透明の「扉」を開けて

美黎

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13の扉 創造

「知って そこに 在る」

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 ただ 「知っていて」

    「そこに 在る」。


確かに 「それ行為」は

   何もしてはいないのだけど。


いつかも 思った ように

  それは せかいと 同じで

  「ただそう自然に存在していること」


 この頃やはり。

 「それ存在」が 一番の 恩恵だと 思うんだ。





「やはり、「自分のことを認知してくれているもの」が。………見守ってくれる?そこに、「存在していること」。そうして、在ることの「有り難さ」や「重要味」が、死ぬ前には解るのだろうね。」

「   」

「「祈りの巡礼」とでも。言おうか。………君がやっているのはしかし、そういう事だ。」


     "祈りの 巡礼"


  その 沁み渡る 「心地よい響き」が。

 スッと自分に馴染み 浸透していくのが わかる。

   

「    そう ですね。 だと いいです。」

 そう言って
サラダをつまんでいた私は チラリと顔を上げ
フォークを置いた。


 「あの話」を聞いた
 次の日の 朝食時。
 
 いつもの 優し気な瞳は
  向こうのテーブルを見ているのだけど

 「彼女本質の視点」は 私の方を向いたままで。

  話しても いいし
  話さなくともいい

その気遣いが知れて くるくると暖かな色の カケラが舞う。


 そうきっと
イストリアがそうしているということは 私のなかに「何か言いたいこと」や「思うこと」があるからで
それを無意識に感じ取って「開いて待ってくれてある」、この「状態」を 
 とても有り難く思い 改めてその空気を感じる。

 だって それは。

 やはり「これまでは普通」では なくて
「世界においては少なかったこと」
 だがしかし「それは 今私の周りに普通に存在していて」
 「その環境に 囲まれていること」。

 それにまた きちんと気が付いたからだ。


しかし ふと。

「   でも? イストリアさんは いつもだしな?」

「フフ、どうした?」

 そうも 思いながら
私の中では色々なカケラが巡るけれど
なにしろとりあえず。

 私は
 「自分のやっていること」、その「責任を持つ」ために。

この頃 「真ん中へ留め置いてあること」
 それについて 話し始めた。



「   なんか。 若輩者の、私が「それをやる」って いうのは。やっぱり、最初はほんのりとした自覚で だからこそ少し抵抗があったんですけど。 なんか。」

「うん、解るよ。気になるよね、人によって思う事は違う。未だ、受け入れてない者も少なくない。」

「   はい。 だからこそ、やっぱり「敬意」なんだな、って 思って。」

「…………成る程?だからか。君らしいね。」

そう言って
 なにかに「納得した様子」の薄茶の瞳


 だがしかし 「何に納得したのか」、尋ねる前に。

「…ああ、ごめんちょっと行ってくるよ。」

「   ふふ、はぁい。」

 「目線だけで」、向こうのテーブルへ呼ばれて行ったイストリアを 止められるわけがない。

  
   その「仲の良い様子」に
 ニヤニヤと温かい風を送りながら
 ついでに本部長のキロリという視線まで貰って
また温かさに 息を吐いた。
 



 そうして 「向こう側から 流れてくる
               温かい空気」

それに 触れながらも。


 ゆらゆらと カップの「紅」を
   揺らしながら 共に廻る

    「敬意」についての 思い 


 それは「私が「敬意を示す」と思った決めた理由」で
「それがあれば この祈りは成り立つ」と踏ん切れた理由でも ある。


「   そう  ね。」

 今 その「カップの中の紅色」に 映る景色は。

   「いろんな世界」の
   「いろんな場面」で

勿論、そこには沢山の人が「その人の今」を生きていて。

 私は「それを見せられていて」
  それは 立ち位置からして
 「高低」「最善から 最悪まで」からして
「その事実」が どうであっても「最も高い位置から観照する」、その姿
 その 「立ち位置」を示して ある。


   "ただ 観ている観照すること"

 "手を 貸すでも 出すでも なく"

   "ただ 見守りあること"


それはこの前 私がせかいに対して感じた「見守りあることへの感謝」と同じで
 だけど 「何故それができるのか」
すっきりと落ちきらなかった部分でも ある。


  しかし
 この頃の「高い視点」を受けて。
  また新しく見えた位置

それは

 「今が どうであっても」。


 「本来 私達は 同じ 高い光で あるということ」
 その前提にきちんと立ち返り

その「選択」を 尊重し「敬意を払う」のは
私なりにすべてへの感謝を示すものだと 気付いたのだ。


 例え それが
 「私の在り方」へ
  「向けられる 疑いの視線」で あったとしても。


 「それ視線」が 私に影響を及ぼすことはないし
 私は 「相手」が 「その状態」
   「私にそれを 
 それを知っている。


 だからこそ「今のその状態」に 敬意を払い
  「そう」「して」
 「最善への道を創る」。

その
 「自分の在り方」が 成ってきたのだ。



「    ふぅ む。」

 いつの間にか ピタリと止まっていた
 「紅色の鏡面」を 一口 含んで。


その 「落ちてゆく 冷めた感触」と共に感じる
   "視えてきた 新しい かたち"


  最近
 ずっと 「成る」「満ちる」のを 待っていた
 
   「これからの私の 象徴」

  「この 世界に在る為の 状態」

その一部分が この「祈りの巡礼」で。


そして 今ここから観れば
 その ベースとなってくれたのが

 "ほんのりとした「自分の なかにある気配いろ」から始めた 動き行為"で

 「祈りに相応しい 衣装」を纏い
 「いろ」「気配」「空気」「浄化の鈴音」を以て
それと共に廻る
 「祈りの巡礼」で

  「穴から その色を覗き込む時に」。


 共に 感じる
  沁み込んで くる

    "一瞬の きらのひかり"

 
  「今 しかなかった」

  「今が 大切だった」と いう「


   「その死の瞬間の 積み重ね」。


 
 そう
それ死の瞬間」は
 「昨今 滅多に立ち会う場面でもなく」
 「悲しみに塗り潰されるもの」でもあり
  「いろんな色が ごちゃ混ぜになるもの」で
  「心に残る 強烈な いろ」
  「一瞬の煌めき」でも あるものだ。


だけど 普通は。
  「時間ときを経て 忘れ日常世界へ戻ること」

しかし 両極として存在する
   「忘れること の恩恵」と

     「留めておきたい 思い」。


 だから
   それを 。

 「執着にせずに 

 それを持って 私は 廻るんだ

 この「世界」を。


「      うん 。 そう  だな 。」

 その「いろ」
   「重み」と「軽さ」

 「それで良かったんだ」の思いと
 「解放」のなんとも言えない爽快感

 そうしてそれを「纏い 歩むことのできる 今の自分」と
 相違なく在れる「感覚」の 存在。


 そう、「確かめて」「違和感がない」
それは「私がそれをやること」を示して いて
 「やはり それは初めから組み込まれていること」
 「その為に「必要を集めていた」こと」
 「その「最善」に きちんと辿り着いたこと」も 示している。


「    「感覚」。  「直感」? なんか よく わかんないけど。」

  その「わかること」

それは
私の中では「自分の答え合わせ」で あり
しかし「誰か別のものが中で話す」のではなくて
 「自分で 自分すべてに尋ねて」
 「なかにある すべてのピースを廻すと」
 「その中での「最適がわかる機能」」

 ここまで解析してきたからわかるけれども
「私は初めからそれをやっていて」
「だけど 自分のやっていたことを
  それも わかる。

 そう 結局。

 程度は違えど「見ている様で 見ていない」、
それは自分もなのだ。


「   だからやっぱり。 「自分の中にしか ない」し、自分を掘り下げていくしかないんだ。」

 そうして ホッと 息を吐いて

いつの間にか 誰もいなくなっていた
 食堂にも気付いて。

 お代わりを 持ってきてくれたマシロに「頷き」で感謝を伝えながらも
 大きなテーブルへ 

  ベロリと ダレていたので ある。










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