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13の扉 創造
守護者
しおりを挟む「ヨル、君、最近。………何か、いつもと違う格好をして。屋根裏を歩いて、いないかい?」
「 ぅっ? ええ まあ。 そう、でもあります ね ??」
その 曖昧な返事をした自分に 気付いて
くるくると 回しつつ。
「この頃の 自分」
それを客観的に観ている視点が
フワリとスペースへ齎されて
「その 行為」が 事実であることを
私の前に 提示している。
そして
そう
「それ」が 何故なのかと 言うと。
多分 きっと わたしは。
まだ その「自分のやっている行為」に 対して
「絶対的な自信」が 持てなかったからだと 思うんだ。
だって それは。
「祈り」 「鎮魂」 「護り」
「魂の守護」 「光の導き」
そんな 様な意味で。
自分が「自然とそれをやりながら」
その 「行為」が そうなのだと。
「気付いて」
「出てくる 思い」
「大それたこと」
「わたしが?」
「いやしかし 」
そんな ほんの少しの 「迷い」が。
まだ その時抜けきれていなかったからで ある。
「 えっ 、イストリアさんは。なんで、知ってるんですか?」
「いやね、チラホラ聞いてはいたんだ、ほら以前から「夢には出ていた」だろう?だから、今回もそれかと思ったんだけどね?」
はい。
頷きだけで返事をした、私の目を じっくりと覗き込んで。
ニコリと微笑んだその顔は 大体予想はついているのだろう。
一呼吸おいて お茶を口に含んだ後
彼女が話し始めたのは この頃のデヴァイ全体に広がっているという、噂の 話だった。
「…始めは、勿論気付かなかったんだ。しかし、この頃「祈りの姿勢」で亡くなっている人が多くて。特に、一人で亡くなっている者だ。………そもそも、ここでは。ほぼ家族に見守られながら逝く者が多いが、昨今流石に一人で亡くなる者も増えている。知っていると思うけどね。君がここへ来る前から、無くはなかった話だし高齢の者が増えればそれは、自然の摂理さ。」
「 はい。」
「………始めは。黄の家だったかな。「姿勢」としては、まあわからなくはないから、そう気に留めていなかったのだけど。…ああほら、一応アリスから話は来るんだ。あそこが埋葬を担うからね。だが、身内で「見える者」がいたのだろうね。私が思うに、夢で見た事がある者は繋がりができて、感応性が高くなっていると思うのだが?………ああ、やはりそうだね?…うん、それで君の姿を見たと。いや、本人は「君だ」と認識している訳じゃないが。」
「………「長」?「守神」?もしかしたら「彼等」の化身だと思っているのかも知れないが、まあ君のことだよね。それが、現れたと。噂になって、公ではないがこの手の話は回りが早い。もう、「神が迎えに来てくれる」と安心感が漂っている。」
「 」
その 淡々と話される話を 聞いていて。
私は
「ああ そうか」と 思って いて
「まあ そうだよね」とも 思って いて
「しかし確かにそのつもりだった」とも
感じていて
だけど
「そう 見えていること」
「伝わっていること」
「その 姿勢」
その「かたち」は。
なにより 私が
「その 瞬間」に 偶然立ち会ってしまった時から。
無意識に とっていた 姿勢「祈り」で
「その瞬間」は勿論 「いろんな思い」が ある。
「苦しみ」
「悲しみ」
「寂しさ」
「不安」
「動揺」
「自分を 納得させようとする動き」
そして もう 「終われる」、という「安心感」
「一抹の後悔」
「だがしかし 諦め」
そして その「瞬間」の。
なんとも 言えない 「思い」。
それに対して。
私は 「祈る」しか できなかったし
だがしかし「それだけでいいこと」も知っていて
それが最善で あり
「祝福」でもあること
だから本能的に。
「祈って」、いたのだと 思うんだ。
屋根裏で 「その場面」に 出会した時に。
「………大丈夫かい?」
「 はい。 いや、なんか。 うん ありがとう ございます。」
「いいや?………君が具体的にどう感じて、何をして、こうなったのか、それはどうでもいいんだ。………だがしかし、結果として皆が感じているのは「導き手」の存在でそれは夢とも繋がっていて。みんな、どこまで意識しているかは分からないけど「女神」や「守神」、それに「長の存在」を感じている。なにか、金色の光が出てるらしいからね?………フフ、それならそれでいいんだ。君はそのままで、いい。」
その
「いつもの言葉」を 受けて。
やはり 私は「ほっとした」のだろう。
優しく細まる、いつもの瞳を見て
自分の心もホッと 解れてゆくのを感じる。
「 なにか。 始めは、「光ってるとこがあるな」って。 思ってたんですよ。 元々「穴」は、色が違って見えて その中でも「私の好きな色」の所しか覗かないんですけど。 だけど少し前から。 「特別な光」が 漏れてるのに 気付いて。」
そう
それは勿論。
私が 「奉仕」と「死」について
「新しい角度」を 得たからだ。
その時は わからなかったけれど。
今 この話を聞いて
「それが そう」で
「その為に 光ってあり」
「せかいは 私に それをさせたかった」のだと
わかる。
「 う~ん。 それを「させたかった」と 言うよりは「そうなるように してある」のか。自分で。 えっ まあ そうか。」
そう
だから
結局
その「経緯」は。
「一番高い私が」「そう 創って」
「今の私が」「それを辿っている」のだ。
くるくる キラキラ と。
最近ずっと 私のなかを 廻りある「ことば」
それらの「意味」が。
やっと 今 「パチリ」と嵌って
「うぅむ」と「自分の御業」に つい声が出る。
その「私の様子」を 面白そうに。
眺めて いる 薄茶の瞳は
極限まで細まって。
「………ありがとう。」
ゆっくりと そう一言だけ 言い
静かに席を立ってくれた。
きっとこれから 私が「自分くるくる」に嵌って。
自らを 整理する時間である
それをようく、わかってくれているからだ。
だから その思いを有り難く受け取って。
なにしろ
「いろんな 思い」を 邪魔しない様に。
また 「緩りと流れる 時間」を
つくることに したんだ。
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