拒むのか。それにより皆の行き先は別れるし、だがしかし私は進んでいること自体が、素晴らしく驚く事で、やはりそうなるか、と納得してもいるんだ。」
「………解るよ。」

 しみじみとそう語る二人の表情は 
  決して暗くは ないけれど

私は二人の話がいつの間にか飛躍しているのに 気が付いて。


  「理解できない」
  「認識できない」

         「わからない」
         「見えない」
         「わかりたくない」
         「見たくない」


 その 「複雑な思いが渦巻く記憶」が
 世界にまだ多いことも観てとって。

それに対して 細く 長い「祈りいろ」を送りながらも
 二人の周りにもふわりと「感謝のいろ」を流し 包み込んでおく。


「最初に風を吹かせるのが、この子で。ウイントフーク達が、それを受けて手段や方法、仕組みを作り、それを皆が経験して、成長していくんだろう。なに、それぞれの段階の違いさ。」

「最も大切なもの。…その、根源のエネルギーとでも、言えばいいか。見えないけれども、ほらあの。祭祀の光の様な。それを与える役目がこの子なんだ。」
「そうさね。しかしそれに甘んじてばかりじゃいられないが。」
「勿論。」


しみじみと頷くフリジアは 茶葉の交換をしに
 席を立ち
 メディナはじっと私を見つめた後、金の蜜の入った瓶をくるくると回し 眺め始めた。


 そうして
  そんな二人の動きを 全体で捉えながら。

   今し方 「聞いたそれ」が ポイント

 そう「光って教えてくれるみんな光達」に ひっそり了承を返す。


だがしかし
 「落ちるまで 間がある」
それも知っているから、静かにカップを両手で抱え
 頷きだけで その 中へ溶け込んで。

 大分 ぬるくなった残りを 

 ちびちびと
  喉へ 落としていたので ある。







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