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8の扉 デヴァイ 再々

全ての事に 理由はあるが すべてのことに りゆうはない 3

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  ゆらり   ふわりと

 揺らぎ流れる くぐもった 粒子の流れ

   少し淀んだ雲の様な 
     その 特徴的な 色の溜まり 。


 「本当」が中に包まれてしまってある
            その不可思議な色は 
 きっとまだ「脱げていない殻」の厚み
 
  そうしてそれを「続けること」で
 また増えていく厚着の様子を 示している。


「ふむ。 して? なにが   ほうほう。」

多分だけど あれは。

 みんなが「必要とする」「言い訳」
自分が何かをする時に必要である「免罪符」だ。

 ひとは それが無いと。

「やってはいけない」と思っているし
「それをわかっている」し
でも「やりたいからやって」、その澱を他人に被せる為に その「言い訳」を上手く使う。


「ふぅん? 成る程 狡猾だな。」

「世界」の 色々な場面で。

 それは 起きているし
 そういうものだし 
それが エネルギーゲームだ。

しかしその煽りを受けた「まだ気付いていない小さな光」も、「何かをするには言い訳が必要である」、と思い込んで そうしてしまうんだ。

  「頑張ったから」貰える
  「これだけやっている」から いい
  「我慢している」んだから このくらいいいだろう
  「男であるから」「女であるから」
 「子供だから」「大人だから」
    「持ってないから」「持ってるから」

 その「言い訳」は 多岐に渡るけど
 殆どの事柄に 言い訳は絡んでいるけれど

  「そうじゃない」んだ。

 だって 私達の 本当は
 「やりたいことをやっていい」
 「感じに来た」、 それなのだから。


「こうでなければ やってはならない」
「こうだからこれをする できる」
その世界の枠組み中で 遊ぶルール

 そこにあるのは「理由」ではなく「言い訳」なのだ。

 せかいの 普遍的ルールに混じり
 見え辛くなっている それ
  「いろ」が「芯」が「本当」が見えないと
  それが「どちらなのか」わからない、複雑さ。

「開いている子」「感のいい子」は気付いているのだ。
それに。

 微妙で 微細な その「色の違い」を嗅ぎ取り
 「受け取ったものをかたちにできる」、それはきっと才能だろう。

でも それは本来 誰もが、持っていて。

ただ「まだ 使わない」と、自分で決めている だけなのだ。


「ふむ。 」

 「現実」として 「見えること」
 その中で どうか 

 「世界」と「せかい」
   それは 重なり存在している こと。


 私の言っていることは 「自分の真実」で
 あるからして 「理由」がきちんとある
 対して
 「世界基準」「ルール」を持ち出す人は
 「自分の真実」では ないからして
 「言い訳」に なる。

多分 そういうことなんじゃ ないか?

「 う~ん」
 

だけど。

 今 せかいにあって
 「すべてのことに理由がない」私からすれば

 「世界」では全ての事に理由があるが
 それを
 すべてのこと に 理由はなくなる。

そこに 辿り着くまでに。

 「理由」は 必要であって
 しかしそれが 「言い訳」になれば光は遠ざかり
 脱ぎ去れば 脱ぎ去る程「言い訳」が「理由」になり
最後には
 その「理由」すら 要らなくなって。


   「ただ ある」
 そのに なれるのだ。


だが「世界基準」を使、「全ての事に本当は理由なんてない」と
思った としても
知ったとしても
使ったとしても それは成らない。

きっと 今回のカケラは その「あかり」を齎すもので。

それをどうにか、子供達へ上手く伝えられる様にするのも
私の修行の一つなのだろう。


「 なんか。 修行、じゃ ないけどまぁ
修行じみては、いる。」

この頃自覚は ある。


 「私が やっていくこと」

それは「見せていくこと」であり
 言葉に澱が付いた状態に慣れた子供達には
 それが一番いい、方法だ。

一番初めに、グラーツが 私に取った 態度の様に。

 「自分を守る」のは当然の事だ。
口ではなんとでも言えるから。

私は「示していく」しかない。

それはある意味やはり「見えない部分」でもそうで
いつ いかなる時にも「自分は自分を見ている視点」を忘れない事と、同義だ。

「ま。ある意味 それは。 得意かも。」

ずっと人知れず、自分でも気付かずに
やってきた事だから。

 だから 今 

    「今ここ」に ある。

結局すべては
 そういうことなのだ。


「 ふぅむ。」


 「見ている」けれど それもそれで「学び」であること
 まだまだ私自身も。

 学び 知り わかり 気付いて 上がり

 そうしてみんなで 昇ってゆくのだと いうこと。


「なるほど だよね。 」

そう
別に私が特別な訳じゃない。

 みんなが みんな そう特別
 それはある意味 普通 で

 その普通な特別が集まるからして
 みんなが みんなの色を 楽しんで。

「 ありのままを、在れる せかい。うむ。 私が見たいのはそこであるからしてやはり 、うむ。」

やはり、ここへ出掛けてきたのは正解だったという事なのだろう。


「成る程 なぁ。」

  どんな 些細な 「思い付き」でも。


 「やってみて」「わかる」、光からのカケラ

 伝えられた メッセージ

   「今の私」に 「必要な」。

  大切な ひかり カケラ

 それを得る含むことでまた拡大できる

    私の かたち 。


「やはり。最高の私は 偉大であるからして、私もそれと同じだからして。  ん?この辺りが修行、っぽいのか? ?」

 まあ それでも いいのだけれど。

「よし、とりあえず やるか。」

なにしろそうして進んで行くことで
 「成る 道」、それなら導きに従い進むしかないので ある。

 ま  だから。

  楽しい し

   毎日 違うし  変わるし 

  変化するから、新鮮で。

 いつでも 「最新の私」なのだろう。


眼下に広がる、いつもの景色は 違う視点から見ると「みんなの色」が 所々に弾けて 点滅していて。

  ああ やはり  「美しい な」

 そう感じられる 自分の変化を思い
 胸にそっと 手を当てる。

そう 下に広がる色は 美しいばかりでなく、澱みや燻りの色もあるのだけれど それが絶妙に混じり絡み 動いていてしかし
それぞれの関係性の中で「受け入れ合っている」のも、わかって。

「 やっぱり。それが、人間ひとの 面白い ところか。」

そう 思うんだ 今。


「潔癖」とも言える 自分の性格
しかし「許せない」ではなくて
「今 そうであるだけ」なこと
「すべては 変化してゆく」
「それぞれの自由」が わかってきたこと
 それを喜べる自分の成長を 、そしてまたそれをも客観的に喜べること。


「 ?なんか ぐるぐるだな ?」

その 「自分がまるっとマトリョーシカ」の構図に苦笑しながら。

とりあえずは 
子供達にどう 伝えようかとカケラを回しながら
 軽快に 階段を降りて 行ったんだ。



 




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