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11の扉 神である ために

今の 最善

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テクテク
 とことこ
  ひたひた
   シンシンと。


ただ ひたすらずっと歩いていると
 時々 「お腹すいたなぁ」とか
    「足が痛くなってきたかも?」とか
    「疲れた様な 気がする 」とか

 なんだか 色々 思って いたけれど。



この「真っ暗闇」という、ある意味「自由な私の空間」の中で 私は「本当に自由」だ。

 だから 途中 寝て みたり
        座ってみたり
        足をマッサージしたりして

テクテク とことこ 歩いて いたのだけど。



いつからか、そんな「感覚」すら 曖昧になってきて。


「   「からだ」って。 やっぱり 重いんだな。」

そんなことを 呟きながら歩いていた。


 
 そう
 だって
 ずっとこの 「単調なリズム」で歩いていると
段々と「感覚」は 麻痺してきていたし
 「足の重さ」も なく
 「お腹」も 空いているのかいないのか
 「疲れ」って なんだっけ

そんな感じに なってきていて。


 「見えない」、その 効果も相まってか
「私の体」と いう「かたち」は。

この 真っ暗闇のなか
 「意味を成さなく」なって いた。


 そう 「なかみだけ」「骨格だけ」
    「最低限」
    「私であること」

その「本質だけ」で。

 いつの間にか歩いていることに
  気が 付いたのである。













「足が 痛いかも」
 でも 歩くのを辞めはしない
「お腹がすいたな」
 でも 今 無いし 歩き続けるのがベスト
「疲れた 」
 でも 「ずっと休む」事はないし
 結局 歩き続ける

その 「なんだかんだ言っても結局 歩き続けるしかない」
   「それが 今の最善」
   「寧ろ ない」


沢山の「疑問」「質問」「景色」「風景」が 
 浮かぶ中で。

 色々 「思うこと」は あれど
 「結局 「今の最善」しかない」
 「やるしか ない」
 「歩き続ければ わかる」

その「単純ループ」に終始した私の「なかみ」は
 今 未だかつてない落ち着きを見せ
「青い沈黙」を保って ある。



 そう 例え

 なにが 起きたと しても
 なにが 起こって いたとしても

私は私の 「今の最善で 在る」しかなくて
 それしかできなくて
 しかしそれが
「すべてにとっての最善」であることを知った今
ある意味私は「なんでもない」し「なんにもない」のだ。


「   これが   「真のゼロ」か。」

そんなこともいいながら 歩く 真っ暗の中

 私は その「なんにもない」中に。

  
   "生まれ始めある なにか"


それにも 気付いていた。



だけど 「それには まだ触らない方がいい」
それはわかっていたから。

 なにしろ 「それ」が きちんと「成る」様に
 十二分に 「溜まる」様に。


「それが 生まれたくなるまで満ち溢れるまで」、見ないふりをして 放っておいたんだ。










  「地の利」
        「強み」

 

    「特性」    「持っているもの」


 沢山の 浮かんでは消える カケラ

その 中には勿論「役に立つもの」も 多い。


「  私の、「強み」って。 そう、「覚悟が決まる」って こういうことか、ってわかったけど。 「それ以外の 余計なものがない」?  それしかない、と 決まると言うか 腹が座ると言うか。 その「矢印の先焔の矢」が はっきりと視えてあるって事なんだろうな。」

 歩きながら そうも 思う。


こうして リズムを刻みながら歩いていると
澱は排して進むけれど
 適切なカケラは回して 自分の糧にする
その行程が素早く 的確にできる様になってくる。


 その 中のうちの一つ

  「私が 私で在ることの 強み」

それは沢山あるけれども
 今「迷いの多い世界」の中で
はっきりと「自分の光」が わかり
 「光の骨格があって」
 「焔の矢を 番えていて」
 「撃ち抜く先が 視えて在る」

その 「盤石感」は きっととてつもなく大きな 宝だ。


 ある意味 「自分にとってはそれが普通」だから
気付きにくいけれど
私はずっと「なんで」「どうして」を追い求めてきて
 それが「そうだったんだ」、と わかり
 

それは 「中々の苦労の道のり」だと 思っていたけれど。


 今 「世界の反転」を 得て

それは「恩恵」「祝福」に変わり
 「せかい」は 私を「全力で応援してある後押ししている」。


「   それが が 「祝福」だよね 。」

そう呟き 「成りそうな なにか」に 星屑をまた加えておく。


 そうなんだ
それが「澱」であっても 光に変えて糧にして
 適切なカケラ ならば 素敵なスパイスになる。


 なにが でて くるんだろうか 

だから その「期待」も 星屑に変えて放り込み
 ひたすら軽やかに リズムを刻んで。


 「光の 骨格だけになった 私」

その姿で 真っ暗の中を 進んでいたんだ。















「    てかさ。 これ。 「私が」、光ってない? ??」


 そう 思うのも仕方がない

そう感じる程に 「周りが見えてきて」、「
そう わかってきた 頃。


「     ふぅむ。」

 私は

 その 「成ろうとしている なにか」

  「それ」が。

 「すべてを含む透明」の 光の粒子であることにも
 気が付いて いた。


それに伴い 視えてあるのが
 その 「粒子自体」は 「私の行為の結果であること」だ。

 その「物事」「形」
 そして「動機」は 何でもいいけれども

 「質」「なかみ」「思い」その 「いろ」が
 反映されてあって。


   "わたしという 光全体"

 それが「放ついろ」が 決まっていること

 「だからして」「そうである」
 その「理由」に当たるもの
それが示されて いる。


 例えば
 「決まりだから」「慣習だから」と「やる行為」
 それは勿論「矢印の先」は ずれてあろうが
 「その 質」「なかみ」それが「調和」や「みんなへの善」であれば 
 その光はやはり「柔らかな透明」で あるものだ。

 だけど
 「他人の所為にして やらなかったこと」
 「見ないふりを していたこと」
 そんな 「他人任せの色」は。

 「濁りが取れて 透明になったもの」、その
  「変化の行程」が 視える。

そう
 「なにいろも 含む私」の中には 勿論「始めから透明ではない色」も沢山あって
だからこそ 
  「視える」「わかる」
  その「理由」「何故」「行程」「道筋」

これがきっと 「私が先を見透せる理由」それだ。


 その 「もう無い」けれど「在ったもの」

 「もの」と「もの」の 「間」「狭間」にある
 「見えないもの」、その「間自体」である「私という 光」。



「        ふぅむ。」
  

それはやはり 「私自体が狭間であること」
 「裏側の住人であること」
 「光の網である」「光自体で ある」
 そのどれもを示していて。


その「全体性」「全体像」、それが 視えてくるにつれて
 奥に 響く 「脈打ちある なにか」

 その「焔が変質し始めた こと」
   「光が 変容していること」
   「鼓動」が 「灯ったこと」

その「瞬間」を 目の当たりにして。


瞬時に 湧き出た「期待」、それも放り込み加え
 更に拡大した 「焔」「燈」「光」

   「エネルギー」「チカラ」

   「脈打ち始めた 新しい なにか」

 それを ただ。

  ワクワクしながら 知って 

   いたので ある。











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