透明の「扉」を開けて

美黎

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14の扉 星の領域

責任と 信頼

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そうして 私はずっと。

 
  翌る日も
 その次も
    またその次も

  その 次の次も 
 現実では「普段通りの生活」を しながら。

 内側では
 「真っ白な光の山の頂点にいること」
   それを 両立していて
 「ただ 在り」
 「くうを眺め」

  時々「自分が降りていること」に気付いて
  また昇り
  「真っ白な天空から 虚空を眺める」

それをずっと 繰り返していて。


 そうしたある日、なんだか楽し気な薄茶の瞳に柔らかく呼び止められ 
その「効果結果」を知ることと なった。


「………ヨル。いや、ありがとう。」

「    ??  ?」

 それは。

なんでか「私の知っている 感謝」で
 書斎へ手招きされ、落ち着いてその「内容事柄」を 聞いてから。

 それが「なんでだったのか」、わかったし
 そして
  「そうなるか」
   「そう だよね」
    「成る程? これが。

    か」そうも 思っていて。


「   てか。 なるほど、そういう こと。」

 そう言って 腕組みして唸り始めた私を見る、薄茶の瞳と 
その隣に自然と座った眼鏡の動きを観ながら。


   てか  ほんとうに 。

  「そういうこと」、なんだ と。


 ひとり 改めて「せかいに感心」していたので ある。







「…………あと、ここと、これだ。もう少し調べれば、細かな場所は幾つもあるだろうが、さて。しかし?…………お前はこうなる事が分かっていたという事か?」

「いや、この子は。直接は意識していないだろうよ。ただ、「結果的にそうなった」、それだけの事だよ。」
「それはそうだろうが………しかし、銀からも話が来ている。以前は後継の無い者の区画は、そのまま其々の長の家へ吸収されていたと思うが。ここまできちんと話が伝わる様になったのも、この「女神様」のお陰なのか。…しかし、それをいちいちこいつがどうこうするって言うのも…。」

「それは心配しなさんな。色々な事が変化してきて。微細な変化が、とうとう大きな波になってきただけさ。もう、無視できない程、大きな、波にね。それに、書面に残っていなくとも。何かしら話していた内容が伝わって、「そういうこと」として処理されているものも多い。「女神の、名の下に」。なにしろ、いい事だと思うけどね。………おや、何か良い意見があるのかい?」


 今 目の前で。

 この二人が 話しているのは
 「私に譲渡される区画の話」で それは。

 端的に 言えば
 「私が見送った 人々の遺言」であるし
 「意思」で「意図」でも ある。

そして実際
 なにがどうなって 「私に区画が譲渡されるのか」、その なかみだけれど。


  それ は
 私が日々 ふとした瞬間に
 「実行している捧げている祈り」と
 「祈りの巡礼」
  その 途中に起こる「見取りの瞬間」
 その「瞬きの光」との「私の繋がり」で
  所謂「光の関係性」の 話だ。


 そう それは勿論
言い表せないくらいの「いろんな場面」が あるけれど。

共通しているのは
 "その瞬間に起こっている 意思の疎通"で
 
 私は
「その光の生きた証軌跡へ 敬意と感謝を送ることにより」
  「光の約束をしていて」
  「それに対する相手からのこたえせかいの返事」が
  「区画を譲渡する」という
 そういうことで ある。


「  いや、意見って言うか、特にはなにも  ないんですけど。 なんか。 やっぱり、凄いなって思って。」

 そう言って「くるくるとなかみを廻す」、私を見て。

再び続きを話し始めた二人は、少し私の事を放っておいてくれるのだろう。

 その 間を有り難く受け取って。

 くるくると 「整理し」「見易く」
 「繋げ」「かたち創ってくれる」、みんなに
 感謝を送りながら 
  「話している二人のいろ」、それも紐付けて
 「せかいからのこたえ」を 解凍してゆく。



「………この子が「こうだから」、結果的にそうなったのだろう?結局、それが役目なのだよ。「やらせられた」、のではなく「自ら自然とそうなって」。結果、こうしてまたこの子の可能性も、ここデヴァイの可能性も拡がったんだ。…まあ、拡がったのはここだけではないだろうが。結局そうなる、運命だったんだよ。」

「…………結局。ハーシェルが、こいつをうちに連れて来た時から。歯車は回り始めていて、全部がこうなる予定だった、って事か。」

「いや?それは各々の、選んだ道の結果さ。あらゆる道にあらゆる無限の可能性があって、この子はただ、それを見付けるのが特段に上手い。「最高の中の最高を採れる」からして、今こうなっている、そういうことではないかね。」

「まぁな。…………始めっからこいつは単純な事しか言っていない。結局「そういうこと」なんだろう。」

「まあまあ、君は君の役割をやればいいのさ。心配なのは解るが。私達のできる事は、まだまだあるだろう?」

「そうだな。こいつはいつも方向性を示すだけだからな。」
「それを憂なき様に、後押しするのが我々の役目さ。その「約束」を、私達が違えるわけにはいかないからね。…さて?持って来てくれた、そのギフトを。最善で生かす方法を、考えねばならぬだろう。  」
「それは 」
「いや、こっちを   」


   なる ほど ?

  確かに。


私は その「二人の会話」を「耳だけ」で 聴きながら

 「自分の 祈り」
  「行為」
   「行動」
    「繋がり」
 「引いてきた 道」
  「光の 糸」
   「繋がった 光」
    「成された 約束」

   それを 振り返り 「一等高い位置」から観ていて。


 だからこそ 「また気付いた」けれど
  「それ結果」は 
 「私が その役割を通じて またその奥へ進むための道」で あり
 「せかいからのこたえ」であって
 「せかいからのギフト」で 。


 私が「私であること」に対する「責任」と「信頼」を以てして 
 その道を進む事によって「更に開ける可能性の話」なんだ。



   ふ ぅ   む。


 そして
   それは 正に「光の約束」で。


  「私 が 

 「から」

   「履行できる 繋がり約束」で

 「その瞬間」、
 「私達の 目が 合った時」に。

 自然と
"為される 会話繋がり"でも ある。



それは 勿論「口頭での会話」ではないけれど
「光と光」「魂と魂」で「繋がる」もので
 「言葉という 」で紡がれる「光の約束」で

  「死を 迎える時に必ず 通る道」
  そこにある「約束」でも あるんだ。


そう
 私が ずっと「惹かれて止まなかった」。

 「死と再生の場所」、 それ そのものの
  「こと」

 その「必ず通る」という「約束」
  「繋がり」、そのものの なかみだからで ある。





 


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