透明の「扉」を開けて

美黎

文字の大きさ
上 下
1,266 / 1,751
10の扉 わたしの せかい

自覚

しおりを挟む



「成る程、それは。確かに、必要だろうね。なにしろ自覚できると早い。………しかし、以前から言っていたけれども。君は、解っていない訳ではないがなにしろ「その能力」が広範囲で捉え辛くて、一言では言い表せない。焦らなくともいいんだ。だが、話を聞くに「段階を上げろ」という事なんだろうね?だって実際「君のやっている事」はきっと「同じ」で「変わらない」し、「変えなくていい」のだろうけど、変わるんだ。…そういう事なのかな?」

「    多分。 そうだと 思います。」

「君が、「自分で思っている 位置を上げる」。そんな感じなのかな。ここらで本当に「神として現れる」、それも練習になっていいかも知れないよ?」

「    イストリアさん  。」

 でも。

 「それ」は やらないけど

  多分 きっと 「そういうこと」なんだろうとは
 思う。


もっと
きっと
ズバリ
ズバンと。

   私は 「世界」を 切り離していい

そんな「おとこえ」が 奥からするからだ。

フリジアも「片足を突っ込んでいた」と 言っていたけれど。


 その「足」を もっと本格的に抜いて

 「あるべき場所に収まる」そういうこと なんだろう。


「  ふぅむ。」

「まあ、なにしろ考えて解る事じゃないだろう?そうそう、その「フォルトゥーナ」の事だけれどね。それもやはり、「青の本」からの情報だ。良かったらまた、読んでみるといい。…あの子の部屋にあるやつかな  」

 なる ほど 。

  やっぱり  そんな 感じ ? ?


ブツブツと 記憶を辿り始めた水色髪を 見て。

 私の記憶も フワリとあの 「中二階のお茶スペース」へ 跳ぶ。


 ふむ  あの  時は  そう

  「あの店」を 見つけたのが 楽しくて。

 フワフワと やって来て 話をして
 しかし
 私が 「運命の輪」を廻す

   ふむ 

  「みんな それぞれの輪」

  「自分の 輪」

    「自分の 道」

  「運命」

    「神の悪戯」


  
「自由にまわす、  権利が ある 」

「そうだね。」

 あれ 口に出てた。

「そう、道行を見守り、その「輪の最善」を知り、また時に風を吹かし、全てを流し、時に恨まれようとも。世界の最善を思い流れを創る、それがフォルトゥーナの役目だ。自分でどう思おうが、どう整理を付けようが。それは構わないがね。そこは心配していないよ。なにしろ、君は君の心のままに、自由が。いつだって最善、だから大丈夫さ。」

「    はい。 ありがとう ございます 」


 大きく 
  私の「なか」で 風が吹く。

無言で 微笑む薄茶の瞳

いつだって私の背中を押してくれる 力強い 光。


「  なんか  」

しかし、その後 言葉の続かない私を 嬉しそうに見ていた彼女は。

 フワリ と 私を抱きしめた後、
 部屋の扉を開けて 無言で 指し示したんだ。







トコトコ トボトボ   ポツポツ と

  歩く  私の足

不思議な感覚で ひとり 静かになにもなく
歩く 道。


 それは 「私の道」そのものを 表す ようで。

なんとなくだけど
「寂しく」は ない
「悲しく」も
「少し嬉しい」
「落ち着く」
「沈黙」
「静寂」

そんな いろを 肌で感じながら。

私に「この時間」を与えてくれた あの色に感謝しながらも
チラチラと背後を過るカケラ達に「待って」を して
私はひたすら歩いて いた。


それが 必要な時間 だと
 わかって いたからだ。









 「褒め言葉」

    「   謙遜」

   「受け入れ」

     「当たり前」

  「当然」 「自然」

    「そうである から」「普通 なこと」

  「外から見た 私」

      「私の思う わたし」


   「世界」 「せかい」

  「私の 本当」

  「適用したいする せかい」 



思うに 私は。

 「既に いて」
 「そう 思われている」が
 「褒められる時」
 「弾かれるのが嫌」で「建前の謙遜」を していて。

それが 沁み付き 今 「自覚」もないし
「世界の枠」から見た「女児」というだけで
「軽く見られる自分」が 
そう「扱われてきた 私の部分」が 未だモジモジ していて。

 踏ん切れない
 割り切れない
 すぐ戻る
 引っ張られる
 
そんな感じなのだと 思うのだ。


 しかし それは
「私が自ら 選択した 世界」の ルールで
そこから「抜ける」ならば。

 自分で 「辞める」それしか ない。


「   ふむ。」

ゆっくりと 慎重に 刻む
 新しい リズム

 焦らず 勢いに 任せず
  静寂のなか 美しく羽ばたく 鳥の 様に 。

  優雅に 跳びたいんだ 私は。


外に出たくて あの扉時の鉱山を 開ける。

 それは もう「何処にでも 繋がって」いて

 「私を 望むところ場所へ 導く

  」だと わかって いるから。


なにしろ その 必要を満たそうと思って。

 真ん中の 赴くままに その扉を潜ったんだ。







 
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

妻への最後の手紙

中七七三
ライト文芸
生きることに疲れた夫が妻へ送った最後の手紙の話。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

【完結】私、四女なんですけど…?〜四女ってもう少しお気楽だと思ったのに〜

まりぃべる
恋愛
ルジェナ=カフリークは、上に三人の姉と、弟がいる十六歳の女の子。 ルジェナが小さな頃は、三人の姉に囲まれて好きな事を好きな時に好きなだけ学んでいた。 父ヘルベルト伯爵も母アレンカ伯爵夫人も、そんな好奇心旺盛なルジェナに甘く好きな事を好きなようにさせ、良く言えば自主性を尊重させていた。 それが、成長し、上の姉達が思わぬ結婚などで家から出て行くと、ルジェナはだんだんとこの家の行く末が心配となってくる。 両親は、貴族ではあるが貴族らしくなく領地で育てているブドウの事しか考えていないように見える為、ルジェナはこのカフリーク家の未来をどうにかしなければ、と思い立ち年頃の男女の交流会に出席する事を決める。 そして、そこで皆のルジェナを想う気持ちも相まって、無事に幸せを見つける。 そんなお話。 ☆まりぃべるの世界観です。現実とは似ていても違う世界です。 ☆現実世界と似たような名前、土地などありますが現実世界とは関係ありません。 ☆現実世界でも使うような単語や言葉を使っていますが、現実世界とは違う場合もあります。 楽しんでいただけると幸いです。

【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~

山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」 母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。 愛人宅に住み屋敷に帰らない父。 生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。 私には母の言葉が理解出来なかった。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です

葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。 王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。 孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。 王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。 働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。 何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。 隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。 そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。 ※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。 ※小説家になろう様でも掲載予定です。

処理中です...