透明の「扉」を開けて

美黎

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8の扉 デヴァイ 再々

目が合うものを 見つける

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 今
 「欲しいもの」は 特にはない。

だからある意味
 世界をウロウロしていると
「珍しい色」「持ってない色」が面白くて見てしまうが、よくよく見るとそれは 私が「要らないもの」で。

 「楽しそう」
 「珍しい」
 「なんだなんだ」と 見つめてみると
 その 奥にあるものは「まやかし」な事が多い。

 珍しい 新しい 見た事のない 粒子の質の それ
 しかしそれは「珍しい粒子でコーティングされた」物で、目を 凝らして見ると。

「 なぁんだ。」

「なかみ」は 「二番煎じ」や「殻付きのもの」なのだ。


 変わらず 強く 吹いている風

   変化の 流れ

  日々 瞬間瞬間 「変わってゆく」

   「せかい」の 光

   連動している 「世界」の 空気と 空。


私が 狭間を歩いている間にも「世界」は目まぐるしく動いていて 色んな光が 「自分の色」を探している。

 その中で生まれる 沢山の「新しい 色」

それは 色んな色があるけれども
 「もがいている色」
 「探している色」
 「迷っている色」
 「見つけた色」
 「本質の色」
そのそれぞれの色を見るのも楽しいし、光の質と使っている色、そのバランスを見るのも 勉強になる。


 自分の光とからだのバランスを 省みながら

 「世界」を観照し また整えていく


その 中で。
たまに「目が合う」事が あるんだ。

 ふと 道を歩いている時
 ふと みんなの色を観察している時
 ふと なんの気なしに。

 「目が合う もの」それはその時々で様々だが
 つい、それを持って帰ってしまうんだ。

エローラの店の 可愛い素材とか
道端の綺麗な石とか
空に浮かぶ 青緑の雲
泉に沈んでいた なにかを「言いたそうな」流木。

 「もの」は 増やしたくない

それはあるけれど「目が合って」しまったから。


「ふむ。 」

とりあえず一旦、自分の中で自問自答が始まるが
それにあまり意味はなく やはり どうしたって「それ」は私と共に「ある」ことに なる。

 と いう事は 結局。

「私の、いろって。 事なんだよね。」

きっと そうだ。

 その 「深みのあるいろ」は
 その時「何に使う」でなくとも
 私の中にしっかりと根を張り、「その時」になると
 「あ、あれがあった そう言えば」
 そうして出てくる。


小さな頃から経験上、そんな事が多い私は
とりあえず「ものが増える」、それ自体は諦めて。

「よし、帰るか。」

そう言って、「それ」を連れ帰るので ある。



「まあ、私がちゃんと整理整頓していれば? そんなに、そもそもものが多い訳じゃない しな?? 」

今日、連れ帰ってきた石をちょこんと机の上に置いて 満足色で眺めながら、一人そう頷く。

この頃は「せかいと目が合う」「合わせる」「響き合う」「共にゆれる」、その感覚が大分馴染んできて 少しずつものが増えてきていた。

「 だってみんな。可愛いんだもん。 」

そう 呟きながらもぐるり見渡す魔女部屋の中
 ものは増えれど「統一感」があるので、そうごちゃごちゃしている感じはしない。


「 ふむ。」

暫し 腕組みをして「この場」を 確認してみる。

 あ~

   うん。  いいね。  いいな。

 そうだよね、アレはやっぱり 必要 だし

   あれが無いと 杖創る時困るし
 アレは外せないしな うん

 だよね? 
      やっぱり。


         よね ???


響き合う「もの達」は、皆 私としっかり目を合わせて頷いて いる。

「 ふむ。」

 よしよし。

  なら 別に いい 

  てか 「いいも悪いも」。 ない し

  ふぅむ?


自分の中で、「なにか」がチラリと引っ掛かって。

もう一度じっくりと、部屋の中を見渡し一つ一つを 確認してゆく。


 え  なんだろう この 「違和感」

  この「場所」「部屋」じゃないけど
 なにか どこか で。

  私は 「目が合う」「合わない」「見られている」
 「見ていない」 そう 筈なんだ。

   でも  どこで ???


  「もの」「場所」「ひと」「世界」

 「外」  「せかい」  「みんな」

 
  「目が 合うこと」

       「意外と誰も 見ていないこと」

   「意識がないこと」「視点の違い」。


私の中に丁度良く展開するカケラは「世界」と「せかい」、どちらの色も含んで 今日も複雑である。


「いや。 ちょっと、もうちょっとんだ。」

 そう 多分
 私が 目を近づけ過ぎていて。

    見辛いんだ きっと。


そうして自分の意識を光の虚空へ飛ばし、白い光の粒子の中で その「色とりどりのカケラ」を もう一度眺める。

「 ふむ? ああ  そうかも。」

 なるほど
 確かに。


   私は  思ったことが あるんだ

 「世界」に あって。


 みんなが 私を見ていると思っていたこと
 しかし意外と「人は他人を見ていないこと」
 若しくは「関心がないこと」
  
 だけど 私の「見られている」は
 「せかい」を 適用していたから。

 
「成る程、確かに「世界の人」は 見ていない、目が合わなかったけど「せかい」はずっと。 私を、観ていた ということなんだ。」

 きっと そうだ。


「  あ~ ~ 。 なるほど、成る程。」

小さな、ことかも知れないけど。
なんだかこの気付きによって、色々な「自分の中での絡まり」が 解けていくのが わかる。


 ひとりが 落ち着くこと
 世界の誰も 私を認識していない時間が好きなこと
 誰も周りにいない方が 安心感があること
 「好きな」が できなかったこと。
 

「 なるほど、 。 そうか。 ふぅん。  はぁ。 へぇ。」

 やはり せかいは いつだって。


   私を 「観ていて」くれたし
 「包んで」くれていたし

  「共にあり」  その「充満の中」

 しかし「世界」の中では それが
 わからなかった 自分

その 中で しかし。

  時折迷いながらも きちんと進んできた道

  それもみんな 私が「上を見上げる」
 見えなくとも
  「目を合わせる」のを 忘れなかった からで。


「いや。 それしか結局、できない とも言う。」

そう そうなんだ。


時折、学校の友達に 言われることがあった言葉
 「依るだから」
 「強いよね」
そんな言葉があるけれど、私からすればみんなの方が よっぽど強い。

「妥協する、とか 曲げる、とか それに耐えられる方が、よっぽど強いし柔軟性があるよね 。」

なにより「世界を楽しむ」為には 必要な その資質
しかし私はきっと「もう 決めていた光」で。

 だから 馴染めなかったし
     馴染まなかったし
 ここまで来て 「そうだったんだ」と
 色んな事が腑に落ちているのだろう。


「ふぅむ。 そう、なにしろ。「目を合わせるのは せかい」って ことだ?」

 そう「自分のもの いろ」で あれば
 どんなにそれが ぎゅうぎゅうでも
 充満して いても 心地良い筈で。


 しかしなにか  どこか
   少しずつ  ズレていた 「わたし」

その
  「自分の答え合わせ」が行われている 今

 すべてが ピタリと合えば
  カケラが 揃えば
   わたし が 充満すれば 。
  
    「ことは 成る」

 そのための 一歩一歩。

だからこそ きっと。

「そう、どんな小さな事でも。 見逃さずに、進むんだ。 いやしかし 」

 そう やり過ぎは禁物である。


 適度に 空っぽ くうにして

   光達に任せ 私は「無限を展開しておく」。


「そう、固くなると。 力が入っちゃうと、ダメなのよね。」

そうすると、直ぐに道は逸れるのだ。
 逸れるというか 萎むというか 閉じるというか
 なにしろ「無限」は 展開しない。


そして 私達の慣れ親しんだ「世界」
それはいつでも私の中に「まるっとオッケー」で 存在している。

 そう 「すべてがまるっとぜんぶ オッケー」なのだから
 「世界」も きっと いつでも私を歓迎していて。

 戻ろう と 思えば、直ぐに。

 戻れてしまうし、楽しむ事だって できるんだ。


「まあ、またすぐきっと もがくんだろうけど。」

 「結末のわかっている 物語」それはもう
 私には要らないものだ。

だから 瞬間瞬間 しっかりと 自分の位置を
確認して。


「 ふむ。オッケー。」

結局
そうして今日も ゆるり  フラリと
 のんびりと。

   「なにを 創ろうか」
  「どの いろが輝いて見えるか」

自分の「成果」を味わいながら 楽しみ 
堪能し始めたので ある。






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