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10の扉 わたしの せかい

覚悟

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「で?どうなんだ、お前の準備は。別に物を用意している訳じゃないんだろう?」

「 まあ。 そう ですね。はい。うん」

 目の 前の 箱

 その 中の不思議な感覚
    設置されてある 石の色 粒子
    バラバラの置き方と 数

  その組み合わせと可能性 「出来上がるもの」
 それを 思い浮かべながら。

 共に回る 「準備」というカケラ

それは私の中では半分 終わっていることでもあるがしかし
ある意味「本番は出たとこ勝負」の自分にとって
それ準備が あまり意味のないことも 同時にわかっていたから。

 そんな曖昧な返事を溢しつつ
つらつらとこの頃の自分を振り返って こう思っていた。

  
 やはり 「人の振り見て我が振り直せ」
     「決めたら そう なる」
     「やるか やらないか」

それは「結局そこ」、そんな 内容で。


この頃のぐるぐるを鑑みて また 出てきた「同じ結果」
だがしかし「廻らねばわからぬ」それに。


「  結局 私って。そんなもんよね。」

「何を言っている?まあいいが、それで  」

そう 溜息と共に呟いた私を意に介さず
箱の話を始める本部長 
 そのいつもの光景に腕を組むと 同時に意識が「なか」へ 拡がり始めた。


 ふむ。

 キラキラ くるくると 回ってある
  「いつものいろ達」

  「安心」   「安全」

      「同じの波長」

それを受け
 展開する 「私の場」
     
    「同じ色の声に」
  「心地良く回る カケラ」
   
        「馴染んだ 空気」

   
 その 中に混じり光る 「成ってきた いろ」。


「  ふぅむ ?」

時折
箱を指しながら本部長が挟んでくる 質問を聞き流しつつも
自分の中で固まってきた その光
それはきっと「覚悟」か「決意」「決定」の いろで。

 この頃の 私の中を廻り 成り 出てきた、その「新しいいろ」
それは 見たことのある、見慣れた いろでもあったけれど。

 きっと これまでとは違う変化した いろ
だからそれは「どんなものなのだろう」と。
 じっと その焦点を判別しながら光を当てていた。

 くるくると 目の前を揶揄う様に回るそれは
 「できる できないじゃない」
 「やるか やらないか」
 「どうして簡単なのに やらないのか」
 「一歩を 踏み出せないのか」

 「わかっていると言うけれど 
   わかっていないからじゃ ないのか」。

その 「他人の事など言えない病」に。
 再び 自分もかかっていた事を 示していて
「一番高い私」が 笑っているのが わかったからで ある。


「 てか。 結局、。やらなきゃ この世界では誰もやらないし てかそもそも「そういう問題」でもなくて 「わたしはせかい」で「自作自演」、そもそも論で。 せかいはまるっと「そうできている」、それなのよね。」

「…………。」

全く 話を聞いていなかった私を見る、眼鏡の奥が冷たい。

「 えっ それで? なんでしたっけ?」

「………まあいい。とりあえず式を進行するのはあいつでいいんだな?」

「  ええ。まあ  そう ですね。ふふ」

「なんだ、その「ふふ」は。恐ろしいな。」

「失礼しちゃう。」

箱に対する質問を諦めて、本部長が振ってきたのは
結婚式の進行役をする 神父の様な役目の事だ。

「てか、大丈夫だったんですか? 今、どういう扱いになってるのか 私は全く把握してないんですけど。」

「………まあ、お前の心配する事じゃない。とりあえず今は青が台頭してきているから、あいつに任せるのも自然だろうよ。その辺りはラガシュが上手く、やる。」

「    ふぅん? 成る程 有り難いですね。」

「その位だろう?タイミングはで完了、後は参列の場所か…   」

 ブツブツと 顎に手を当て呟き始めた 
  水色髪を 見ながら。


 想像する 礼拝堂の景色
くるりと反転した 私の視界 。


 ひろく 緩やかに
         差し込む光

    中央階段上の踊り場に立つ 三つの影

    美しい ドレスの流れとシルエット
    二人が醸し出す 幸せのいろ

 その 前に立つ 静かに光る 金 。


 青灰の 高い天井 流れる曲線
  静寂の中 並ぶ人々と 密かな囁き声

  みんなの ドキドキと ワクワク
        祝福と  少しの緊張

 静けさに比例して 湧き上がる期待と
  その反対側にピッタリくっついている 少しの 不安。

 だけど 爽やかな 一陣の風が 吹いて。


   場の 空気が変わると共に

 あの色金色が手を 上げ

  同時に反応する
     私の 真ん中に強くひかる 星

そして私がそれを 解放すると 。


 それを受け 反射する様に

   一面に 回り 降り注ぐ 光

 反応し 共鳴し始める
   色とりどりの 「それぞれの 色」。


「    ふぅ む 。」


今回、リュディアの結婚式は。

 相手が シェランという事もあるからか
  私は 特に希望を言っていないが
 進行役は金色が務める事に なっている。


二人とも、顔見知りの 彼
 私がみんなに通達してある「光の結婚式になる」ということ

勿論 何かが起こりそうな結婚式に 
 撒いた種はある意味「ひとつだけ」だ。

 そう その「祭祀」に 共に流布されている噂
それは
 「自分の色が 何色なのか 見える式」、それだ。


私はやはり「光を降らせて」。
 
 顔を 上げる「きっかけ」を創り
  それを見守る観照する役目

そこを ずらす気は無いし 
ある意味それが成れば「充分」、それも わかる。

「きっかけ」があればいいのだ。

 その人 それぞれの「その時」、それはやはり他人そとから齎されることはなく
自分の中身が「成った時」、それぞれの段階に合わせて扉は開き 次のステップがやってくる。


「そう、私も そうやってずっと。 やってきたんだ 。」

そう言って 大きく息を吐いて。
ふと顔を上げるが既に白衣の姿は無く 奥の小部屋から低い呟き声が 聴こえるのみである。


「 さて。 じゃあ 私もお暇しますかね 。」

そう言って 少し手を上げ
くるくると回る 周囲のカケラを視界に入れ
 ついてくる様 確かめて。

そっと 書斎を出て
気の向くまま 青縞の廊下を歩き始めた。

  シャリン 
       シャラン と 。

その 小気味よくリズムを刻んだ 歩幅と絨毯の感触
 「聞こえない音」を聴く 私の感覚とカケラ達の回転が。

進むことにより「合わさり」「成ってきて」、その着地点が観えてくる
 それが わかっていたからで ある。
 



「    ふぅむ。」

なんとなく 開放感が欲しかった私は
そのまま真っ直ぐ青のホールへ行き 窓のよく見えるベンチに座って。

 ダラリと 上を見上げながら 
  スピリット達と舞う カケラを見て唸っていた。

なんだか 私を誘う様に舞う みんなが
 「また 同じところで回ってる」
 「そんなの放り出して 遊ぼうよ」
そう 誘われているのと
そう した方がいいこと
 それが 心底沁み込み始めてあるのが わかったからで ある。



「   まぁ。  だよね 。」

 そう呟きながらも「美しく並び終えた」、カケラ達を ずっと眺めて あって。

再度 唸るわたし
 そう これまで何度も 「覚悟」の瞬間には出会ってきたんだ。

 しかし
「覚悟といっても決まっているかは やってみないとわからない」、そう 思っていた自分

 だがしかし 「今回は それとは違う」と。

「変わるかもしれない」と 中身が言う そのポイントは
きっと その「覚悟」がということ

だけど
私の中身が 言う その「内容違い
 それがわからなくて 見えなくて。

 ぐるぐると 惑っていた自分
  しかし少しずつ 観えてきた その焦点。


「  ふむ。 多分 これ、だよね 。」

きっと 今回私がぐるぐるしていた理由は
その「女神をやる覚悟」に「これまでの人間を辞める決意」が 加わったからで
 それは私が思う「まるっとぜんぶ」に「1の扉」が含まれたからだと 思うんだ。


 ずっと 思い描いていた「想像」と「現実」
     その 「狭間」

その「世界」が曖昧だった わたしに。

 とうとう 訪れた 「二つを一つにする 瞬間タイミング

 自分の中で整理できていなかった部分を 整理すること
 見易くすること
 「どちらの世界も 」こと。


そう
私の道の 行く先にある「光の創世神話」
 「夢を生きる」「想像を創造にする」には
それが必要不可欠なのだ。

でも それをのが 難しくて。

 いや 「難しい」ではなく きっと「こんがらがった」「長い」「広い」「深い」「網」を
 「浄めながら」「上がる」、それが 「必要」だったんだ。


「  ふむ。」

だから 「今」「この時」それが成って。

 「そう 

それが ようやっと知れたので ある。


そうしてそのまま 「成ってきた かたち
 それを眺めながら。

 「私という 女神」「私という ひかり」

それを やる為に。
 わからなければならなかった、その「覚悟」と「決意」、「自分の決定」を。

 きちんと 歩める様に 
      馴染ませる 様に
 なにしろ しっかりと。

深く 深く 息を吸い込んで いたんだ 。







 
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