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8の扉 デヴァイ 再々

自分の歌 2

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 澄んだ 青
  波紋一つもない 湖面
   明晰さを示す 深みの影

  遠くに聴こえる 鳥の声。


 ただ 風が頬を撫でる感触と
 クリアに光が透る 景色

  私に優しくある せかい の 粒子。


この 「みどりの充満」の中、泉の前でひとり 
じっと座っていると。

 みんな光の粒子が 私を祝福していて
 輝いて いて 拍手してくれていて
  なんなら「わーわー」、とても小さな声だけれど
  「喜んでくれて」いて。


  ただただ「ここに そう在れること」

それに対して、祝福が降り注いでいるのが わかる。


「   ぁぁ 。」

  幸せ だなぁ。


沁み込んでくる、震えと共に 感じる光の粒子を。

余すことなく、吸い込みながら 
ただただ 目の前にある「なんにもないけど ぜんぶある」景色を
自分のすべてで感じ 中へと取り込む。


 そう
  なにも なくても


    なにも していなくても。


  ぜんぶが あって  みんな いる ある

  なんかよく わかんないけど。



 とりあえず 「これでいい」のは 

  確かに  わかるから。


「言葉」にするのは、難しい。

 この 「ピッタリと自分と感覚」

 「すべてが充満の中」
      「隙間のない 自分のかたち」。


その「ぜんぶの自分」を感じながら 思う存分、緑の空気を吸い込んで 味わいながら取り込んでゆく。

そうしてそれを、チカラに変えたカケラ達が くるくると回り始めたのを 見ていた。



  「粒子の質」

           「好み」

     「材料として 何を使うのか」

   「その 意図は どこなのか」。


  わたしは わたしの 思う 様に。

   その時 「創りたいもの」を

  最高の粒子で思うままに 創り 

    それを具現化して展開してゆく こと


そしてそれが「創造」「10の扉」である ということ。


「ふむ。」


 それは 「もの」としてもそうだけれど
 「思考」としても そうで

魔法の杖を創るのだって。

 「売る為の物」として 作るのか
 「ただ創りたいから」 創るのか

それで全く 結果ものは違う。

 そもそもの作る 材料も違えば
    素材の質 量 

 更にそれに意思の方向性。


そうして「もの」は「もの」でも 全く違うものが出来上がり
しかし見る人が違えばそれは勿論、価値も違う。

それは「もの」を創る場合だけれど。


 どんなカケラ材料を回すかにより 創られる未来現実は変わる

 それも本当に そう思う。


「粒子を練る杖」「点ではなく 全体を掻き混ぜる」
 「生きもの」で伝える振動
 「攻撃」や「狙い」ではなく 「すべてを掻き混ぜる為」に創られた それ

 それはきっと「杖」ではなく「錫杖」や
 あの 神社で神主さんが振る 「大幣おおぬさ」に近くて
 やはり祭祀や神事 創造に関わるもの
 
それなのだろう。


 「未知の粒子で 想像をする」

   「かたちを 描く」

 「まだ見ぬものを 創る」

「見えぬ」
 「発見されていない」ものを 引っ張ってきて。

     "新しく 創ること"

私がやりたいのはきっとそれだ。


「でも。、違うんだろう。」

この頃 見ていて、思うのだけど。


 「未知を創造する」「世界は粒子でできている」

それは「世界」でも言われている事で
そして「本当」でもある事だ。


 「世界」に 現れ始めている 「本当の色」

  「近づいているもの」

      「清まる光」

 そして それを「模倣」し始めている
 まだ 見えていない 光達。


でも それ模倣は。
やはり必要な事でもあって「高い方を真似て」私達はまた それを知り 理解し
更に自分も高みを目指して上る。

だけど その「中身」にも色々あって。


「 ふむ。」

自分の中に引っ掛かっていた、異色の糸を 引っ張り出す。

 「この頃 増えている 色」
それを考察する為に、目の前に展開してみると
なんとなく思い当たるイメージが 浮かんできた。

 
  フワリ   フワリと

 漂い始めた 「それっぽい」いろ
  よくある けれども 「ちょっと違う」もの
 人によっては「同じに見える」
  「いい感じ」に 思える   あれ。

 ああ、 あれに似ているのかも知れないな。

  
    あの 「歌真似」

  「似せて歌う」感じ
  「上手さ」「巧さ」は あるけれど

  「いろ」が 感じられないもの


「もの」「こと」は違えど
起きている事としては、それが 近い。



 「何を言っていても」
 「どんな歌を歌っても」
 自分の色が 出る人は いる。

 出て しまうのか
 出しているのか、その違いはあれど
 それは「その人の色」が はっきりとして
 とても魅力的だから すぐわかるんだ。


 「いい」「悪い」

     「上手い」 「下手」ではなく

 「独特のいろ」「そこにしかない いろ」だから
 惹かれてしまう それ

どんな 遠くからでも伝わる、その振動
 いろ おと ふるえの 微細な感触
 オリジナルしか持ち得ない その 抗えない魅力。


「 ふぅむ。」

もし それが「もの」だとしても
「売り方」や「売るもの」、それを真似する事はできるが「いろ」「本質」は真似のできないものだ。


 「真似し」「真似され」続いてゆく「エネルギーゲーム」

しかし 
 いつか 何処かで 必ず現れてくる「本質」

 扱う「ひと」の「真実」「振動」
 些細な事柄から伝わる 微細な「粒子」

 「もの」が溢れているからこそ 試される「本当」

 その 埋もれている様に 中で。

 どれだけ自分の光を保って いられるのか。
 
 ただしっかりと 光り続け られるのか 。


そうしてそこからまた 「見えるもの」は選択をし
「まだ見ぬもの」は 嵌りこんでゆく

その「世界」の展開 流れ
 だがしかし 進んでいる「光の質」
  「上がること」
   「本当が 見え始めているということ」。


 私の 視界が変わるのと 同じ様に
    この泉の青が 深くなってゆく 様に。

 
「  ふむ。」

カケラの流れを一度 ピタリと止めて。

静かにただ 満ち、ここにある この美しい泉と「いろ」を合わせながら
ただ自分の中身をパッカリと拡げて ゆく。


 「自分の 創造した いろ」

その「現実」を眺めていると
「事実」「現実」「創造」「世界」、これまでには無かった 青銀のピシリとしたカケラが 回り始めた。


 少し。
 硬めの いろ だな ?

そう 思いながらも見つめる湖面
 キラリと静かな輝きを見せる それが
  澄んだ真水の上に しっかりと浮かんで。


   ちゅうに 浮かんだ 光の滴

それが
また私の上に 。

 新しい始まりの糸を 垂らして 知らせるんだ。



きらり キラリと光る、その滴から垂れる糸
その不思議に美しい光景を眺めながら 
 なんとなく 思う「粒子の重さ」
         「時間という 厚みと重み」
         「その 意図という ひかり」

そうして
  「なに を どう つくるのか」。


この頃「時間」についてもそう思うけれど
「世界の理」とは とても不思議で面白いものだ。

確かに、瞬間 「なにか」を創造できてそれが意のままならば、私達は飽きてしまうし面白くも楽しくもないだろう。
それは「普通」「当たり前」「特段意識する事でもない」ことなのだ。
 そしてそれが 「本質の光」「すべてであること」、私達の大元であることは なんとなくわかる。


 だからこそ
  「思考は 具現化する」

 ひかりが ひかり思考を使って
 粒子ひかりを練り 具現化させる

そう思ってから「なんで現実にならないの」と思うこともある。

 例えば パッとまじないで出したり

それと「現実を創造する」のは 全く違う。


今現在、世界を渡り歩く私の認識は「粒子の密度」「その高低」で
 一番上が「せかい 宇宙 未知 可能性」
 光の虚空の更に上で まだ私の認識できないところ
 そしてきっと そこが「源の在処」だ。

 そして一番下が「地球」「1の扉」で「物質の世界」
 粒子が荒く重くて「現実の色濃い」、あそこである。

 その 間にあるのが扉の世界でまじないが存在する世界だ。
 それは「見えないけれどもある」「せかい」
 「見えないもの達」の棲家
 創造の生まれる場所 「想像力の場」だろう。


だから 私自身「まじない」は存在するし、できると思っているけれど「地球」という重い場で発現する事は「今は」無い。

もっと世界に不思議が満ちて、粒子の純度が上がるか
 空気が変われば もう少し、進めば。

それはきっと可能なのだろうけど
 「まだ」なのだ。


 この 「転換期」「混乱期」「混沌」

 粒子が荒い この「世界」が 壊れて

 「破壊と再生」の「破壊」が 終わらなければ
    それは 「現れない」
 
 それは せかいの理である。


だからこそ、その「破壊」を嘆くのではなく
「自分の光」を創造して その先へ
それが必要なのだ。


「 ふむ。」

  "自分で 創る 自分の せかい"
 
「せかいを創造する」、それは「自らをよく知ること」
「光である自分」をわかり、自己再生していくこと 自分が循環していること
それに他ならない。


そして それには。
きっとここ地球に居て 在って
肉体を持つからには避けられない「時間」、それが関わっていると思うのだ。


多分 私が思うに 世界で「現実化する」には時間が必要である。

 それが「事柄」なり「事件」なり
 「現象」なり、なにか「こと」としてには
 時間が必要なのだ この次元では。


だからその「思い」が具現化するまで、それを「どう保ち」「どう」行くのかが重要だ。

 だって 私達は「瞬間を創造している」。


「そうならないかも」「ダメかもな」
 「やっぱり無理」「やっぱ なんないか」

そう思った瞬間からその「純度」は下がり続け
その粒子の密度 高さ 質は変わる。

「多分、そういうこと だよね 。」


 「迷い」ではなく 
 「検討」「吟味」「選択」「厳選」していく為の 時間
 「紛れもない自分の いろ」を見極めいく為の とき


 「お前がから 

いつだか、金色が折りに触れ 私に言っていたことだ。

 あれは 真実本当だったと いうこと

あの人が私に嘘を言うとは思っていないけれど。

「ホントの本当に、、 って。ことだもん ね?」

なんだか今更 不思議な気分である。


 より 詳細が 見えてくること
 「知っていたこと」の「現実味」が増してきて。

 「わかる」ように なること

 しかし それを「使わねば」「やらねば示さねば
 成らない こと。

そう、私は「私の一番高い光」に。

 示さねば ならない。

 「やれる」と
 「やる」と

 それは 「確実」なのだと
 「私はできる」のだと。

 証明しねば ならないのだ。


「誰に」見せなくともいいし
「どこに」証明しなくともいいが、「私の一番高い光自分」にだけは 証明する必要が ある。

 それが 「積み重ねる」ということ
 「粒子を 創る」「創造する」ということ

そういう事だと、思うんだ。

 だから。


「 うん。時間は かかるけど、まあ それも良し悪し?待てれば、辛抱強く 光を貫ければ。それは、とんでもなく素晴らしく美しい 光に なる。」

 それに それは「私の得意」だ。

  何事にも 粘り強くあること
  細か過ぎる程 細かいこと
  ちみちみと修正し飽きないこと
  自分が納得 できるまで。

  決して 諦められない こと。


「そうなのよ 。 諦めが悪い、と言うか 諦めを知らないのかもしれない。」

 うむ。


ふと 足に触れた 小石を拾って青に波紋を描く。

 なんかよく わかんないけど。

「とりあえず、それで。 いいって、ことよ。」

直ぐに静かに空を映し始めた、青を眺めて そうポツリと呟く。

  元通りになった 青い鏡面
 しかし 揺らぎが見える あお
  時の経過と共に 吹いている 風。


「 う~ん、もう お昼 かな?」

そういって伸びをして グンと木々と一緒に空を仰いで。

 なんとなく 纏まった かも ?

そう感じた胸に手を当てながら、ゆっくりと
 泉を後に したのであった。
  





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