透明の「扉」を開けて

美黎

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13の扉 創造

それぞれの役割

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「…そうね、この前やっと連れて行ってもらったんだけど。」
「ああ、あの言ってたやつ。」
「まあ大体予想できてたけど、相変わらずの奴は相変わらずなワケ。私は気焔が出てるんだなぁって納得してたんだけど、まあ意外だったけどね。でも、確かに参加してみて分かった。ヨルはあそこに出せないわ。」

「ああ~、成る程そういう感じね。まあ確かに無理かもね。…前よりは落ち着いてきてるけど。」
「そうね。私もあの時は貴石の件だからついて行けただけだし。もう参加したくないわ。」
「ふぅん。」
「でもやっぱり面白いの。本当にヨルが喋ってるみたいで、いや、勿論話し方は違うのよ?………でも、なんて言っていいか。最初は二人とも「ルールの違う場所」から来たからなのかなぁって、思ってたんだけど。………あれはそれだけじゃないわね。」

「気焔、見た目も雰囲気も変わったものね?………懐かしいわぁ、なんだっけ?? あの」
「ああ、あれ!」
「そう」
「「恋人のフリ!」」

 そこまで 一気に喋り倒して。

 満面の笑みで私を見つめる二人が、とても眩しくて思わず手で パタパタと顔を扇ぐ。


  それは 「熱く」はなくて
 
   「眩しい」のだけど

 それは「光」だからしてその「光線」を遮る為に
 「そうしている私」を 見て。

 二人はいつもの様に「照れている」と 思ったらしい。

「なぁに、心当たりあるでしょう。」
「そうそう。」
「てか、たまにあの人話してる途中で止まって考え始める時、あるんだけど。その時って、あなた達「通信」?してるの?」
「わかる!「それ、ヨルの返事だよね?」って時あるもん。」

「   ぇ 」

  それ は  はつみみ

    だけど も  ??  ?


 くるくると 目を回している私を見ながら二人は 興味津々で「その件」を探り始め
 レナは私の腕を取り 揉み始めるし
 エローラは匂いを嗅ぎ始めている。


「   いや  流石に。 匂いは、しないでしょ。」

「わかんないわよ、ヨルだもん。」
「なに、同じハーブの何か付けてるとか?」
「いや、でもそれだけじゃあ「繋がらない」わよ。「それ以外のなにか」が含まれてるに決まってるじゃない。」
「…………えっ、それってやっぱり 」
「………そうね。エルバが心配してるやつね。」
「でもじゃ、「繋がる」理由じゃなくない?もう、「別もの」じゃない。」
「…………確かに、そうね。」

「   えっと  あの  」

「………まさかヨルが一番だとは思わなかったわ。」
「確かに。でもベオグラードのお兄さんがショック受けるかもね。あれからどうなの?」
「うーん。レシフェもその辺の話はしないからなぁ。私もぶり返したら困るし。」
「いや、それは大丈夫だって。」
「………まぁね。でも、あの時も気焔の事は気にしてるなあって思ってたけど。」
「ふふ。でも、やっぱり適材適所でいいんじゃない?デヴァイって、長老達の場所なんでしょう?」
「………まあ、代変わりしてから。そこまでじゃなくなった、って話で私も顔を出せたんだけど。でも勿論、場所はこっちの「石の館」だし、相変わらず年寄り達は勝手なこと言ってたわよ。だから、ヨルの話が全く通らない訳じゃないんだろうけど。…余計な「手間を省く」?意味もあるんじゃない?」
「まあ、見せちゃえば下心出るだろうしね。それは分かる。」
「そうそう、防犯よ、防犯。」
「それが要らなくなる為にも、まあ準備は必要だものね。」
「うん。」

「………それに。やっぱり私達女性って。「見た目」で判断されるから、ってとこが大きいと思う。気焔はあの調子で、長老達にも物怖じせずに淡々と話してるもの。確か「設定」?では、そんなに家格が上ではない筈なんだけど。まあ、アリス達もいるけどね。なんかやっぱりその辺は変わってないのかな。」
「………そうね。でも結局始めから。この二人は異色よね。」
「それは分かる。」

「で?………結局、どうやって「話して」るの?あなた達は。」

「    ぅん?」

 私の 話題が立ち消えそうになって
ホッとして自分も「長老色のカケラ」を回していたのだけど
 どうやらエローラのセンサーは「その件」に関して私を逃す気はない様である。


「    う~ん。 なんだ、 ろうか ? えっ、でも 子供はできてないよ??多分。   えっ、その話じゃなくて???」

「…いや、それもあるけど。」
「そう、なんでそう言い切れるの。分かんないじゃない。」
「あー、でもこの子、エルバにも言ってたけど「作ろうと思わないとできない」って。」
「……………ああ、成る程。」
「…………うん。」


 えっ

    なん か

   なに ?

  なんだろう この 「またか」感。


「ま、「ヨルだから」ね。」
「そう、「ヨルだから」、気にしちゃいけないわ。………分かってる、そのうち私達も「そうできる様になる」から。」
「はいはい。大丈夫よ。」

そうやって
 まだ  なにも 言っていないのに。

「皆まで」言う二人を眺めながら
私のスペースは既に
「私と彼との繋がり」を つらつらと辿って カケラ達を展開し始めて いる。


  わたしたち

    それぞれの 役割

  本来の 位置

          今の 位置

   適材適所

    繋がり   

   質     糸    光


   「かたち外側」の上での 役割

  「ひかり本質」の いろ


それは確かに 以前 思った
 「私の「男バージョン」がいればいいのに」

その「かたち」を反映しているもので
 だからして「何故 そうであるのか」は
 よくわかるし
 「何故 繋がりあるのか」は
   「」して 。


「   ?? ?」

 それ は

   「魂が 同じ」とは 違うのだけど
 「それっぽい雰囲気」がするのは わかる。


「   う~ん ? だから「役割」「位置」? 「光の場所」が、近い のかな?? 限りなく「同じに近い なにか」。 ??」

 自分で 言っていても
 よくわかっていない 「その内容」

しかしそれが「あながち間違いでもない」のもわかるし
 そもそも「それ思うこと」に関して「間違い」など ない。


「    ふぅむ。 でも。  なんか。 「保留」。「保留」にしといて? 多分、もっと上がればわかる筈。」

「うん、意味は分かんないけどとりあえずそのうち分かるのね。判ったら教えてね?………私もシャルムとできるかしら?」
「  いや、エローラ達なら既にやってる?できてるんじゃない?? だって「シャルムがどの色を選ぶかわかる」でしょう?」
「…………それは分かる。」
「だから、その「延長線上」? おんなじ、なんだけどなぁ 。」

「………その範囲が広いのよね、あんた達は。」
「そうね。あの人、ヨルの事で知らない事なんてあるのかしら?」
「無かったら私なら無理。」
「わかる。」
「  ぇっ」

「そんなのあんた達くらいよ。」
「そうねぇ。まあ、私もそこまで重大な秘密はないけど。丸見えなのは嫌かも。」
「そりゃそうよ。ま、この子達ちょっとおかしいからね。」
「面白いわよね。」
「あ、そう。おかしいけど、面白いんだ。」
「そうそう。」

「    」


 なんか。

  二人は 私達が「面白い」と言ってくれているけど
確かに「おかしくもある」が「面白い」の方が 数段いい。

 なにか。

やはり「笑顔」で「ワクワク」の「なにか」が。
 隠れていそうなその言葉は 私の好きな「プラスの色」を表すからだ。


「………さて。それで?最近、ラピスはどうなの?」
「そうね、今度来てもらった時案内するけど  」

 その 二人の「新しい話題」

「これからの話」を ふんふんと頷いて
 カケラを取り込みながら。

「中くらいの私」は 「今日の話」を纏め始めていて
「高い私」はそのまた「全体」を俯瞰し 「かたち」を配置し始めていて
私はそれを感覚で 捉えながら。


 なにしろ 「この いろ」

   「新規」 「伸びる 感覚」

  「繋がり」
         「温かみ」

  「気遣い」と「自然に出てくるお代わり」

 時折飛んで 交わされる「目配せ」と
 全く違う話をしているのに私の肩を揺らしてくるエローラの「勢い」を 織り込みながら。


   さて

  この 「纏めが 齎してくるものは なんなのか」

 それを全体的に 捉えられる様に 。


 具体的には なんにもせずに
 ただただ
二人の可愛らしい様子に 癒されていたので ある。






 



   
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