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10の扉 わたしの せかい

縮小の呪文

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この頃 あまり世界へは出ない自分であるが
定期的に造船所へ顔は出す様にしている。

 「継続すること」

その 大切さを知ってある私は
「普段から顔を見ておくこと」
「特に子供達にとって それは重要なこと」
それは 自分の中の光達が 点滅して。
 お知らせしてくれていること
それだからであるし 勿論 自分自身も
そう思うから。

灰色の島の見回りを兼ね、顔を出すのが 習慣になっているのだ。


「 何処かの 光 か。」

 この 生では まだ ある意味
自分自身も「子供」であるけれども

「続けあること」「知らせること」
「知っていると わからせること」
それが
「安心材料」になる それを知っている光が私の中にあるのだろう。


「 ありがとう ね。」

そっと 胸に手を当てながら呟く ことば
 それは自分の子を育てられなかった ディーの色とも 重なって。

 じわり 私の胸を震わすけれども
 それはもう 「温かい光」だ。


   今 「そうあること」

その 「自分のなかにある ひかり」を信じて。

「なにしろ やるべきことを やる だけ。」

そう呟いて 今日も大きな扉を潜った。





「   ふむ。  して  はて。」

「どうした、お嬢。」

「いや、 なんでもない なくない?  でも、みんないい感じですよね?」

「そうだな。前よりは全然いいだろうよ。」

そんな シュレジエンとの会話を繰り広げながら
そのまま階下へ降りてゆく 大きな背中を見送る。

 私は 顔は見せるけれども
 直接「触れる」ことは あまりしない様にしていて。

自分が まだ「どう 出るか」、わからない部分もあるし
 「現場世界」は担当者に任せる
それはどこであっても自分へ課してある線引きの様な ものだ。

 そう 私は「曖昧な存在」

そのくらいが丁度いいので ある。


「  結婚式  光の事も、あるしな。」

 それに なんか。

  「不思議な存在」って いいじゃない

   「必要」じゃない ?

  日常に  「不思議」

   「謎」  「ちょっと怖くて」

  「でも 見たい」、そんな 存在。


「 だよね。 まあ、私が怖いかどうかは 別として 。」

そう一人 クスリと笑いながらも 子供達の様子を眺めて。

 さっきから 自分の周りをくるくると回る

  「小さなカケラ達」
その 正体を判別し始めた。

 多分 シュレジエンは ああ言っていたけど。

私が 今「気になってある」「追っている」小さなカケラのヒントが あれに含まれているのが わかるからだ。



  ふぅむ ? ? ?


それは 所謂「よくある 色」の それで

  ここ造船所でも よく見るし
 向こうデヴァイにも 沢山あるし

 最近 私の疑問の中に ある 。

   「意外と よくある 不可能」

その色と「同じ」粒子を含む。

 チラチラ キラリと 飛び交うそれは

  「無理」「できない」「面倒くさい」

そんな「消極的セリフ縮小の呪文」と共に 空を舞う もので。


「  ふむ。」

それをじっと観てあると くるくると舞うそのカケラの暗色が 周りの「明るいカケラ」を吸収 消失 させているのが わかるんだ。


  なる  ほど  ? ?

  確かに 。

  「消極的」「打ち消す」
そんなエネルギーを持ったその色は 明らかに周りの色を吸収して「方向性」を「縮小」へ 持っていっている。

 だから「強いチカラ」を放つ
  「拡大の色」、その側にある子達には
何の問題も無いけれど その「縮小の色」は 伝播しやすくて。

どんどん 周りのチカラのまだ弱い子達を吸収し「その 場」へ取り込んであるのが わかるんだ。

 それは 明らかに 「色」が違っていて。

今の眼で観れば 「誰が どう放ってあるか」、それは一発で判別できたからで ある。



「  成る程 しかし。 ふむ?どう するかな。」

 本当に 「 どうのか」も含めて。

くるくるとカケラを回し始めた自分
 その「頭の中スペース」には
 「拡大色」と「縮小色」が混じり合っては 「反応」し
 私に「どう あるべきか」を画像で 示してくれて いる。


  ふむ。 やはり 「縮小」のチカラは 強い

  だが しかし きっと 
 「それ強さ」は 「慣れ」や「親しみ」
   「癖」だよね  うん 。


やはり ルガやそもそも「可能性の場」を持つ チカラの強い子供達は。

 その「縮小色」を ものともせず
   自分の拡大色を打ち出しているし
 プラスで自分の周りの子供達にも「場」を広げ
 「見せて」ある、「お手本」にしたい それである。


 それに。

「 まあ そうなのよね。」

  のって。

  ある意味 「楽」だしな ?


そうも思う 自分
 だがしかし 「それ諦める」が できないのも 私である。

なにしろ「問題に見える それ」は どの世界でも蔓延る普遍的な「色」であるし
 私がこれから 創る。

 結婚式にも 関わるもの

それが わかっていたから。


 さて どう しようか ?

それを 「素敵な色」を展開してある 
 可能性の場を広げた 子供達を 観ながら。

 なんだか不思議な気持ちで

 考えて いたので ある。





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