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8の扉 デヴァイ 再々
全ての事に 理由はあるが すべてのことに りゆうはない
しおりを挟む全ての事に 理由は あるが
すべてのことには りゆうは ない。
「 な~んで、なんだろう な ??」
ある日 ある時
大きな船上 見張り台の上
あの 大きなモジャモジャの代わりに立つ
上からの景色に 首を傾げて 少し。
この頃、「表裏」の縛りが解けてきた私は この間のラピスに続けて
再びの造船所通いも始めていた。
ある意味 ここは 私にとっては「外」ではない。
だがしかし、「ひとり」「自分を徹底的に浄める」事をやっていた私にとって、ここでもやはり出掛けることは「外出」の範囲では あった。
なんにもしないで ただある
それをしに来ていた事はあったけれど、基本誰にも会わずに帰っていたし「コミュニケーションを取る」気に なれなかったのだ。
しかし、エローラと話して また拡がった視点
そうして自分の中が纏まり始め、整理されてきたのだろう。
ぐるり、一段上がった場所から「同じ場所を 違う視点で」眺めてみたくなったので ある。
「 ふむ。」
そうしてやってきた 再びの造船所
早々に私は唸って いた。
しかし
やはり ふむ?
違う な?
そう、「新しい目」で辺りを見渡しながら
「なにが違うのか」、そのいつもの検分を始めていたんだ。
木の質感に似せた 船の肌
ナザレの色のセンス
子供達の塗った場所の それぞれの 色
みんなの 呼吸
筆感 柔らかさ
その 使い方と 練度の違い 。
「 そこはこう、こうして。 やってみると、いいよ。」
そう言って、やって見せて
後は 子供達自身に 任せて。
今、私が「やっていること」と言えば
「場を創ること」と
「気付いたことを伝えること」
「風を流すこと」
「時折 天窓からキラリと 光を降らせること」
そんな感じで ある。
一歩引いて、手を出すつもりはなかったのだけど
やはり見ていて「いやいや」となる部分を無視するのは 違う。
教えて
伝えて
「やるかどうか」は 個々の選択であるし
折角自分が ここにいて。
ある いる 見ている のに
「言おう」と思った事を言わぬのはやはりなにか違和感が ある。
言って 「やるかどうかは自由なスタンス」
それであれば、言ってもいいのだ。
「選択肢が増えること」それは きっと
カケラが増える 色が増える事だから。
その「内容」を私が間違えなければ、それでいいのである。
斯くして暫く 付かず離れずで見守っていた
造船所の様子
実際 ほぼ船自体は完成しているので
今やっているのは子供達のまじない練習を兼ねた
装飾の部分だ。
ナザレが めっちゃ楽しそうだもんなぁ
そう思いつつも
「楽しんでいる大人」が側にいてくれる事の有り難さを思い、今日も水槽の周りをぐるぐると回るデービスにもチラリと視線を送る。
あの 色を。
どうやって 出しているのか
気になる な??
教えてくれるかなぁ でも
難しそうだったら頭が うぅむ
しかし
私に 「不可能」は 無いからして
いやしかし 数字は うむ。
そんな余計なカケラが回り始めた 時。
「わあっ」と下から上がった歓声に
私のハートも フワリと浮き上がったのだ。
「 ん ?」
なんだか、楽しそうな歓声に ウキウキしながら覗き込んだ下方
しかしそこにある「カケラ」「エネルギーの色」は。
色んな色が入り混じっていて、不思議に思った私はとりあえずそれを 観察する事にした。
ふむ?
なんで?
いい感じの 色も あるけど
微妙な 色も ある
しかし 総じて「驚き」の色
なんか 「新しくて」「いい感じ」なのは わかる。
私が見下ろしている、物見台からは 殆ど船内以外の全てが見える。
歓声が上がったのは、階段付近で作業をしているルガのグループで
あの子は特異な色をしているから、すぐにわかる。
ふむ?
して?
なにが どうして 。
いや
ああ そうか。
まだ 「できない」子がいるのか
いや しかし?
それ は 最近解決してきた 筈では ??
ザフラの話によると、以前よりも子供達の差異は少なく 「できるようになった」子は増えた様だ。
子供達のまじないの色を見てもそれは明白で、粒子の質が違ってきているのが わかる。
「 ふむ?」
とりあえず。
まだ、原因の分からない その現場を俯瞰しながらカケラを回していた。
いつの間にか回っているカケラ達は、子供達の間を縫い 私にその「ポイントの色」を伝えようとしているのは、わかる。
多分 それを繋げて。
その絡まりを解いていけば、私の「違和感」に対する欲しい答えがわかる筈だ。
あの子は 伸びている色
あの子は やってみて諦めた色
あっちには 試してもいない色
向こうは迷っている色
あそこは 教え合っている色。
ふぅむ?
しかし なにが ?
私は 私の 真ん中は 気になっているの だろうか。
造船所の中には最近、色んな色が渦巻いていて
勿論 子供達の色が多いが大人の色も 多い。
子供達に教える為に まじないを行使するし。
なによりあの三人の色は、強くて濃い。
「 そうなんだよね 。デヴァイと、全然違う。なにが、違うんだろうか。」
つい、他の場所の色も引っ張り出してきて 検証してしまう性分
範囲を拡げた私の風呂敷は造船所からはみ出し、スルスルと「他の場所の大人」へと拡大し続けている。
ふむ。
そう そうね
なんだろうか この「違和感」
微細な 「ズレ」
ん? でも 「ズレているから」気になる のか
いや 多分そうでもあるのだろうけど。
でも 「私の本題」は そこじゃない、 な??
慎重に 求めている事の「真ん中」が ズレない 様に。
ゆっくり、しっかりと自分の範囲を微細に拡げ
取りこぼしがない様 みんなの協力を仰ぎながらも「自分の触手」をスルスルと拡げ 伸ばして ゆく。
「中身と外側のズレ」
「言ってる事と やってる事の違い」
「チカラを使うこと」
「エネルギーが 現れること」
「できる」「できない」
その 「使っている信念」の 違い。
「ん? あ ? え ???」
「普段 言われていること」
「発する人の 違い」「チカラの 違い」
「なかみの あり なし」
「具現化の する しない」
「ことばの持つチカラに 気付き始めているということ」。
もしか して。
子供達は その 「ことばのチカラ」に
気付いてきていて。
それを 上手く使っているのでは ないか
勿論、気付いていない子もいるけれど
それは「まだ閉じている」からだ。
もう 既に「開いていて」素直な子は、早い。
なんの 「抵抗」もなく 「受け入れ試せる」子
「繰り返し 練習できる子」
「色んな角度から試せる子」
「分からないことを素直に訊ける子」
そもそも
「ことばに意味がある」って。
知ってる子が 早いんだ。
「 ほ ぅ ?」
大きく息を吐いて、腕組みを する。
待て
待てよ ?
うん?? ?
色んなカケラがぐるぐると「そうだよ」サインを出しているから、ちょっと待ってと 手を上げ落ち着かせる様に ゆっくりと回す。
そのまんま。
杖は無いが
ゆらり くるくると優雅に 回る様に。
弧を 円を描いて
虚空に美しい紋様が浮かぶ様に 「意図して」おいた。
きっと「私の絡まりを解く」、素敵なかたちが 成る筈だからだ。
「ふぅむ。」
ただ その白く清い、明晰さを足した隊列を眺めながら 並び揃ってゆくカケラ達にエールを送り
自分の中でも「事実」の整理を始める。
「私の 見たい 真ん中」
「ここに展開する 本当のこと」
「自由に拡大している子」と「そうではない子」の違い
その「事実」に隠れている 大切ないろ。
それは なんなのか ようく、観るんだ。
「ことばの 受け取り方」
「言葉とことばの違い」
「使っている信念」
「世界」と「せかい」
「「本当」の いろ」
「見極める目」
「感じる ハート」
「子供達の 感性の豊かさ」。
「えっ。 うん、まあ。そうだろうな ??」
私の受け取ったいろは わかったけど。
「 えっ なにしろ ちょっと。複雑だ な??」
本当は まだできていない子達に 説明したいと思っていたのだけど。
なにしろ その内容が自分の中でも少しこんがらがって
私自身、整理する時間を設ける事に したんだ。
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