透明の「扉」を開けて

美黎

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8の扉 デヴァイ 再々

意識を変える

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 ひとは なにか 「大きなこと」がないと
 
   変わらない

それはきっと
 「変われない」  そうでも ある。


いくら 自分が「違う」と 思っていても
周りの全部が「そうだ」と言えば 頷いてしまったあの頃
「白を黒」にしてしまっていた 時代。

それは 「見えないものは 存在しない」という前提
 「目に 頼り過ぎている」感覚
理由としては 色々あるだろうが
なにしろ 兎に角。

 「みんなと 同じが良かった」
 「それが 落ち着く」
 「弾かれなくない」
 「仲間でいたい」
その想いが 強いだろう。

まだ 「もの」が充分に揃っていなかった頃は
集団でなければ暮らせない事が多かったからだ。

 それは 私達の 意識にも 体にも
 染み込んでいる習性
 
そういった側面も ある。


沢山の「必然」があって
世界は変わり 流れ 「今 ここ」どん詰まりまで
来たけれども 人は「自ら変わろう」とは しない。

 いや
「しない」と 言い切るのは乱暴だろうが
 それはある意味「事実」で 歴史を動かしてきたのは
 いつだって「一部」「一握り」の光達だ。


「名もなき 光」だった 私は
いつだってその「影響」を受けてきたし
それは「いい」「悪い」視点で言えばどちらもあったけれど。

 「結果 世界は 変わってきた」

それは事実でも ある。


 「一人一人を 変える」
 「説得する」「納得させる」
 「意識を変える」

それに効果的なのは 通信手段がなかった、少なかった時代には
「圧倒的な 暴力」
「目に 見える力」だ。


 「一夜にして 灰に帰す」

 「一瞬にして 全てが融ける」。

それを以てして 人は「これまで」を変え
行動が変わり
意識も徐々に変化して
最終的には それに「馴染む」。



そうして沢山のことを超えてきた 私達だけど
「見えないもの」「なかみ」「意識」だけを変えるのは
中々に難しいのだ。

今 自分の境界を持って「世界」にあると
その色に引き摺られて一瞬 戻るんだ 必ず
ぐっと その「慣れ親しんだ色」に 引き寄せられて。

 私は 元々 はみ出している

その意識はあれど
気付いていなかった 素直に「そうか」「そうなんだ」と合わせていた部分も多かったから。


「まあ。 これは練習が必要よね。」


 「私は 誰かに「なにかを 」という事はない」
 「~ことは もう 一切ない」。

そうからは 繰り返し私の光からの「色」が送られてきて
「はい」
「これは?」
「どうぞ」

そんな 風に。

風の便りに「まだ 起きていない懸念」が
私の元へ 聴こえてくる。


 「こうなったらどうしよう」
 「あれを こうして ああやれば大丈夫か?」
 「ああした方が いいな?」
 「でもさ、私がやるべき事って 」

その時 浮かんでくる「いつもの色」
「慣れ親しんだカケラ」「先の計画」
「上手くやる 方法」「理由」「べきこと」

少しそれが回って ふと気付く瞬間
「ああ 違う、それじゃない そうじゃないんだ」。


そうして回し直す 光のカケラ。

 そう
 私には もう「理由」すら必要がなくて
 そうしたいと思えば すれば良くて
 言い訳も 要らぬし
 上手く収めなくとも いいし
 相手のことまで 抱えなくともよくて

     

 それで 成るのだ

 「こと」は。


それが 「どんなこと」であっても
「私が私で真実の光であれば そう
「そうなるように できている」

あのいつものパターンは 正にこれで。

 ブレなければ
 ズレなければ
 自分の真実の 真ん中に立って
 ただ 自分の色の光を回し続けること

それが成れば 未来は創られる。

私色の 未来が。


「 ふむ。「思考を変える」「パターンを変える」それ即ち「中身だけを変える」からして 外見に引っ張られやすい私達の性質からして 中々に難しいのだな。 」

 ふぅむ。

なにか
 「やっていること」は 以前とあまり変わりないのだけど。


 「意識して やる」
 「そう 意図してやる」

「上手くやる」「綿密な計画を立てる」「成功する」とかじゃなくて

「私の色を組む」「未知をプラスする」「可能性を展開する」。


「成る程? なんか、確かに「回しているもの」が 違うな?」


 「結果」、同じ「成功」が 未来にあるとしても。

 確かにその「本質」は違って
 これまでとは異なる展開になるのだろうし
 これからの私のせかいは それでいいのだろう。


「やり方?意識? 言葉にすると難しいんだけど、確かに なんか。ニュアンス?「意図」は確かに「成功」なんだけど、その「なかみ」が違うんだよなぁ  。」

 でも 杖を創ってても 思ったけれど。


 これからは「損得」ではなく「本質」
 「 すべき」でもなく「やりたいから」

 「何かになる」のではなく「そういうものだから」
 「私が わたしだから」

 「そのまま」 「ありのまま」
 「本質として 存在する」

 それが大切なのだろう。


「確かに。「せかい」には、「損得」もないし。」

なにより「ぜんぶがまるっと自分」なのだ。

 そう そもそも論問題なので ある。


「そう、「前提」よね 「前提」。」

 ふむ。

確かに私は自分の「設定」「前提」を書き換える必要があるのだろう。

ここまで来て それに気付く。

「まだ、中途半端だったって ことだ?いや、進んではいるんだろうけど その段階になったってこと?」

 まあ きっと 光達が そう言ってるんだ
 ろうけど。 うむ。

「それなら。やらねば、なるまいな ?」

そう 虚空に向かって 話し掛けて。

とりあえずは その「設定」を決めるために
自分の中を一旦、クリアにする事に したんだ。



   
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