1,152 / 1,740
8の扉 デヴァイ 再々
感じること
しおりを挟む凡そ。
「かんじる」と いうことを
閉じてきた
長い 永い 間のひかり
しかしここへ来て みんなが。
「開いて」
そう 言うんだ。
「もう 大丈夫だから」って。
「感じること」「触れる」「嗅ぐ」
「味わう」 「見る」「聴く」
それを初めて持った時は
とんでもなく 楽しく 満ち
発見があり 尽きぬ興味へどんどんと進んで行った。
だが 知っての 通り。
永らく遊んでいた 道を逸れていた私は
戻り方を忘れてしまった様なのだ。
だがしかし 少しずつ 少しずつ 解れてきた 膜
外側から徐々に剥がされていったそれは
今
残すところ あと僅かに
本当に 微細なものに なった。
やっと ここまで辿り着いたのだ。
長い 永い 時をかけて
それは「距離」でも「時間」でもなく
「夥しい数の 私」で測れる
光の 距離
その 間に。
何度か
試みたことは あるんだ
「脱いで 大丈夫なのか」、しかし
それを試した時はやはり
まだだったのだろう。
直ぐに被り直した殻は 固く閉じられ
再び開くる日を ただ静かに待っていた。
鐘が 鳴る ときを
鈴が 鳴る ときを
「標」を 待っていたのだ。
じっとずっと その 「なか」で。
そうして
「今」、光達からの「知らせ」が 見える
「点滅する ひかり」
「数多の 光輪」
「満ちてある 真ん中の 自分」。
だから こぼれ落ちる星屑と共に
蓋を開き かたちを開けて
何もかもを全開にしても きっと大丈夫なのだろう
何故だかそれは わかる。
少し 戸惑うだろうけれど
また少し戻ってしまうかも 知れないけれど。
だけど。
「開けてみよう」 そう 思えるから。
今が 「その時」なんだろう。
「思い切り 感じていい」
「恐れずともいい」
「思う様に 融け 触れていい」
なにもかもに 無限に反応できる「私という器」で。
自分の求める、「喜び」「心地良さ」「気持ち良さ」
「感覚を味わう」、という快楽は これまでの「世界」では
見つからなく 彷徨うだけだった。
そう 「制限」という「枠」を嵌めて
自分を守っていた 自分
それにより「味わえなかった」いろ
しかし自分の境界を見つけ 今、新しく私が
「本当」へ向かい拡大する為に超えていくもの
それは 「縛りを外した自分を知ること」
そう 私は。
「知りたいから」出てきた ひかりで
「自分で決めて」「あの色の手を取ったもの」
それであるのだ。
そこからまた 始まる「自分自身」
「如何なる縛りもない 紛れもない自分」。
「私が本当に見たかったもの」。
それが なんなのか
知る為に。
この 「最後の旅」を 終える為に
また始めるんだ 「せかい」を。
そんな 中
まだ なにもない せかい
なんにも持っていない「わたし」の中に
ひとつだけ光る、灯りが 見える。
真っ白 なのか 真っ黒なのか。
その 私の中心深くを渦巻く
新しく加わった「本質のいろ」の中に見えるもの
その中に
ひとつだけ 息づいて見える色が ある。
「終わりと 始まりの いろ」
それは 「開いた私」が 初めに 触れるいろ
「私の真実 求める瞬間」
「本当に心地良いと思える 時」。
そこで「感じる」のは。
自分 を構成する全ての粒子が 余すことなく 崩れ
ひとつ ひとつが触れられ 喰まれ
揉まれ 解され 壊され
その 極小の快感に溢れ 悦び
融けていく その 瞬間の羅列
「死」して 屍が 地に融ける 時。
始めに感じていた 「痛み」「苦しみ」すら
「得た色」で
それを通り越し 知る
「すべてが 生命の なかで
触れられ 融かされ
還ってゆく 瞬間」
「すべてと ひとつに なる 時」。
それは「私」という「器」が 無くなる時
死して肉が 細胞が 小さき生き物達により
分解されてゆく その 様までが
愛おしく 楽しく喜びであり
最も わたしが 求めている瞬間
真の オーガズムを感じれる瞬間かも 知れない
そう 思うのだ。
そしてそれは 真実でも あるのだろう。
その「感覚」が わたしの中に あるのだから。
だから今は。
ただ それまでの「毎瞬」を 楽しみたいと
思う。
どんな微細な「いろ」も 含んで進みたいから。
もっと もっと
「真実」に 近づける 様に。
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


『 ゆりかご 』 ◉諸事情で非公開予定ですが読んでくださる方がいらっしゃるのでもう少しこのままにしておきます。
設樂理沙
ライト文芸
皆さま、ご訪問いただきありがとうございます。
最初2/10に非公開の予告文を書いていたのですが読んで
くださる方が増えましたので2/20頃に変更しました。
古い作品ですが、有難いことです。😇
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
" 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始
の加筆修正有版になります。
2022.7.30 再掲載
・・・・・・・・・・・
夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・
その後で私に残されたものは・・。
・・・・・・・・・・
💛イラストはAI生成画像自作


王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる