透明の「扉」を開けて

美黎

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8の扉 デヴァイ 再々

目を慣らす

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 なに でもなく。

 フワフワと浮かぶ 透明な泡を 見ていた。


なんだか 今 私の目の前に浮かぶカケラが。

  「透明な 泡」

そんな不確かなものに 見えたからだ。


  「見え 始めているもの」

 「見えてきたけれど」

    「まだ はっきりとしない 視界」

 「行きつ 戻りつ」

   
  「迷ってはいないけれど スタートを切る直前」

 そんな感じの 浮遊感。

 「繋がっている」「創って いる」
そう「知り」は したけれど
まだ「確かめ途中」な 踏み切り前のわたし

 じりじりと 少しずつはみ出そうとしている
  「向こう側」。


きっと「未知」へと踏み出そうとしている私は
まだ自分の手前に 投げた光を。

 積み上げ 重ね  踏み固めて
 「進めるかどうか」「沈まないか」
 「   」。

確かめ途中なのだろう
そんな気が する。

「 ふむ。」

そして
 今 自分が 詳細に確かめているのは

「私達の思う」というのは「創造の素」だということ

「なにをしているか」
「どこにいるか」
世界にある役割や役職など何も関係なく、「なかみ」の在り方によって「せかい」が創られてゆくということ

 その 「実践形」「実際 やってみていること」
 「試し始めた こと」

それはこれまでも 「思っては」いたのだけれど。

そう、「設定を変えてから」実際始めるのはこれからなのだ。

 やっては いたけれど 
 どこか 「意図」が 「設定」が 「原資」が
 古くて 上手く活用できていなかった 自分

 けれどもまた、世界の澱を降ろすに連れて
 更に軽くなってきた 私のからだ

そこからまた見る景色は「範囲」「彩度」「いろ」「詳細」
どれをとっても 「新しく」変わって いて。


 そこからゆっくりと 瞬きをして

 瞬間瞬間 意図して視界をクリアにし

 改めて 「みる」「せかい」

   「上がったこと」をきちんと意識して

    始める 新しい道 。


「そう、形の無いものを想像して。それを、やる 進む 歩く、ことは難しいけどその「せかい」を創る、「テンプレート」「場」から創り始める、って事だもんね ?」

 そう きっとまだ少し惑っている わたし

それはこれまでの様に「見えるもの」を重視する事に慣れた目が それを受け入れ進んで行くのを練習している所為なのだろう。


 そうなんだ 時に私も。

この「世界」にあって 周りがこれまでと何も変わらない現実を見ていると 自分だけが迷子になっている様な気がしてくるのも、また事実で ある。


「でも。 なんでなんだろうか。この、突然「迷子になる」感は。」

しかし 原因は分かっている。
それは「表側」に 自分の真ん中が ズレた時
 「原資」は使っていなくとも
 少しだけ。
 
チラリと 「そちら側表側」へ はみ出してしまった
そんな時に 突然襲ってくる「迷子感」「薄い恐怖」。

それは一体 どうして なのだろうか。


   「不安」

        「恐れ」
  「心配」

    「まだ 起きていないこと

  「可能性の領域にある カケラを」

    「世界の側不安や心配へ 使うこと」。


確かに、「まだ 目が慣れていない」
それはあるだろう。

 直ぐに 逸れがちな視線 視点
 いつもの癖で あれこれ心配してしまう
  私の一部。

「 でもな ? なんか  う~ん?」

なんとなくだけど。

 「理由」が それ以外にも ある気がするんだ。


「裏側」にあっても 時折訪れる それ
そもそもきっと 私がズレる以外にも。

 まだ 「気付いていない点」が あるから
 なのでは ないか 。


「ふぅむ。」

腕組みをして じっと確かめ始める。

 今 わかるかどうか
   みんなからの 知らせが来るか
 それは分からないけど。

なにしろとりあえず 私は「光達に問い合わせる」必要が ある。

 そう「問い掛けねば」。

 「こたえ」は 降っても
        下りても 来ないからである。


 さて   はて ?


   みんな  それは どう なの?


 なんで。   私は 未だ

   ズレがち  確かめまくり

  石橋を  叩きまくって。


    渡ろうと して いるのか


  「ピョン」と 「ポーン」と 軽く

 ジャンプ したいのだけど

    「なに」が。


   引っ掛かって  軽やかに 飛べない のか。


 ぐるり 張り巡らされた 光の網を辿って。

  キラキラと光る いろんな色のカケラを
  順々に 回収してゆく 。


今 私が投げ掛けたこの質問に 弾き出されてきたカケラ達
それを じっくりと眺める。

 みんなから やって来るのは キラリと光る
 とびきりの ヒントのカケラ

それを纏め上げ、「美しいかたち」にするのは
真ん中の役目だ。

そう 自分の士気を上げて。

 とびきり美しく 纏まる様に 
  煌びやかなカケラ達の並び
    色の傾向
      かたちの差異
    大きさの種類を 観察する。



   「手仕事」   「芸術」


   「想像力」  「創造性」

 「人それぞれ」     「異なるもの」

      「統一の動き 流れ」

     「安易」  
           「便利」

  「簡単」   
       「手軽」

             「形」

 「見えるもの」

     「物質主義」

  「創造性の 偏り」

        「誰でも再現できる 便利さ」

     「唯一無二」

  「潰されてきたもの」
  「価値観の変化」

    「役に立つ」 「優劣」

  「競争」  「分離」

 「想定外」「無限」「可能性」を 避ける
 風の流れ これまでの時代。


「 なる ほど?」

多分、私がなんとなく 所在無く感じる「原因」は。

 自分が 今「やっていること」が
 「世界」に在れば 「価値が無い」
          「意味のない」
          「ただの趣味」
          「お金にならない」 
    と されていることだからで。

 「仕事」には ならない
 「儲からない」=「意味がない」

 それ 即ち「世界基準」で。

 それがまだ 自分の中に残っているから なんだ。


「 なるほど そうか 。」

そう
きっと もっと ずっとずっと前は。

例えば
 「刺繍」には 「魔除け」や「まじない」等 様々な
 「意味」があり
 「意図」があり
 生活の 一部であったもの

 家族や大切な人の 事を思って かけられていた時間
 「想像から創造へ」の 発展性のある時間だった筈だ。


刺繍以外でも 「つくること」、それには。

 「思い」それ即ち「チカラ」「エネルギー」が込もり
 「かたちになるもの」

例えば ハーブの調合は
 「ひとり ひとりに合わせた もの」
 「なかみ」を 見ること
 「その時の最善」を 個々に合わせて調合するもの

石もそうだし、装飾品、工芸品も そうだろう。


そこから発展してゆく「新しいもの」「こと」
「反応」の数々

 「込もるもの」に触れる事によって。

 「刺激される」、創造性

 揺さぶられる「魂」

  それ即ち 「光と光が 響き合うこと」

      私達の本質だ。


それが。

 統一されること
 「よし」とされることが 事で
 損なわれてきたこと
 失われた技術 ものの数々

 私達が 「得たもの」の代わりに「失ったもの」
 それは もしかしたら。

 
「やはり。 ではなく、か。」

そう、発展できる エネルギー チカラ

 「自分は自由に 創造できる」と いう。

 「意思の光」それそのものでは ないのか。



「まあ そう か。」

  
    「なに」をやっても いい

確かにそれは そうなんだ。

ただそれが 「重かった時代」には 
その「なに」が 分離、重い方 傷付ける方へ
向かっていたから「決めるしかなかった」だけで。

 そう 「皆が 本質であれば」。

「そう、なにを創っても やっても。それは、光に なる。調和する、ってことだ。」

 そうなので ある。


 だから 結局。

また 「自分の設定」「思い込み」「刷り込み」を ゼロに戻して
真っ新にして。

 
 「なにをしている」、ではなくて
 その「なかみ」を見ること わかっていること
 
   わたしは 「わたし本当の光」で 在る だけ


「そうよ。「今の私」だから、できる。 「外側」ではなく、「どう在るか」それで、いいの。」

そう 、それなので ある。



 誰が も
 なにが も
 外も 内も なくて

 ただ 自分が ある、その「位置」を 確認して
 細かく修正して。

「そう。 また、このちっさい隙間を埋めて、一歩一歩 進むのよ。」

それしか ないし
それに私は 知っているんだ。

 確かに「込もるもの」には チカラが ある
 「意味が ある」って。

 全ての「思い」は 無駄じゃない って
 知っているから
 やってきたから。


 だからこそ、ここでまた 強く進む 。

それが、必要なんだろう。


「よし、オッケー。 それでこそ。」

そう、自分の頬を叩き 喝を入れ
また大きく 息を吸って勢いよく立ち上がる。


 ありがとう  ありがとう 。

そうして鮮やかに舞う、スピリット達の応援に応え
 それに倣って自分も また 。
 
  くるり くるりと回り始めたので ある。












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