透明の「扉」を開けて

美黎

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14の扉 星の領域

私達が 決めてきた色

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「    ふむ。」

 目を 瞑ったまま 深く長く
 息を吐いて。


一度「ギュッと」目を瞑ってから またパッチリと目を開け
 スカートを叩き立ち上がって 天窓を仰ぎ
船上の 景色も 観る。


「    ふむ。 やはり。「みんな、そうだ」って こと だよね?」

 ワイワイと遊ぶ 子供達
 黙々と作業を続ける 年長組
  それを見守る紺色のモジャモジャと
   いつの間にか見える 見慣れた水色の長い髪。


「   やっぱり。イストリアさんに頼んで、正解だったってこと だよね。」

 先のルガの言葉
それをまた思い出して。

 「イストリアの 世界版」
そんな「判定」を貰った私自身のいろだけれど
 確かにイストリアは自由だけれど「私よりは世界寄り」だ。

  ここの 中にあれば 
 「異質」に見えるけれど
私にとって「よき理解者」であることは事実だし 
ある意味彼女は「橋渡し役」なのだ。


 そう 思うのだけど。

やはり「人生」「道」には 「段階」があって
 その段階それぞれに「適した教師」があり
 それを学び終えて、皆 「次の段階」へ 進んでゆく。

 そしてその「必要」はそれぞれ違うからして
「自分に合った教師」を選ぶことは最も大切な事でもあるし
 それがまた「出会い」で「関係性」で
「決めて来た道の」それなんだろう。

 
  そう、「その中でもすっ飛んだ最短距離」を走る 自分が今観てわかる「ルガの言葉の意味」

彼が捉えているのは「段階による教師の違い」であり
 「その人が出している周波数」の違いだ。


「   ふむ。」

  イストリアの 周りに群がって
   楽しく学びながら遊ぶ
       いろいろな 色の光達

 ここから眺めていると またようくわかるけれど
「小さな頃は 自分の色が何色なのか色々試してみる期間」だ。

そうやって「遊びながら 惹かれる色」を辿って行って。

 「独自の 嗜好」「方向性」

それが生まれると共に「別れてゆく 道」
 「表と裏の 整合性を試す 始まり」。


   なる  ほど ?


 そこまで「考えて廻して」、視えたけれど
確かに私は幼い頃「えっ、そうなの?」と 思いながらも「現実世界に自分を 合わせてきて」。

 「その ルールで遊び」
  「なんか違うな?と 時々思いながらも楽しんで」
   「しかし 「その時」が来たから」。

「なんで」の積み重ねが「月まで届き裏側で溢れて」、こうして扉の中へ入り
 「本当のこと」を探す旅を 始めたのだ。


 だから 今度は
   この「新しく創られ始めた 世界」に
   「自分を戻して行けば」よくて。


「  「それ」こそが ? 私の「観たいせかい」、光の創世神話になっていく って こと だよね ?」

  なる  ほど ?

そう して。

 みんな光達へ 問い掛けながら
 胸に手を当ててみるけれど
やはり「異論不協和音」は聴こえてこないからして それは そうなんだろう。


「  だから やっぱり。 「自分で創ってる」って ことだ。」

 その「辻褄」に 自分で唸りながら。

「子供達の色」、それを観ていた時に「浮いてきた色」
 そこへ焦点を合わせて ゆく。


 そう  
 実際
 ここから観て。

「私は 私の道を歩いているからして「みんなの今」を「ただ観ている」」、それだけれど
 みんな子供達はこれから「燈った火」を 適切に扱って。

 「自分の最適」な風を送り
  「適切な栄養」を摂り
   「素敵な道を流れて」
     「薪を拾い 火を燈し続ける」からして
本来 「人間ひと」は 生まれたならば。


   「~ でなければならない」ことなど
   

  「そうなる様に 自分で創ってきた」からして
 「自然とそうなる」もので あり

  「コントロールは必要ない」のだ。


「   ぅむむ。」

 つい「~した方がいい」とか  
   「もっと こちらへ」なんて 思ってしまうけれど。

 「彼らは 彼らで 
  「求められたら 応えればいいけれど」
 「余計な手出しは 邪魔をするだけ流れを止めるだけ」なのである。


そう、「その点に至って尚」
 チラリと出てくる「勉強」「文字」「数字」
 「ねばならない」「優劣」「比較」
その「古い澱」が 私の周りを回るけれど
 それは「適時使えば良くて」。

 「絶対」と決める縛るから苦しくなるもので
 本来「私達がコントロールされるものではない」のだ。

 
「  そう、私達が「それを使う」、もので。」

 ありがちな「表裏の逆」
それにまた嵌まりそうに なるけれども。


 ホントの
 本当に
 「大切なものは 自身の光」で
 それは「なににも変えられない貴重なもの」で
私達はそれを「真ん中」に置いて「その他すべてを使える存在」で あり
 「コントロール」ではないのだ。


「   だけど。 適度な縛りって 心地いいもんね。」

 それもやはり「慣れ」や「習慣」「慣習」で
そこから抜け出す為に 今「上を見ている人」と「流れるままの人」
 いろんな人がいて 私はその すべてに敬意を払うけれど。

「   子供達の、「火」は。 風を 送ってあげたいと 思っちゃうよねぇ。」

  「なんにも しない」そう 思っているけれど。

   「そう 思ったならば」、
    それはそれで いいんだろう。


 だって「風」は 見えないから。

「なんとなく 吹いているプレゼント」みたいで、とても いいんだ。


「……と、言うか。君が、ここへ来て。姿を見せてくれたりとか、そんな事がきっとあの子らにとっての「風」だろうよ。」

   ん ?

 突然 下から声が聞こえて。

くるりと振り返ると、梯子を登ってきた薄茶の瞳と 丁度 目が合う。

「    ありがとうございます 。」

「いいや?本当に、そう思うんだ。「何かを言う」とか、「やってあげる」でもなくて。ただ「そういう風に存在している」。………君の生き方はここの人間にとって見本になるものだし、だからこそ直接の影響というか、「風」で。やはり、「運命の女神フォルトゥーナ」なのだな、と思うんだよ。」

「     。」

「………どうした?」

「   いや、確かに。 私、前からカードって好きなんですけど。「運命の輪」のカードは なんか。 印象的ですよね。「象徴的」? 昔はやっぱり意味がわかんなかったんだけど 。 今は、よく わかります。 その、流れが。」

「成る程。君の言うカードとこちらのとは、違う所もあるのだろうが。人の営みというものはやはり、世界を超えてあるのだろうね。」

「   はい。 きっと。 」

「さ、そうだった、おやつに呼びにきたんだ。勿論、食べるだろう?」

「  フフ。」

そうして
 前のめり気味に頷いた 私を 見て。

 くしゃりと微笑んだ その笑顔が眩しくて

  しぱしぱと瞬きながら その背中を追い
 
   梯子を降りて行ったので ある。










 




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