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10の扉 わたしの せかい
ゆめ 交点
しおりを挟むなんとなくだけど 「リィーン」と。
耳の 奥で 白い耳鳴りがする せかい
真っ白な 空間
充満する「わたしのひかり」
無数に浮かぶ 光る扉
その 真ん中に いる 「わたし」。
「 あ これ 夢だ。」
そう 思い付いてから
はたと振り返り「目的のもの」を 視界に入れる。
そう ここは 「あの白い部屋」だから。
きっと 二人が いると思ったんだ。
「「おめでとう」」
「 あ ありがとう。」
その「予定通り」。
私が 振り返ると二人は大きな人形の姿で
美しくそこに立っていたし
その二人が同時に発した「ことば」の意味も。
周囲に 「ある」「無数の扉」を観てあれば
どうしてなのかは わかる。
そう 多分
私はこの「無数にある 可能性の扉」の中から
「最善」を選び
そして今 「最高の道」を 走ってあるのだ。
「沢山の 宙に浮かぶ 光る扉」
その「なかみ」は見えないけれど
「内容」は わかる。
私が そもそも旅立たないもの
階段下の扉を見つけないものから始まり
白い森に呑まれるもの
ラピスでぐるぐるしているだけのもの
シャットでイスファと仲良くしているもの
本部長がいないもの
グロッシュラーからラピスへ戻る道
デヴァイで柵に巻き込まれるもの
なにしろ 諸々 ある。
だが
しかし
その 中でも。
目立つ 穏やかないろ
「争い」がないこと
「戦い」も なく
「一定の調和」が保たれていて
それが
「わたしのせかいである」ことを 象徴していること 。
キラリと光り 視える「分岐」
ラピスの森の中
レシフェに対して「想像したこと」
結局私に「人を傷つけること」は。
できない ということ。
「 ふむ。」
その どれを見ても。
私が「どういうものか」、知った自分の視点から見ると
面白いものが多く「全くあり得ない」ものが 無いことがわかる。
そして。
圧倒的に多い のが「シンとハッピーエンド」のもの
しかしきっと。
ある意味「そちらが本筋だった」のが 何故だかわかる。
「 ぇっ 。 なんでだ ろう。」
無言で 優しい光を発してある二人を見ても
なにを言うわけでもない。
だから 「私が わかる」ということ
そうしてじっと その「ハッピーエンドの色」をぐるぐると見てあると。
あっ
これ か。
なる ほど 。
そう その「本筋」とは
「私が姫様と二つがひとつして
シンと人形神になる」、そのパターン
「 だから か。」
そう
いつからか「袂を分つた 二人」
「そこから」。
「それ」は 始まっていたんだ。
「 ? でも なんで ??」
くるり 振り返ると
「私がいる扉」は「これだよ」と 光ってあり
「最善最高」「私が本当のひかりを見付けて」「ハッピーエンド」の扉が 見える。
「 ふむ?」
そう して
私がひとり 真ん中で 首を捻ってあると。
「「あの。「ことば」は、分かったか?」」
そう 姫様が言った。
その 瞳を見ると。
「あのことば」が
「「人間ではないのだぞ」」と。
言っていた あのセリフなのが知れる。
確かに それは
私の心の何処かにも 引っ掛かってあった ことば
でも 確かに。
「今は」「わかる」んだ。
何故 その時 そう「念押し」されたのか
彼に そう言ってあったのか
それは私に対してのことばでも あったのだろうし。
確かに 「私達は人間では収まらない ひかり」
それだったんだ。
「はい。 ありがとうございます 。」
なんだか 敬語な わたし
きっと「姫様自体」も私の一部だろうけれど
なんとなくそうした方がいい気がして
そうある 自分
だけど「一瞬ニヤリ」としたシンが
いつかの「悪いシン」に見えて。
「 くっ」
なんだか 混乱すると共に「ぜんぶ わたし」
だけど 「個々」
その矛盾をまた気持ちよく感じながら
もう一度ぐるりと白い部屋を 見渡した。
「 ここへ。 来た と 言うことは。」
ふむ。
そう
それは「区切り」
「通過儀礼」
なんだかこの頃 ぐるぐると廻りある私の「一時停止」
大きな仕切り直しで「ぜんぶが見える この場」で。
「また 新しく始める」それがわかる。
今 ベストを選んで在れること
無数の選択肢があったこと あること
その中でもシンとのハッピーエンドが本筋だったこと
「うん?」
て いうか。
なんで。
それは 「分岐 した」んだろう か。
そう「思う」と同時に。
見えた 二人の笑顔と
「キラリ」光った「生成エネルギー」
「 えっ あっ? そう か ?」
そう、二人の顔に 書いてある。
「私が 創った」のだと。
その 「初めから持っていた」
「自分のチカラ」で
「生み出した」
「そう 導いた」「あのいろ」
「金色の 光」。
「 。」
てか 「そこ」で。
「生成のチカラ」が 出る か 。
今 「ガッツリ」と繋がった
その「大きなひかり」
しかし
だが ?
だけど 。
「 ? 」
一体 それは何処で。
「生み」「生まれて」
「出てきた」「人格」
「ひと」「主格」
そう 始め
「シンの眷族」か下位の存在だったろう
あの「腕輪の石」が 何故
どうして どうやって
「そう なった」の だろうか 。
「お前が。直接、そう、した 訳ではないが結果として「そうなった」と言えるだろうな。」
その シンの言葉の色から。
「私が 私であったこと」で
「そうなった」
それが知れる。
そう 「生じた」「うまれた」のだ 。
「 」
なんと言っていいか わからないけど。
私が 自分で「した」「分岐」
選んだ「リスク」「未知への旅」
予定調和以外の 道
「見付けた」「自分の ひかり」
「本来の道」
「最高の シナリオ」
「真の ハッピーエンド」
私自身の 奥の奥に眠っていた
「真の 本当のこと」。
くるくると 回る走馬灯の様なカケラ達
それが回ると共に
何処にでも展開する「自分のスペース」に
流石だな と 自分で 思う。
だから 「結局 私は わたし」で。
なるほど
感動
しかし 静か
納得
腑に落ちる
まあ そうだよね
そんな風に。
「だからか」、その「納得感」の方が
今は強い。
もう少し前の「私」ならば
きっともっと「感動して泣けた」かも知れないけど。
「 まあ。 うん これで いい。」
そう一人、深く頷いて 二人に向き直った。
ん? あれ?
でも やはり。
もう「終わり」とばかりに
二人の姿は消えていて
あんなにあった扉の数も徐々に消えてゆき
私の足元も 覚束なくなってきたから。
「ありがとう 」
それだけ 言って。
暖かい ひかりを胸に
そっと眼を 閉じたんだ。
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