透明の「扉」を開けて

美黎

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13の扉 創造

「この世」の 終わりに

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その 間に。

 「確かに 薄くなっている 跡」

その一端の砂をサラサラと撫で 触れてみながら
また「最近の祈り」を捧げ
ほんの少しの「あいだ」にも 「私の祈り」が 透る様に。

 自分の「性質」で ある
  「あいだ」「充満」「満ちてあるもの」
 「繋がり」「すべて」「その 質」

それを意識しながら 「意図祈り」を通し 先程思い浮かべた「島の全体」その中へもチカラ祈りを通して ゆく。


 そうなんだ ある意味 私は今「すべて全体」で。


なにもが自分の裏側せかいと背中合わせ」であるからして
「意図」も「チカラ」も そう
 それを「祈り」として通し

だからして 「成る 私色の充満」にて せかいを保ち
 「わたしのせかい光の創世神話」を創るからして
「どの行為も繋がっている」のだ。

 そして
その「祈り」の具体的内容は
 その時により含まれる色は変わるけれど
本質ベースは すべてへの敬意」で。


   今 あるもの

   もう 「形」としては 存在しないもの

 「見えない」けれど 在るもの

その概念を超えたすべての存在に 「祈る 行為」

言い換えれば「これまで私が辿ってきたすべてに対しての 祈り」
 「これから出会う すべてに対しての敬意」だ。

 
   色が  薄くなった 砂

    まだ 濃い 炭のような塊の砂

その両方を 撫ぜながら。

 くるくると 渦を描くように掻き混ぜつつ
 ニコリと笑って
「沢山の いろ」それを廻しながらも「軽く」
それも観照しながら くるりとレナの方を振り返った。


「…そうね、決めたわ。」

 なに が?

その「私の振り向き」に 答える様に
思考を打ち切って「選び取った」レナが面白くて、そのままクスクスと笑う。

「なんか。色々思ったけど、やっぱり「神だから」?が、一番しっくりくる。」

「   ?」

「ああ、わかるわ。意外だものね?確かに私は神なんて信じてなかったけど。別に本当に助けてくれるわけじゃないし、…ああ、ヨルは助けてくれるから神な訳じゃないし。うーん、なんかね………「変わってる」を通り越して「違うところにいる」んだけど、それは場所とか身分でもなくて、よ~く考えると「位置」なのよね。多分。」

「   位置。」

「そう。なんかね、「高いとこにいて観てる」の。「見守ってる」?あ、そうそう聞いた!…ゴホン、失礼。それは茶化す話じゃないわね。だから、結局ヨルがやるのは「そういうこと」だし、店とかお金とかとは関係ない所にいて。ただきっと、私達が幸せで在る様に………なんだろう、思ってる?笑ってる?…なんかよくわかんないけど、そういう感じ。」

「    フフ、ありがとう。 嬉しい。」

「まぁね。てか、寧ろこっちの方がお世話になってるし。でも、こうして考えると確かに「いる場所」が全然違うのよね。………なにか、普段店やってると「ヨルもやればいいのに」とかお節介で思うんだけど。そう、ある程度なんでもできるでしょう?多分、稼ごうと思えば稼げる筈なのよね。」

「   フフ、レナから見ればそう見えるのか。」

「そうよ。………でもやっぱり「技術はあれど商売気ゼロ」だものね。確かにヨルのペースでやるなら儲かりはしない。」

「  フフ」

「でも、なに?その、「みんなが見える様になれば」?ちゃんと、惑わされずにその価値が解るようになれば、絶対唯一無二の店になると思うんだけどなぁ。」

「  まあ  そうだね? でも、その頃にはレナやエローラの店の方がもっと凄くなってるよ。」

「そう?………まあ。そうでもあるけど、そうじゃないんだよなぁ………ヨルはやっぱり やってる事が  」

 そうやって
 私のことを 一生懸命 考えてくれるレナを観ながら。

 
   すぅっと 引いていく 視界

そして「その様子レナの動き」が 「風景」になるところまで私の視点が引くと
 展開してくる映像がある。


 それは 私の「なかにある」、「自分のいろ一部」なんだろうけど。


  「現世世界の 色鮮やかな景色」

         と

  「せかいの 優しい光で 混じり合った景色」

   その「あいだ通過点」に ある
    「自分の位置」で


 「みんなが  私を必要とする 時」

 それは 「超える時」なんだろうな と。


「いろんな 扉と扉の間」に いる私は
 そんなことを 思って いた。


そう 「いつだって私の在る 位置」は
 「充満」「狭間」「隙間」で「間」

 みんなが「ちょっとここを 超えたい」と 思う時に。

  
   「常に 存在する 真理の基盤」

 そんな様なもので
 言い換えれば「真実のふるえ」
  「それそのものがもつ いろ」で存在してある
 「なににも沁み込む」
 「融け込む」
 「含まれてある」
 「絶対に大丈夫な 場」であり
   「ほんとう」だからだ。


 「そこを 見れば 大丈夫」
 「護り」
 「守護」
 「しっかりと そこにいつもあるもの」
 「絶対にぶれない 」。


そう
それは 「そうでなければ」「意味のないもの」で
 私が私からずれたならば「それは私ではない」からして もの

 「恐怖」や「制限」「暴力」で縛られるものではない
 「真実の強制力」だ。


   「ただ 当たり前なだけ」

こちら側裏側は そんな簡単で 単純な場所で
 だがしかし「それを自分で自分に許せないと」「入らない 場」
 
 とてつもなく軽いけれど
 とてつもなく強いチカラで 存在している。

そう「私がずっと やりたかった場所」でも ある。


 そうなんだ 「これまでの私」は ずっと
「それがやりたかった」けれど
「そう 在ることが 困難な「世界」」に居て
本来の位置へ戻ったからこそ最善が発揮できること
 今 またそれを充分に理解できている自分が いる。


「    そう ね。」

 そんな ぐるぐるを終えて
また「確固たる基盤」に 立った私に。

 「パチン」と 小気味よく手を叩く
  煌の光が舞い込んできた。


「わかった。ヨルは、現世利益的な神じゃないんだ。あれじゃない、デヴァイの「あれ」も似た様な意味あるわよね?銀の家はなんだかんだ墓守っぽいし、私ははっきりとした意味は知らないけど、金の家ってヨル達しかいないんでしょう?「次の世界への橋渡しをしてくれる神」、そんな感じの役目。だから、最後に出会う。………確かにそれだと生きてる時には、みんな気にしないかもね?」

「   フフ  なるほど」

「いつだって切羽詰まった時とか、ああ、ああすればよかったって時に。出てくるのよ、きっと。それが死ぬ前じゃなくて、もっと前だと、良いんだけどね。確かに。わかる、みんな一歩を踏み出さないもの。」

「   まあ、いつ踏み出すかは。 自由 だからね。」

「それはあるけど。………やっぱり変わったわね。前はこんな話題になると息巻いてたのに。」

「  フフ、確かに。」

 そうやって
 私のことを きちんと見てくれる
  見ようとしてくれる、存在に。

また 有り難くなって ホンワリした胸を そっと撫で下ろす。


 やっぱり 「私は場所を変えた」けれど。

こうして友達が 自分のことを考えてくれるのは
単純に 嬉しいからだ。


「さ、じゃあ行こうか。」

「えっ? どこに ??」

「たまにはマッサージしてあげるわよ。………まあ、要らないかも知れないけど???」

 その 含みのある言い方と
 悪戯っぽい顔が とっても面白可愛くて。

結局 爆笑し始めた私は

 そのまま 
  ずっと 笑いながら。

  やんわりと
 レナに引っ張られて行ったので ある。





 
 
 








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