透明の「扉」を開けて

美黎

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10の扉 わたしの せかい

そして

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「ねえ、朝。結局さぁ? 」

「なによ。」

「私 いや、こないだ話したじゃない? その、「日本人魂」みたいな なんか。 そのキレって言うか、それを生かして 私なりの神をやりたいんだけど、それがどう生かせるのか 全然わかんないんだけど。  「キレ」だと 違うのかなぁ   。」

「・・・・。」

 呆れた目をした 朝はくるりと回って。

欠伸を一度、した後に 丸くなってしまった。

 多分 寝ては いないと思うんだけど 。



「    う~ん 。」

 結局 あれから。

割と 勢い込んで「やるぞ」と勇んで帰ってきた私

 だけど「チョイチョイ」とちょっかいをかけてくるカケラが背後をついてきて 
 それが「なんなのか」って 振り返ると。


「  あ~~  ~。」

 そう 「キレ」
 その 「精神こころ

私達の「体に流れる チカラ」、その性質に大きく関わる その光

 それを忘れているんじゃないか って。

カケラ私の一部が 言うんだ。



 だけど

「 キレ?を 生かして ??」

 ? ? ?


そのくるくるにハマった私は とりあえずこの難しい微細な点を
 「私をよく知るもの」に 訊いてみるべく。

魔女部屋へ やってきたので ある。



「……………で?なに、それを「どう活かすか」?」

「 あっ うん、 そうなんだけど。  だって、そもそも「キレ」って言葉がちょっとアレだけど、「キレッキレの神」とかじゃない気がするし  なんだろうな  。」

「…アハ」

「えっ。   なによ。」

「いや、想像すると、可笑しくて。いや、意外と、全然、「イケる」と 思うけど。」

「    まあ。   やれなくは、ない  けど    。」

「はいはい、分かってますよ。」


 そう
言いながらもケラケラと笑っている朝

私はそれを見ながらも「きっと朝はわかってる」、なんだか そんな気がして。

 とりあえず その「笑い」が治るまで
大人しく待っていた。



「……う~ん、てかさ。あんた、「キレ」でやろうとしてるから駄目なのよ。そもそもさ、なんで「キレ」なんか気にし出したのか、多分ポイントはそこじゃない?」

「   ふむ?」

「だからその、「キレの理由」?「なんでその気配が出せるのか」、みたいな話なんでしょう?だから、それを考えれば自ずと解ると思うけどね。」

「    ああ   なる  ほど ?」


 確かに。

「その 理由」それを考えれば。

 それは きっと

「「昔はもっと近かった」?」

「………多分。私も、それだと。 思うけど。」

「成る程やっぱり。  朝、流石だね。」

「まぁね。そもそもあんたがあっちこっち、寄り道が多すぎなのよ。」

「  まあ  うん。」


そうして「私のぐるぐるタイム」を わかってくれてある 灰色の毛並みを眺めていると
 再び私のスペースが「頭寄り」になってきて。
 なんだか
混乱の気配を醸し出し始めたのも、わかる。

だから とりあえず。
 再び 口を開くことに した。


「   でも  さぁ?」

「……うん?」

「昔はもっと、近かったけど ?ここデヴァイにも スピリットは いて   あ、今はいないか。うちにいるから「いる」と思ってたけど うーん???」

「………」

 あっ
  また「散らかってる」と 思ってる目。


そんな朝は くるりと回って起き上がり 
昼寝を諦めた様で。

 溜息を吐きながら こう 言った。


「…あのね。多分、「キレ」はある意味「結果」で、私が思うに大事な所は「求めるもの」で…なんて言ったらいいんだろうか。ほら、依るがずっと前に言ってた。「誰か一人が我慢してどうにかなる」、それはおかしいみたいな、話。長の事?それと、全ては同じで。」

「    うん。」

「結局、あんたは「全部が自分」なのよ。ナチュラルにね。、そう「思う」し「できる」し「やって来た」んだろうし、それが自然なのよ。だからそれが…云々で 相まって「全ては繋がってて」、物も人も自然も……「神」も。」

 そこで 一旦
 話をピタリと止めた 青い瞳に私が ぐっと 映る。


「あの、糸の部屋で「人形神」のページを見た時。私の中で、「ああ、この子の光は「これ」だったんだ」、ってすんなり納得できて。だから、扉の中までもついて行くのは自然だったし、あんたが最終的にハッピーエンドなのも解るし、私がこの家に居ようと思った理由も、すっきりした。……なにが言いたいのかって言えば。」

「結局、「せかいはあんたのもの」よ。」


 ぐっと 「刺さる」、その ことば


そう 言われて

 なにも言えなくなっている
 私を 見て。


 「私はそう思うわ」そう言って、またくるりと
 朝は 丸くなった。


私は いろんな事が 一気に「降ってきた」気がしていて。

 その 「カケラ以外から 齎された光」に

暫く 震えて共鳴して いたんだ。




  
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