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8の扉 デヴァイ 再々
感じること
しおりを挟む凡そ。
「かんじる」と いうことを
閉じてきた
長い 永い 間のひかり
しかしここへ来て みんなが。
「開いて」
そう 言うんだ。
「もう 大丈夫だから」って。
「感じること」「触れる」「嗅ぐ」
「味わう」 「見る」「聴く」
それを初めて持った時は
とんでもなく 楽しく 満ち
発見があり 尽きぬ興味へどんどんと進んで行った。
だが 知っての 通り。
永らく遊んでいた 道を逸れていた私は
戻り方を忘れてしまった様なのだ。
だがしかし 少しずつ 少しずつ 解れてきた 膜
外側から徐々に剥がされていったそれは
今
残すところ あと僅かに
本当に 微細なものに なった。
やっと ここまで辿り着いたのだ。
長い 永い 時をかけて
それは「距離」でも「時間」でもなく
「夥しい数の 私」で測れる
光の 距離
その 間に。
何度か
試みたことは あるんだ
「脱いで 大丈夫なのか」、しかし
それを試した時はやはり
まだだったのだろう。
直ぐに被り直した殻は 固く閉じられ
再び開くる日を ただ静かに待っていた。
鐘が 鳴る ときを
鈴が 鳴る ときを
「標」を 待っていたのだ。
じっとずっと その 「なか」で。
そうして
「今」、光達からの「知らせ」が 見える
「点滅する ひかり」
「数多の 光輪」
「満ちてある 真ん中の 自分」。
だから こぼれ落ちる星屑と共に
蓋を開き かたちを開けて
何もかもを全開にしても きっと大丈夫なのだろう
何故だかそれは わかる。
少し 戸惑うだろうけれど
また少し戻ってしまうかも 知れないけれど。
だけど。
「開けてみよう」 そう 思えるから。
今が 「その時」なんだろう。
「思い切り 感じていい」
「恐れずともいい」
「思う様に 融け 触れていい」
なにもかもに 無限に反応できる「私という器」で。
自分の求める、「喜び」「心地良さ」「気持ち良さ」
「感覚を味わう」、という快楽は これまでの「世界」では
見つからなく 彷徨うだけだった。
そう 「制限」という「枠」を嵌めて
自分を守っていた 自分
それにより「味わえなかった」いろ
しかし自分の境界を見つけ 今、新しく私が
「本当」へ向かい拡大する為に超えていくもの
それは 「縛りを外した自分を知ること」
そう 私は。
「知りたいから」出てきた ひかりで
「自分で決めて」「あの色の手を取ったもの」
それであるのだ。
そこからまた 始まる「自分自身」
「如何なる縛りもない 紛れもない自分」。
「私が本当に見たかったもの」。
それが なんなのか
知る為に。
この 「最後の旅」を 終える為に
また始めるんだ 「せかい」を。
そんな 中
まだ なにもない せかい
なんにも持っていない「わたし」の中に
ひとつだけ光る、灯りが 見える。
真っ白 なのか 真っ黒なのか。
その 私の中心深くを渦巻く
新しく加わった「本質のいろ」の中に見えるもの
その中に
ひとつだけ 息づいて見える色が ある。
「終わりと 始まりの いろ」
それは 「開いた私」が 初めに 触れるいろ
「私の真実 求める瞬間」
「本当に心地良いと思える 時」。
そこで「感じる」のは。
自分 を構成する全ての粒子が 余すことなく 崩れ
ひとつ ひとつが触れられ 喰まれ
揉まれ 解され 壊され
その 極小の快感に溢れ 悦び
融けていく その 瞬間の羅列
「死」して 屍が 地に融ける 時。
始めに感じていた 「痛み」「苦しみ」すら
「得た色」で
それを通り越し 知る
「すべてが 生命の なかで
触れられ 融かされ
還ってゆく 瞬間」
「すべてと ひとつに なる 時」。
それは「私」という「器」が 無くなる時
死して肉が 細胞が 小さき生き物達により
分解されてゆく その 様までが
愛おしく 楽しく喜びであり
最も わたしが 求めている瞬間
真の オーガズムを感じれる瞬間かも 知れない
そう 思うのだ。
そしてそれは 真実でも あるのだろう。
その「感覚」が わたしの中に あるのだから。
だから今は。
ただ それまでの「毎瞬」を 楽しみたいと
思う。
どんな微細な「いろ」も 含んで進みたいから。
もっと もっと
「真実」に 近づける 様に。
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