透明の「扉」を開けて

美黎

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10の扉 わたしの せかい

最適化

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「   ふぅむ。」

  最小限の 出力エネルギーで 

  最大値を 生み出す

 効率よく 廻す
 循環させる
 無駄を省き
 大きなもの物質から 小さなもの物質
  重いものから 軽いものへ

電話が 携帯電話になった様に
 「有線」が「無線」寧ろ「光」「空気Air」に なった様に。


 私達が せかいと共同すれば
 もっと世界も効率的に 廻せるんだ。


「  やはり それには オールマイティー君が うむ 。」

  必要 か

 だって 「一つがなんの役も出来れば」。

 そう 問題なぞ 起こらないし
 そもそも私達は物事でもなんでも、細かく分け
 それで便利を追求してきたけれど 
 それはきっと「縮小方向」の 「力の追求」で。

「流れる」でも
「発展する」でも なんでも
 そのが 調和と違ってあれば
 その摩擦の数も多くなるし 大きくなるし
 その矛先をずらした「発展拡大」は
 「全ては自由」ではあるけれども 私の望むところではない。


「てかさ。 21世紀って もっとさあ、こう 「宇宙」のイメージだったけど 」

   全然 じゃん。


そう 小さい頃、私の「描いていた かたち」は。

 その 「発展」「拡大」の方向が 「すべての為」に向かっていて
 私達は「暮らし」「生活」「生きること」に
 もっと「余裕」と「笑顔」を生み出して
 それが「相乗効果」になって。

せかいは 廻り 「新しい時代」を迎える。
 
 その 筈だったんだ。


「 だから。 それが 観たいのだよ 諸君。」

「お前は何を言っているんだ。で、どうなんだ。もっと「違うカケラ」が、あるんだろう?」

「 ああ、そうなんですよ。」

そんな いつもの午後
 いつも通りの 本部長の光る眼鏡
 その奥に「私を逃さない目」を 感じながら。

「   う~ん? これ かな ?」

そう言って「ポン」と私が取り出したのは
 この頃自分でも感じてある「より 高いカケラ」
 「天から降ろしてくる 新しい いろ」
その「いろを帯びた カケラ」である。


本部長曰く 「それを使えば」。

 もっと 自分の研究が捗るのは間違いないし
 それは私も望むところだ。

だから こうして。

銀縁のキラリと光る眼鏡 
 珍しく皺のある白衣と向き合いながら。

   これか

  いや これは まずい
   いや  こっちだな ?

そうやって「やり過ぎないカケラ」を 判別していた。

 あの時リクエストした 花火
それは確かに素晴らしかったけれど。

 音が 大き過ぎて 
  慣れていないデヴァイの人々が
未だに
「音にびっくりして起きる夢」を 私自身が観ていたからで ある。


「 そう、「階段は下から登らなきゃ」ね。なにしろ いきなりは良くない。」

「………で、どれにするんだ?」

「ああ、 これですかね?」
「ほう?」

 さて と
  こうなった本部長は 放っておいて。


「 じゃあ 失礼しま~す。」

聞いていないだろうが 一応挨拶だけをして
白い扉から 青縞の廊下へ自分の行き先を滑らせて ゆく。

  ふぅむ。 

   さてさて  今日は

  どこが   なに が


    私を呼んで あるのか  うむ。


そうして いつも通り 真っ直ぐ進んだ 私は。
 
大きな アーチを潜り抜け
そこに「新しいもの」を 見つけて いた。


 それは これまでにはなかった もので。

「  ふむ?」

いつもの清浄な青のホールに ある 「珍しいもの」
それを 目に映して暫し 立ち止まっていたんだ。



「  ふむ?」

 「それ珍しいもの」は どうやらようく観ると
 繋がる廊下から流れ込んできた 向こう側デヴァイの色である。

 えっ  なん で?

始めに 浮かんだ「???」マーク

   どうして だろうか しかし

 「良いこと」 いや  いいも悪いもないんだけど 

   ふむ?


私は 初めてのことながらも
自分の想像が「上方」へ滑ってあるのを確認しつつ 
その「侵入」を眺めて いた。

 「なんか 面白そう」「なんで?」
 「てか 変化したからだよね ?」

そんな風に。
 
 自分の中のみんな光達が 囁き合い始めたのが
  わかったからで ある。




 ふむ。

じっくりと 観るに それは
 どうやら「色々な糸端」「流れの色」「気配」、そんな 様なもので
きっとこの頃のデヴァイを反映してある、それだと思う。

 少し暗い 紺色の廊下から漏れ出る 色

   ふわりと 流れ出るもの

     「異色」
          「荒い粒子」

   「馴染まないもの」

それは青のホール私の空間へ入ると スルリと消えてしまうのだけど。

 でも 「入ってきたこと」、それ自体が 嬉しくて。


「 馴染んで?高さが合って? きたって、こと だよね ??」

そう思いながらも「何故」の部分があたまスペースの中を回り始める。


 ふむ ?

    ほう ?

       成る程 ?


  「チカラ」
       「粒子」

      「幾つかの 流れ」

   「強い色」
              「弱い色」


  「開いているもの」
      「閉じているもの」


    「ズレ」   「摩擦」

  「正常な流れ」と「逆流」


   「引き寄せられてきたもの」

      「遠く離れてゆくもの」

 そして その
   「間」「隙間」「間隔」が 以前より

   開いてきていること 。


その 「入ってこれた色」を観察してあると視える、「これまでとの違い」

 「変化した色」「変化していない色」
そして 「その「間」の距離の差」
 「その「変化」に含まれる 私のいろ全てに含まれる光」。


そう きっと 私達は。

 これまでは 本当に 「どの レベルも 同じ場所を流れること」を 前提とした「世界」にあって
だけれど 今。
 それに気付いた者と 気付かない者
 若しくは流れたい者と 逆流を楽しむ者が。

「乖離し始めた」んだ。


「   ふむ? して?  だから これはきっと  「お知らせの光」、「流れ」なのか。」

その「色の理由」は読めたけれど
 何故 今 ここへこうして入って来れたのか、それはまだ私に視えてはいない。


  紺、水色          黄色 
          桃色 
             小豆色
  深緑  灰色 
             黒 
    濃茶  
            鶯  墨色。


いろんな「新しい 色」、しかし澱も多く混じる その色が消えてゆく様を観ながらも
 なんとなく 「現れる」気がして 。

そのまんま 私の求める色を 待って ある。


そうして 少し。

  緩り ふわりと  流れる色が

  減少し始め 「そろそろかな」そう思った 時に。


  あ でも。  ふむ

    「これ 」だ と。

それ焦点」が 視えたんだ。






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