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8の扉 デヴァイ 再々
素質と学び
しおりを挟む「確かにそこはちょっと。細かい、わね?」
「だよね 。でも、本来は そうなんだよ。」
「まあ言いたい事は解るわ。これから色々な事が、整理されて。きちんとあるべき形になったら、依るの言う様になるのよ、きっと。」
「 うん。」
のんびりとバーガンディーで ダレながら。
私がつらつらと 意見を溢しているのは
ソファーに寝そべる 朝の前
だからこそ
「意見」なのか 「疑問」なのか
「愚痴」なのか
その辺りは微妙なところなので ある。
「まあ、確かに。教える側も、やっぱり時間は取られるわけだし そこに対価?実費? お金が発生するのは仕方ないと思うんだけど。 だからこういう所で「公的な」 やっぱりフェアバンクスさんじゃない?」
「でも、あんたがそこまで口出すのはどうかって。迷ってるんでしょ?放っとくしかないわよ。」
「まぁね 。」
先日 みんなに会って話をしていた時。
どの 世界でも
中核を担い牽引して行くメンバーが集まっているだけあって、みんなの話題は「これからのこと」が殆どだった。
私は 側でフラフラしながら
聴いてる様な 聴いてない様な
そんな感じで いたけれど
勿論、チラチラとこちらに飛んできていた視線に。
気付かなかった 訳ではない。
みんなが具体的に 「なに」を 言った訳でも
ないのだけれど。
その「視線で投げかけられた疑問」が 私の中に残って いて
それがくるくると 魔女部屋で回っていたので ある。
「「教育」と「ケア、癒し」。まあ、あんたの得意分野だものね?」
「得意 。なのか どうなんだろうな 。」
「今更何言ってるのよ。」
「う~ん、そうなんだけどさぁ 」
歯切れの悪い私に、大きな溜息を吐く 朝。
「放っておいても、なんとかなるわよ。それは解ってるんでしょう?なにがそんなに気になってるのよ?また、対価の部分?」
「 うーーーーん 。」
自分でも 「なにが」気になっているのか
掴めなくて。
くるくると回っているカケラの色を じっと眺めてみるのだけれど
「いろ」としては「見知った色」、そう
以前もぐるぐると考えていた「対価問題」それに 近い。
でも。
なんか。
ちょっと ?? ?
「違うんだよなぁ ? ?」
多分 それは「私が変化したから」だとは 思う。
あの時 ぐるぐると考えていた私からまた少し、進歩した私の視点
そこから見た景色はやはり 少し違って見えるのだ。
でも なにが どこが
違うのか
それがはっきりと見えなくて。
目を凝らして いるのである。
「 ふ~む。」
「でもさ、とりあえず。あんたは手出ししないんだから、いいんじゃない。悩まなくて。」
「いや、そうなんだけどさ。単純に、気になるんだよ。自分で納得した筈なのに、なにが 気になってるのか。」
「まあ、確かにね。じゃ、ごゆっくり。」
「 うーん。」
案の定、そう言ってくるりと丸くなった背中
その フワリと揺れる毛並みと体に沿って
収まった尻尾を。
そのままじっと 眺めていた。
ふぅむ。
しかし ホントに。
また 私は一体 「なにが」。
気になって るんだ ?
レナの店の話
エローラが言っていた 「学校」的な 教育の場の話
シャットとの 交換学生
そう言えばロランはどうなんだろう
神殿での授業の話と デヴァイでの 女子の勉強の 話。
そこに絡んでくる 「教える側」の事と
「商売」のこと
「教育」なのか 「仕事 商売」なのか
新しい仕事 女性達の仕事
絡み合う「みんなの為」と「仕事とお金」
それぞれの成長と過程、ぐるぐると廻る世界の話。
「 ふむ。」
なにしろきっと 私が引っ掛かっているポイントは
「対価問題」、そこには違いないのだけれど
それはある意味自分の中では解決した問題である。
あ でも?
「自分の中では」? 解決したけど
「世界」にあるから ?
気になる の かな???
「教える」 「教わる」
「伝わる」
「繋がる」
「癒し」 「エネルギー」
「もの」
「振動」
「違い」
「合う 合わない」
「ズレ」
「対価」
「等価交換」
「情報」
「全ての道の先に ある もの」
「ふぅむ。 」
多分 今 私が気になっているのは
「私だったら 対価は貰わないのは 何故か」
それだ。
他人が 対価をもらっている事に関しては
別にそれぞれの選択だと思うし、それでいい。
教える内容によっても それは違いがあるだろうし そもそも「自分の食い扶持を稼ぐ」のは
この頃の女性達の目下の話題だからだ。
でも 私は何故
要らないと 思っているのか
「等価交換」、それは以前も思ったけれど。
「食べるのに困ってない」とか
「生活できてる」とかじゃなくて
それ以上に なに か もっと
根本的なこと 。
それがあると 思うからなんだ。
だから
その「はっきりとした いろ」を見つける為に。
ゆっくりと目を閉じて 息を吐いたんだ。
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