透明の「扉」を開けて

美黎

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15の扉 神の領域

タイミング

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   頭の中を 唸る 様に。

 「風が」、吹いていて
 それは
 激しく私の中で「お知らせ」を告げているのだけど
  その「詳細」は まだ唸りが強過ぎて。

 はっきりと 観えては来ないけれど
 それに付随する「いろ」は 見慣れたものだから
 はっきりとわかる。



    なるほど  やはり。


     そう なの か。



確かに 「今」ならば。

 みんな光達が 「待て」「まだだ」

   「もう少し」「今じゃない」

  「お前の タイミングがある」

 そう言っていたのが ようく わかる。


 思えば
それは ずっとずっとこの旅路の途中に言われてきた
 「ヨルは手を出すな」
 「私達で やる」それにも通じていて

私はやはり
 「君が風を起こす」と 言ってくれていた彼女達のを。

  わかって いなかったのだ 深くは。


「    ふぅむ。」


 そう その「真実の意味」は やはり
 「自身が現象であること」そのもので
「そのみんなからの言葉齎されていたカケラ」は
 「ずっとせかいは 私に囁いていたという事実」なのだ。

そしてそれは「全く 存在の根底から違うもの」
 それを表していて。


「   てか。「人間ひと」、とか  なに? 確かに「現象」とも 思ったけど   ほんとうにそうだ、ったって  こと  ?」

 そう呟く私の中に
 不協和音は 一切 ない。


      ふむ 。

 
でも
  それって一体  どういう ことなんだろうか。


しかし 今 私の中へ浮かぶのは
 「漠然とした事実こたえの景色」だけで
 それは
今 私が「通り抜けようとしている地点」
そして 「自分自身でもある 狭間」
 その景色を表してある。

  
    "最後の 最後"

  "究極の 集束"

     "その 極限の出口"に あり

 「」、
  それそのもの「あいだ」でもある。


  「必ず 通り抜ける通路」
    「あちらとこちらの 境目」
   「最後に行き着き また 始まるところ」
    「霊的な 再生の場所」。


「  うん。 なんか 「それ真理」は。 わかるんだけど。  なんだ、まだ その奥が あるよね? 奥っていうか。「そのものズバリ」の、ぴったり しっくりくる、こたえが。」

 あの
 二人との お茶会から帰ってきて。

「自分の奥へ落ちるには 時間がかかる」
 そう思っていた私であるが
なんだかみんな光達が 騒がしいから。

  意外と 「こたえ」は 早く出そうで

くるくると 煌めき廻る「新たな視点角度
 それを じっくりと馴染ませながら。

   なにしろとりあえず
  再びの「立ち位置」を 調整していた。


やはり
なにか
それは
 「私のやる位置」
   「現象」「象徴」「雰囲気」「空気」

それに通ずる「なにか」を鳴らしていて
 それは「はい、これですよ」と せかいが今いるのだけど
 まだ私が捉えられていないものだ。

「     ふむ。」

 だから とりあえず「凪いだもの」を
  観に行こうと思って。

久しぶりの「深海」を 訪ねることに
  したのである。






  
   確か。

 ずっと 前に 「凪いだ海底」で
  のんびりしてたのも

  「あそこグレースクァッド」だった  よね 
     ?  ?  ?


 「どうだったっけな」

    「でもな」

   「そう あんな感じの」

 「ゆらゆら」   「ゆったりとした」

   「充満の中」

     「静けさ」  

   「水の中だけれど  暖かみ」

 そんな雰囲気に 触れたくなって。


 思う ままに つらつらと銀の区画へ歩き
 扉をスルリと通り
 まじない人形からの礼を受け
 しかし誰にも見咎められずにすんなりとアリスの家へ着いて。

そのまま「無」感覚で 廊下の調度品達に手を振りながら
 当たり前にあの部屋へと向かってゆく。


 そう 調度品達は「やあ」「久しぶりだね」
  「奥へどうぞ」 「おかえり」と
当たり前に私を労い 騒がず迎えてくれていて
 ある意味「無意識状態のまま」、ここまで歩いてきた私はそれを「普通に受け入れている」。

   ああ  
   でも
     

そう、これは。

 「私」が「当たり前自然」で在る時の
きっとここからあの暗い部屋へ普通に入り、何も障害なく海底への扉へ辿り着ける筈だ。


  だから この 状態を 崩さぬ様に。

再び自分をスッと 最奥へ戻して
 そのまま深いいろの 扉を押したのである。






  ゆらゆら
      ゆらゆら
          ゆらゆらと

  ゆらぎ

  その なかを「歩く」でも なく
        「泳ぐ」でも なく

 ただひたすら「流れ」ながら

  感じるままに手足を動かし
 そこにある美しい景色と生き物達を 観照しながら
 海底へと 降りてゆく。


ここはきっと。

 あの「沢山の私が並んでいた場」とは
違う領域であり
深海の中にも 沢山の階層があって。

 私が目指している あの「平和」「調和」
  「癒し」と「再生の場」

それは「墓地」とは全く違う次元に存在していて 
 しかしあの時よりも「高い澄んだ領域」にある場所へ
 自分が辿り着けるのも わかる。


  なるほど   たしかに

   私は ここまで かなり沢山の澱を

  下ろして  きて。


 「軽くなった 自分」を確かめながらも
その「降りているリズム」に合わせる様に。

  
  みんな光達が カケラを

   ポイポイと 舞わせて いて

 「この状態ならば 自然と組み上がる」様に

  最適解を撒いてくれているのが わかる。


そう 私が「自然」で「ありのまま」、
 「なんにも考えていなければいない程」、
「最高最善の解」が齎されるからして 
 「こたえの中の せかい成分」が多くなるからだ。

 
   「しがらみの私」を採用するか

   「運命の私」を採用するか


その「運命」の意味も 私にとっては
 「自分の決めてきた道」で
「最高の運命の道」を採用するには その「柵の部分」をゼロにしなければ ならない。

 
   だけど「世間世界」に あらば
 「古い繋がり」は大気に蔓延っていて
  どうしてもそれを 取り入れがちだから。

自分が「今 深海にいる意味」、それがまたここで観えて
 大きく息を 吐く。

 そう これは「水」だけど「空気」で。

それもまた
 私に「空気に水が含まれてある事実」「その充満の密度の違い」「その面白さ」を伝えてくれるものなのだ。


 それは
 「自分次第で どうにでもなる」 と 。

 「これは私の創った空間」で
 「今 こたえ最善を導き出せる場である」と
 せかいわたしが わたしに知らせる、
  「くるくると廻り 循環している繋がっている 伏線回収の場」でもあるのだ。


    ふぅむ 。


そうして 「自分で 自分一等高い光の落としたパン屑を回収しながら」流れていると
 「次の提示」が やってくる。


  その ぼんやりとした景色

   広く  大きな スクリーンに映し出される様な

  「お天道様」

       「雲」  「風」


 「大きな 山」

     「そこから流れる川」

  「麓へ」

     「町」

          「街」


    「人々」


  その
  「絵に描いたような 景色」

  降りている この道中で
   「私が 観せられている もの」。


それは
   なんなのだ ろうか 。

 
 しかしなにしろ
 「なんにも 考えないように」。

ふと「始まったくるくる」、それを追い出して
 再び奥へ 下へと 流れ始めたので ある。




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