透明の「扉」を開けて

美黎

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11の扉 神である ために

予言とは

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 えっ

 てか

 「その話」って

 終わって

 なかった っ  け   ? ? ?




「    ?? ?  ?  ?」

「パタン」と裏表紙を閉じてから
何度かめくり直したり 中身を反芻したりして
 私の頭はくるくると回転していたけれど。


   てか  待てよ ?

そう
なんとなく「一回 全部捨てた方がいい」
その感覚に陥った私は 頭の中身をパッカリと 開けて。

 ひとつ ひとつを 
摘んで 水槽にポトポトと 落として いた。




  ふぅむ ?


  だが   して    しかし。



そうなんだ 「それ預言書」は わかり辛くは ない。

 それは 「本当にあったことだけ」描かれて いて

 「ここから観ると 
  それがはっきりとわかるもの

だから私達はそれなりに「発展」して「遊んで」「楽しんで」あり
 「今が再び 時代の転換点」、それも わかる。



「     ふむ? 」

そう 「自分が引っ掛かっているのか」
 それが はっきりと視えなかったけど。


 その 中に記されたもののうちで

  「まだ 起きていないもの」

 それは「青の少女の予言」だけで あり
 その他の出来事は「私が既に知っている歴史の真実」、なのだ。



「   でも。 それって 。 どういう こと ???」

 そしてしかも。

その「描かれてある内容」が すべて「真実」だとしたら
  いや どう見ても「真実本当」なのだけど

その「青の少女の話」も
 世界は白になり
   時は止まり 無に帰して 。

 「世界は 滅ぶ」そんな内容の 話じゃ
   なかったっけ ??



「    むん? 」

とりあえず、もう一度 そのページをめくって みる。


 「土の時代が終わり 風の時代となる時
 9つの石と 青の少女が現れ
      世界は 白となるだろう」


確か。

 この「文章自体」はこれだけで
その「解釈」が「ティレニア」に侵食されるから「時が止まり滅ぶ」、そんな感じだった筈だ。

 まあ 「私の記憶が正しければ」だけど。


「   ふむ?」

でも。

 その「必要」の所に記載されてある
 
  「次の時代へ行く為の転換点」

それは「この予言の役割」を示してもいて
 「それが起こることで次の時代への転機になる」
それを表して いる。


 「必要」とは 言い換えれば「理由」だ。

 何故 それが「起こる」のか

それは私達の「流れの中で必要な分岐点」「大きな起点」
 ある意味「目的地へジャンプする為に必要な踏み台チカラ」それでも ある。


「 そして それ踏み台が 「青の少女」が で ?白になる? んで、それが私だろうがアラルだろうが、それはいいとして それを ? こと ?? 」

 うん?

  なんだか こんがらがって きた ぞ ??


 もう一度 「ポイポイ」と 頭の中身を水槽に入れて。

 その「いろ」
   「本当のこと」
   「みんなの いろ」
   「せかいの こえ」
   「一番高い光が示す 特段 美しい いろ」

それに焦点を合わせ 全体を観る。

 そう 「その本」だけじゃなくて。


  「整理された この部屋全体」

 「いろ」
      「新しいティーセット」

   「おやつの数」

     「テーブルの脚」

          「水槽の色味」


  「流れる 粒子」

     「変化してきている 空気」


  なにしろ この「空間全体」が。


 "私に なにを 読み取らせたいのか"

 それを観るんだ。


だって「せかいはわたし」、それは「最善を遂行する為」に私に「矢の先」をものだし
 私はその「実行者」だ。

だから わからぬ訳が ない。



 この 本の中に示されあるのは
「必要」が起きてきたことで 「今ここ」
 数多の光の「それぞれのベスト」で 「こうである」こと

そして「まだ 白になっていない 世界」
 そしてそれが

    次の時代へ行く為の転換点

 その為の「必要」そういうことだ。


だけど その「事実本当」を 知って。


   私は どう するのか
      どう あるのか


きっとその話だ。


「      ふぅむ。」


だから その「必要」は 「本当の必要」なのか
 その「白になるの真意」は なんなのか。

なにしろ とりあえず「自分に煙に巻かれる」
 そんな状態になりながら

また お茶を淹れ変えることに したんだ。





 


「   ふぅむ。」

 そう それは。

 「物語の主人公視点」で 見れば
 「悲劇」や「革命」なにしろ「いろんな色」の着いたものであるが
 「ここ」から観れば それは「必要な通過点」
 それでしか ない。


あの。

 「血色の土」「大地の割れ目」へ 飲み込まれていったみんな
 
その光景を思い浮かべながら
 その時思っていた「でも 還るんだ」ということ

 「その時の私」に「その意味」は わかっていなかったけど
 今 観れば「確かにそう」で
あの時のことも きちんと真実が記されているから わかる。


 そう
 それは 「どんな悲劇」でも。

 「世界の必要」「通過点」だから 起こることで
 「それを得て なにをするか」
 「どう 生きるか」
 その「次の」へ なのだ。


だけど 本を閉じて また 開くと忘れる 私達は。

 「その 繋がりを思い出す」のに また「必要課題」があるのだ。


「    ふむ?」

 しかし
 自分がなんで 「繋がりをなんとなくでも憶えていたか」
 それを思い出そうとしてみたけれど
その「はっきりとした理由」は 見えない。


 「こうじゃない」
 「ああじゃない」と その時々で
 無意識に導かれあった自分であるが
  「その理由」は 「その位置だから」
 それしか思い付かない。


「  ま。 それなら それで。 いいか。」

とりあえず それもまた必要ならば
 出てくるだろう

 その 「気楽さ」で。


再び「予言の本」を眺め始めた私は それが
 なにか。

 さっきとは 違う光を放ってあることに
 気が付いたので ある。







  多分 「解凍されてきた」って こと

きっと そうなんだろう。

 「これ」も。

彼の 「ことば」と同じ様に 「始めの色」を受け取ったなら
 それが徐々に 沁み込んで きて。

 私に 馴染む様になってきて
  段々と 「わかる様になる」のだ。


 新しく 視えてきたのは

 「大いなる 流れ」その 幾つかの筋

   その 「中にある 大きな分岐点」

 「渦の 色」

     「様々な の色」

    その「結果を受けての 今」。


そう
 言ってみれば
 「本の中に書いてある文字」が 解凍され

 「描かれた 絵画」の様になり
  様々な色を呈し 私にその「なかみ」を表していて。

「含まれる 色」
「混じり方」
「濃度の違い」
「占める割合」
「色の系統」
「光の種類」
「その 重なり」
「多層」
「「今」に集約されある 無数の選択の結果」
 それが わかる。


「  うん。 意味わかんないけど、私にとっては わかりやすい な。」

 その 「絵の具をぶちまけた様な さま
  「混沌の鍋の中身」
     「光の虚空の色違い」

 そんな様相を呈した「予言の書のなかみ」は

 今 私にその本質を 見せ始め 
  それが「ただの事実」でもあるが
  「無数の光の選択の結果」で あることも知らせ
  「その数々の選択から枝分かれする 無数の世界」

 その「可能性」も 同時に視せてある。

言葉にすると わかり難いけれど。
 
 それは 「提示されてある絵」は ひとつ

 だが「含まれる色」「光の種類」からして
 違った未来が無数に「存在できた」、その「可能性の世界」で
 言い換えれば「無数のパラレル」

 だけど
  「結果として ある 今」。

だから この「予言」は「予言」ではなくて「生きているせかい」それそのものであり
 「それをカタチにしたもの」
言い換えれば そうでもある。


そう「せかい」は 話しかけてはこないけど。

 私に いつだって 「積まれてきた光の結果」
 それを 見せて在るんだ。


「    ふむ。」

 あ   でも   そうか 。


 その「生きている絵画」「せかい」

 それを「どう 捉えたものか」
漠然と目に映していたけれど それは「わかってみれば簡単」だ。

 
 そう
「視点の変更」「使っている 眼の交換」

私は今「体にある目」のつもりで「本をめくっていた」けれど
 「高い視点」「眼」から観ればそれは簡単なのだ。


 「大いなる 流れ」「渦」

   「いろ」という 私の得意分野

 「無数の粒子」 
        「混在」
            「光」

  「質」  「濃度」   「配分」


 そうなんだ
 「裏側から観れば」それは確かに「混沌の鍋の中身」

 「あらゆる可能性」の「スパーク」からして
 導き出された「今」を「カタチにしたのが予言書」なのだ。


それは 「せかい」で あり
 「生きて」いて 
     「生命」の「生きる」ではないが
「ある意図」「方向性」を持って動いてあり
今も物凄いエネルギーで 躍動している 「場」なのだ。


「 えっ  なにこれ。 言葉にするの難しいな。 てか うん なんか。」

 そう なにか
 その「うにうにした 可能性という 空間」

その「本でもあり」「虚空でもあり」
  言ってみれば「切り取った せかい」

その「不思議なもの」を 実際手にして 私は。


「  えっ だから 結局。 どう、なんだ これは。」

 そう 呟いていたので ある。













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